表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12分  作者: 杏樹
3/5

第1章 3

 知れば知るほど、美果は自分が決めた団体が好きになった。ところが、どうしても好きになれない行事があった。コンクールだ。

 座山高校吹奏楽部は人数が多い。どれくらい人数がいるかというと、全校生徒で九人に一人は吹奏楽部員、というくらいだ。その人数の多さから、コンクールはA編成とB編成に出場し、更にはそのメンバーは学年順ではなく、上手ければ一年生でも二年生を抜かしてA編成に乗せる、という実力主義だった。そして、その実力は、月に二回程度呼んでいる楽器ごとのパートトレーナーと、榊原の前で行われるオーディションで量られる。

 定期演奏会の、温かく和気藹藹とした雰囲気に惹かれて入部した美果にとって、オーディションが近付くにつれて殺伐としてくる感じが嫌で仕方がない。加えて、技術が逆転したと判断されれば本番一か月前まで普通にメンバーが交代するから極度の緊張状態が続くのだ。オーディションは五月末で本番は八月中旬だ、たまったものじゃない。

 美果はオーボエだから、オーディションは踏むべき手順であるだけでないも同然、半ば強制的にA編成に乗ることが決まった。そのようなパートがある一方で、クラリネットやトランペットでは熾烈な争いが繰り広げられている。そのような温度差が発生するのも、美果が嫌がる理由なのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ