キープし続ける女の、末路。
正直、感情移入できるタイプの主人公ではないと思います…。。(>人<;)
生きてく上で、【保険】って必要でしょ?
「いい加減にしてくれよっ!!! 」
「………」
怒鳴る男は嫌い。
結婚したら、そうやって直ぐに怒りの感情を剥き出せば、此方が逆らえないと思ってる…だろう、から。
「……解った」
「ディコ…! 」
「…じゃあ、別れよっか?あたし達」
「……………えっ……? 」
「貴方の都合で、別れるしかなくなったから、此処の支払い、全て貴方が払っといてよね。…じゃあ」
「……えー、っとお……ディコ? 」
ポカンとする男を無視して、あたしは席を立つと、其の儘店の出入り口へと向かう。それを追い駆けてきて、あたしの腕を掴んで、「まだ話が終わってないぞっ! 」と言うしつこい男に、あたしは悲鳴を上げた。それにより、店内にいたほとんどの人間が一斉に、あたし達へと注目する。
あたしになにか悪い事をしようとしてる男と被害者女性の構図に、傍から見えると考え、分が悪いと思ったのか、腕から手を離してくれた。その隙をついて、あたしは店を飛び出す。
「ディコっっ!?!!! 」
男の呼び止める声が聞こえてきたが、聞こえないフリをして、“次”の目的地へと向かって足を進めた。
ーー次は、大丈夫だよね?
「遅れて御免なさい……どれぐらい待ったぁ? 」
待ち合わせ場所には、既に彼の姿が。
謝りながら、待たせてしまった時間を訊ねると、「全然、待ってないよ」と言って、手を差し出す彼。
………。
……………うん!
彼こそ、あたしの運命の相手に違いない。あたしは、差し出されたその手に、己のソレを重ねて、握り締めた。
「……ディコ」
「んー? 」
真剣な話なのか、声音がいつもよりも低い。緊張しているからか、触れた彼の掌からは、汗が流れているのが伝わってきて、ーー………気持ちが悪い…っ。
「おっ…俺達……つっ…付き合ってから……何年、経つっけ? 」
「………もしかして、プロポーズ? 」
「!? っ……」
息を呑んで、黙り込む男に、やっぱりか…と思った。
本来なら、水を差さずに、話をちゃんと聞いてあげるのが、暗黙のルールだろう。でも、あたしは水を差して訊いた。
………結婚、したくないからだ。
「じゃっ…じゃあ…! 」
「悪いけど、結婚する気はないから」
「ッッ………なっ…なんでだよ?俺…魅力ない? 」
「……うん」
嘘は、吐いてない。でも、これ以上話したら、本当の事を口にしそうで怖い…。
魅力を感じない部分は、別の誰かで補ってる、と。
先程会ってたアイツは、それを理由に、あたしを責め立てた。
俺以外の男と付き合うなッ! って。
だから、これ以上の揉め事を増やさない為に、“他の男で補ってる事”は、黙っている事にした。
そうすれば、全てが穏便に進むか
「ッッ!? 」
何が起きたのかわからないが、一つだけ言える事は、頭に激痛が走っているという事だ。
「ディコちゃんはさぁ」
言い様、馬乗りになってきた男に、コイツに頭を殴られたのだと理解した。
「男はヤる事しか脳がないから、ヤれないまでの間はいいなりに出来るって、思ってるっしょ? 」
「…まぁ、確かに、最初はそうだな、うん」
「でもなぁ…幾ら、頭と下半身は別の生き物みたいな表現されてても……“心”は、あるんだよ」
「つまり、感情があるワケで………他の男と関係持ってる事、気付いてないとでも、思った? 」
「男に浮気をするな、って求めんなら…女側も、そのルールを守らなきゃ、筋を通さなきゃ…だよなァっ?! 」
「ゔあ"ぁ…ッッ!!! 」
首を締め上げられ、息が出来なくて苦しい…っ。
如何して、あたしはこんな目に遭わされるのだろう…?
………。
…………………………。
…………………嗚呼……あたしが、悪いんだ…。
浮気をしない事が条件で、私達は交際を始めた。
でも…あたしは……その決め事を破って…色んな男と、関係を持っていって……。
初めて付き合ったのは、目の前の彼。
彼と付き合ってて、将来をふと考えた時に、不安になった。
此の儘、この男と生涯を共に出来るのか? って。
自分には、もっと他に相応しい男が、いるんじゃないのか? って。
「………」
……うんん。さっき、思ったじゃん。
“彼こそ、あたしの運命の相手に違いない”…って。
なのに……如何して、浮気してしまったのだろう…?
気付いた処で、全てが遅かった。
後悔先に立たずというべきか……あたしは、愛する男の手により、命を手放した。
最近、こういった重めの作品を書く事が多いですが……スランプに陥りまして…。。
リハビリで、過激な内容を書いています(`・ω・´)((←⁉️