序話『COLOR PALETTE』
“ The best color in the whole world is the one that looks good on you. —— Coco Chanel”
(世界で最高の色は、あなたに似合う色である。—— ココ・シャネル)
『色』は光が物体に当たって吸収されたり、反射することによって何種類もの『色』が見える……というのは昔の話。この世界から『色』が消え、やがて世界が滅び始めた……
これは彼らが世界に『色』を取り戻す物語である。そう、これは『COLOR PALETTE』の物語だ。
君は『色』についてどう思う?今日のラッキーカラーはどうとか、君の性格からして何色が似合うだとか、目に見える確実な情報や曖昧な占いの話まで、『色』というものは我々にとって大切な情報だ。このようなものが無くなってしまったらかなり不便だと思う。……いや、差別的に言っている訳ではない。私に色盲の友人がいるから少しだけ知識はある。見ている『モノ』は同じなのに、一個人の頭に入ってくる『情報』が異なること。我々は五感を通して外部からの物理的な『情報』を感じているが、その中の視覚の『色覚』が、正常とは別の何かを、感じてしまう怖さを知ってもらう必要があると、知ってもらいたいのだ。
――[削除済]
『我々が失ったのは“色”という認識だけではない』