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【武器世界物語】  作者: ezelu
柳瀬凌駕編
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終結、そして始動


「TBVなんてこんなもん?


神守って人もシリス達とやって死んじゃったみたいだし、大したことないね〜。


さあ、この辺のをぶっ殺して終と狂に会いに行かないと……!」



屋上から地面へ降り立った悪魔は、辺りの武装した人間を全員消し飛ばした。

TBVの兵士は全員が全員、剣城学園の卒業生にして、武術を極めた達人だが、無敵(アンビータブル)は無敵。

敵うはずがなかった。



彼は無敵。

敵は凡人。


差は明らか。




重心を低くして刀の矛先を一点に向ける兵士は苦難の表情で、残忍な悪魔へエモノを煌めかせ、襲いかかるーー



「クッソ……!!

戦争から日本を救ったのは感謝しよう。


そのお前らのクソみたいな性格がなけれb…」



ーーが、彼の周りを纏う不穏な赤い空気感は兵士の刀をも砕き、破壊して、絶望に落ちた彼自身をも内部から破壊していった。



「弱すぎるよ…!


俺を満足させてくれる人間はもう居ないんだろうな。


さあ、誰でもいいから俺を楽しませてくれよ!


雑魚でも最kーーー」



ーー瞬間。

彼の左頬に強い衝撃が走る。

突然の痛みに動揺し、地面へと叩きつけられると、彼は信じられない表情で前方に視線を落とした。



「……りょ、凌駕っ!?!?!?



な、何で…!



し、し、死んだはずじゃっ!?」




マヌケ顔の彼を上から見下ろしつつ、直ぐに二発目の蹴りを腹部に放つ。

勢いよく、クリーンヒットした蹴りによって駿は降りてきたビルの中まで吹っ飛ばされた。



「……今は話すことはない。

取り敢えず、落ち着いて眠ってくれないか?」




コンクリートの塊が粉砕した音と共に、駿はビルの内部から顔を出して。



「なんだよ、それ。

ここは戦場だよ?


そんなの、凌駕が俺に勝つしか方法はないよ。


降参するなら話だけ聞かーー」



「ーーやっぱり、そうだよな。


だから俺は、心を鬼にしよう」



片手に剣を携えた凌駕は、雷光の如く速度で駿との間合いを詰めると、強く握りしめた右手の拳を勢いよく、彼の顔面へめり込ませた。



大きく吹っ飛び、またもビルの内部へ激突すると、ビルを支えていた柱という柱は全て折れ、解体工事の如く、綺麗にビルは倒壊した。



「……な、なんで……能力が効かない!」



「駿、一番最初に戦った時、言ったよな?



剣術スキルに頼り過ぎず、力に自身を持たずに我武者羅に武という技術を向上させることに意味があるということを。


今のお前はあの時よりも……弱い!」



ーー刹那。

コンクリートの塊の下敷きになっている駿へ、

彼の剣から空へと続く、黄色くも白い光は一点へと鋭利な刃物のように、落雷となって突き刺さる。




「……な、なんで……!!


凌駕…お前は……!」


何がしたいのか。

それを聞きたかったのだろう。


何となく踠いて苦しんでいる駿から、ニュアンスだけを奪うと、


次の一撃と共にーー



「……歴戦の無敵(アンビータブル)よ。


後で、必ず蘇らせることを約束しよう。



……だから、今は眠れ」



凌駕の右拳は、簡単に駿を消滅させた。

任務完遂。


嬉しいことのはずなのに、何故か彼の額には涙が流れる。


大量なまでの殺戮は街中を血で染め上げ、主犯格であるattributeは消滅した。



戦争は、第三者の介入(やなせりょうが)によって終結した。




「凌駕、終わったんだね。



お疲れ様!


駿は私達が蘇らせばいいよ。

元々、能力者だしね!」



背後から現れた歩美は、返り血なのか自分の血なのかは定かではないが、血塗れの状況にあった。

笑顔を見せていることに、返り血であることを理解した凌駕はホッとした様子で、

彼女の慰めの言葉を受けて微笑んだ。


すると、彼らの額には白く冷たい何かが空中から舞い落ちてきた。



「……雪?」



「だな。


帰ろう、歩美。


風邪引くといけないだろ」



彼らは歩き始める。


もう一つの人生を。



人間から化け物へ生まれ変わった彼らの物語は、まだまだ序章に過ぎない。



ーー



「コレで…TBVは消えた。


我々、MACが都市を復興させて担っていくしかなくなったわけだ。


この都市は、前のようにはさせない。


凌駕君と歩美さんにはもう少し働いてもらおうか。無敵君もな。



全ては我々、MACが都市を管理しよう!」




続くは五年後。


空白の5年に何があったのか。



次なる物語は、始まった。


投稿遅くてすいません(:3_ヽ)_

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