柳瀬凌駕譚-序章-
すいません、更新遅れましたぁぁぁぁ!
連載再開です( ´ ▽ ` )ノ
最後までお付き合いください!
柳瀬凌駕。
本編の主人公であり、未来の最強剣士となる青年。
そんな彼が通ってきた道を辿ってみようか。きっと、なにか面白いことがあるかもしれない。最後まで見て行くことをオススメしよう。
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俺の名前は柳瀬凌駕。
剣城学園の一年生だ。
まだ学園に入って間もない俺は剣術も何もかも下手くそのハズだったんだ。
「柳瀬凌駕!この学年での剣士トップは君に決定だ。武闘演戯はシードとして出てもらうぞ!」
一学年の生徒と教員が集い、中庭で話をしていた。教員が話す言葉の中に俺の名前は含まれていて、俺は銃士や鎌士などの他のトップの人らと共に代表として前に立った。
全員が全員拍手をしてくれているわけだが、殆どの生徒が悔しさから怒りの表情が伺えた。トップになることの厳しさはきっとこうなんだろう。俺は思った。
「凌駕、おめでとう!来年は私がそこに立ってるんだからね!」
しかし、歩美だけは違った。
小さい頃から一緒に剣術を学び、共に過ごしてきた俗に言う幼馴染という奴だ。
「凌駕君って強いんだね。いや〜、ちょっと手合わせしようよ」
教室に戻ると、小柄な少年が声をかけてきた。彼は、妬みも嫉みも怒りの表情も出さずにニッコリと屈託のない笑顔で俺に勝負を挑んできた。
同クラスということは、彼も剣士。
歩き方や走り方で大体の太刀筋は分かるものだが、彼に関しては何も読めなかった。太刀筋というよりは狂気。
そう感じたのはきっと気のせいだろう。
純粋にそう思い込ませた。
勝負のために歩美を加えた三人は、学園内から少し離れた学生寮にある武闘場に移動した。何処とない広さを感じさせるこの場所は勝負にはもってこいの場所だ。歩美と凌駕も二人でよく稽古をしている場所でもある。
「凌駕とー!坂上駿君の勝負!始め!」
歩美の締まりの悪い開始の合図が空気に消える頃、勝負はついた。
剣士同士の勝負とは"一瞬"。
開始の合図と共に見えるは、両者の抜刀。その抜刀が駿よりも明らかに速かった凌駕の剣は、彼の首筋を斬り落とそうと襲いかかり、寸前で止まった。
駿の剣は、凌駕に届くことは愚か、凌駕の片足によって遮られていた。
「マジかよ…ここまで強いなんて…」
音を立てて地面に膝を付く青年。
彼の額には冷や汗が流れ、目は虚ろになっている。しかし、何処か楽しげに狂気の笑みを浮かべたことに凌駕は気がつかなかった。
「お互いにもっと強くなってまたやろうぜ!」
ニッコリと屈託のない笑顔を彼に見せると、凌駕は剣を自分専用空間内のストックに入れてその場を去った。
その後も、幾多の生徒に勝負を挑まれ続けた。そんなことをし続けて早、三ヶ月の時が過ぎた。1日に3人程の相手が現れ、それを次々に撃破していった結果に、剣士クラスの生徒全員を倒したことになる。
この三ヶ月間の結果はこの先の大きな出来事に繋がることとなった。
「凌駕さーん、ちょっと来てもらえません?」
同じクラスの青年が俺に話しかけて、手招きの仕草をしてきた。俺は何だろうと疑問に思って、そのまま彼の後について歩いていく。
何処に向かっているのだろう、視界はだんだんと暗くなる。青年が突然、立ち止まる。目の前に見えるは、黒い扉。
「着きましたよ。凌駕さん、ここまでの道のり少し長かったですね。喉乾きましたよね。これ、コーヒーをどうぞ!」
俺は言われるがままに缶コーヒーを受け取って、封を開け喉に流し込んだ。
無糖ではなく、微糖だ。苦いものがあまり得意ではない俺の子供舌を分かってくれているのだろうか。
きっと、それは偶然だ。俺は彼が次に発した言葉に驚愕した。
「凌駕さん、さようなら。貴方がいると僕ら剣士クラスの生徒全員が上にいけないんですよ。だから、死んでもらいます!」
青年の目は何処か虚ろで、目玉があるのに、ないように見えた。
口元を歪め、狂気な笑みを浮かべると黒い扉を開けた。
中は、凄い賑わいで天井に取り付けられたミラーボールが回転しながら中の人達に色を与える。
扉が開いたことで中の人らの視線が全て俺に向いた。彼らは俺を見るなり、喜んだように絶叫し、狂気な笑みを浮かべ始めた。
「妬み嫉みはいずれあるってわかってたけど、まさかこんな集団で来るなんてよ。考えてなかったぜ」
「いつまでそうしていられるか、楽しみですね。じゃあ、行きますよ!」
剣を展開させてくれる様子もなく凌駕に襲いかかる100人の剣士クラスの生徒達は、全員が自分達の得意とする剣術スキルを早々に展開しぶつけようとこちらを睨んで来ている。
「ただ、勘違いしないで欲しいのは俺から君らを倒しに行ったわけではないという点だなー。君らから来たんだよな?」
という、凌駕の素朴な疑問からなる意見は生徒達の心に突き刺さり、貫いた。
当然、彼らは怒り狂ったように物凄い形相で凌駕に四方八方から囲い込むように剣術スキルを発動した。
一つ一つでは、小さな威力にしかならないものの、数が数なため莫大な力の衝突で爆風と衝撃波が辺りを破壊する。
「剣を上から振り下ろす時は、目を瞑らない。それと、確実に相手に当てるようにしようか。」
凌駕は、囲い込まれた瞬間に自分の剣ともう一つしまってあった"雷光"と柄の部分に刻まれた剣を即座に取り出して、生徒達の自分に当たると思う剣だけをソレで防いだ。それも、凌駕の剣に防がれたのは一本の剣のみ。爆風が消え去った後に、剣を振り下ろした青年達は顔を真っ赤にして再度振り下ろす。
「剣術スキルの使い道は先手必勝じゃないよ。それと、俺の剣術スキルは……複数特化型なんだ」
冷静な説明と冷ややかな凌駕の表情が終わる頃、100名の生徒達は全員同時に凄まじい電撃からなる激痛を喰らい、その場に倒れた。
「そんなんじゃ、いつまでたっても俺は倒せないよ。それに、倒せないって思って妬むなら俺が教えてあげるのにさ」
意識を手放している大勢の生徒に、優しい言葉を送り、凌駕は静かな教室に戻って行った。この一言が、明日の凌駕を苦労させることになるとは今日の凌駕は知る由もない。
ーー翌朝。
「凌駕サン!オレ達に剣を教えてください!!」
教室の凌駕の席周辺には、昨日の100名の生徒達が集まり土下座をして懇願している。まさか、こんなことになろうとは思いもしなかった凌駕は一瞬ビビって肩を震わせながらも次の瞬間には。
「よし!やろうか!」
と、全員を学生寮の武闘場に誘って剣術の稽古をつける彼の姿が見えた。
次回の更新は少し遅れます!
他のキャラ達の辿ってきた末路、本編で登場した武術都市誕生の戦争編もやっていきたいと思います!
武闘演戯編はその後で!
こっちのがやりたかった←
尚、辿ってきた末路を知りたい!というキャラが御座いましたら感想欄等で気軽にどうぞ!
最後までお付き合いくださいっ!




