入学式
この国最大の学校マルシアナ
今日俺はここに入学することになった。
「今日あるのは入学式と実技測定か」
学校への道を歩きながら今日のガイダンス内容を見ていた所前に入学式へ向かっていると思わしき生徒たちが居た
「やばいよマナ、私今日友達できるかな?!」
「緊張するよね、カナちゃん。でも最悪できなくても私は友達だよ?」
「慰めになってないよ〜?!」
赤髪ロングのテンションが高い女と金髪ショートの女がワチャワチャしていた。
ほんとにこんなところでやり直せるのか?
俺は老婆のやり直せる発言を信じてこの学校へ入ってきたが、元々俺は同年代の中でも頭ひとつ抜けて冒険者として活躍していたんだ。
学園は様々な分野を目指す人らが様々な授業を選択しながら受け成長しこの国の人材へとなる為の場所とされており、一応冒険者向けの学校もあるらしい。
たしかに学園を出て冒険者になった人たちは優秀な成績を収めていたが俺は学園を卒業した年上の奴が多数いたBランクに並ぶくらいの力はあったんだ、今更学校に行っても学ぶことあるのか?と思ってしまうのは仕方ないだろう。
そんなことを考えているうちに学園へ着いた。
先生に案内されながら移動し入学式を受ける
「私、生徒会長シルフィアは皆様がこの学園で実りある生活ができる事を祈っています」
そんな感じの話を適当に聞き流し今日の残りの日程である実技テストを行うことになった。
「はい、先生ですよぉ。冒険者や騎士など戦闘が求められる皆様は今から魔法や剣や体力のテストをしますね〜。それではまず体力テストを2つほど行いましょう」
テスト項目は
短距離走
持久走
短距離走を4名ずつ行い、俺は4人の中でいちばん早かった
(やっぱり実技経験のある俺とこいつらじゃ体力に差があるか)
続いての持久走
「それではよぉいすたぁーとぉ」
その言葉を合図に全員が走り出す
俺は単騎トップを独走し走り抜けた
半周ほど終え流石にきつくなってきた頃後ろの方から2人ほど追いついてきた
「まけるか、よ」
少しギアを上げ走るも後ろのふたりは距離を詰めてくる。
「やっと追いついたァ!!!!お前早いな!!!!ぜってえ負けねえよ!!!!」
暑苦しそうな男はそう言って俺の前を通り抜け隣に並んだ女も無言で追い抜き結局俺は3位だった
続いては魔法のテスト
これは魔法を専門にしようとしている奴らも合同で行うっぽい
「それではあの的に攻撃魔法や様々な魔法を当ててみましょうね〜」
魔法を覚えたての奴らが多いみたいで大多数は魔力の塊を当てていた。
多少魔法を使える人たちもいるようだが
「それでは次の者達」
俺は一応貴族の出自で、貴族は魔法の適性が高く幼少期から魔法を学んでいる。その点、俺は他の奴らよりも魔法が上手い。
ほかの人たちが魔力の玉を飛ばす中、俺は魔法を詠唱していた
「火炎の精霊よ、我が問いに答えよ ファイアボール!!」
俺が放った炎の玉は的へ当たり爆発した
「おお、さすがです。それでは最後の人も放ちましょうか」
「す、すみません。すぐします!!」
お、朝わちゃわちゃしていた赤髪の女だ
「いけ!!!!!炎の鳥ちゃん!!!」
その瞬間、鳥を象った炎は的に当たり炎の渦で包み込んだ
「はい、それでは次の組へ交代です。」
なるほど、全員のテスト結果を見れた訳じゃないが中々に、ここは学ぶことが多そうだ。
自信にまだ染み付いていた奢りをここで俺は完全に捨て去り他の奴らと同じ一学生として次回からの授業に思いを馳せた。