戦闘開始!
『雷ヶ峰終。あんたには私と一緒に来てもらうわよ?』
『ッチィ…しゃあねェなァ。女と手ェ 組むのは性に合わねェがァ、あの目的のためとならばなァ?じゃあ、行くぜェ!』
とある廃工場から二人は出てくる。外に出て一歩目の足を地につけた瞬間、消えて。
その直後、廃工場の全シャッターが開き始めるのだ。
中から、一億を超えるほどの能力者達の集団が現れて。彼らの目には光はない。
動く理由はただ一つ。
TBVを武術都市の闇を破壊することだけ。終の想いが、彼らに反映されていくのだから。
『侵入者だ!全員!装備を整えて侵入者を殺れ!』
武術都市の剣城学園の地下に存在するTBV本部でレッドレベルの警報が鳴り響き様々な命令が下るのだ。
終と薫は本部内を走っていく。
厳密には、風と雷になっているため人間には見えないのだが。
通りすがりの男達の内臓を雷で焼き風の刃で切り刻むという連携プレイをしていれば、彼らの通る道に血の匂いは絶えなかったのだ。
『磨崖狂様の出番だな〜。お前ら死ぬぜ?』
地上の剣城学園の正門の前には磨崖狂の姿があり彼の目の前には一億を超えた能力者の集団が立っている。
『目標を確認。直ちに殺戮を開始いたします。』
集団の中の先頭の一人がそう呟くと彼らの目の色は真っ赤に染まり戦闘態勢へと切り替わる。
『やる気なんだろうけどよ〜、ってな〜?ま、楽しもうぜ〜!』
地上での出来事の時、地下で薫と終は思わぬ人物に立ちはだかっていた。
『君達は、ここに何しに来たのかね?死にに来たのかい?』
男の言葉は重く薫等へのし掛かり消えない。
『てめェを殺しに来たんだよォ!』
『口が悪いよ、終。お前はあれから大人しくしていれば良かったものを。何故足掻く?武術都市の闇に立ち向かえるなどと思ってるようだが不可能だよ。』
男は、自分の懐から拳銃を取り出す。パァンッと音が鳴り響き、終へと向かっていく。
『こんなも…のォ!』
雷で起動をそらせば、銃弾は天井へと向かっていった。
『真っ向勝負では勝てないか…な?』
天井にめり込んだ銃弾は、宙に浮き終の周りをグルグルと周ると背中から貫いた。
『なっ…こんなんじゃ俺が死なねェのを知ってんだろうがァ!……グハッ…』
口から大量の血を吐き、その場に座り込んで、咳き込んでいれば。
『もう終わりかい?』
銃弾は雷の通った終の身体を連続で貫いていく。穴だらけとなった身体からは真っ赤な液体がジョウロの穴のように溢れている。
『いくら死ねないと言っても、その痛みに死にたくなるということはあるだろう?君は精神の壊れた植物人間のように立ち止まっていればいいのだから…なっ!』
男は、終の身体から血液が無くなったのを認識すると薫の方に視線を向けた。