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Ms.BLACK  作者: 弓塚晋助
一章
12/16

コーヒー修行

 やりたかったシュチュエーションは出来なかったけど上手く軌道修正できたんじゃない。


 王様を殺しにくる(やりにくる)暗殺者には驚いたけど、王様は何かと恨みを買ってると思えば納得出来る。


 別にあのまま放置しても良かったけど、壺を持ち帰るときにあの暗殺者のせいにしとけば、その暗殺者が怪しいってなるし、あれで良かったかな。


 怪しまれてはいるだろうけど、ミステリアスな雰囲気で登場したからノープログラムだ。


 あの王様の驚いた顔を見て確信した。


 あっ、これは考えが読めないように振る舞って正解だったなって。


 それにしてもいい天気だ。


 太陽が窓ガラスを通して、細かな光に分裂する。


 窓の外からは賑やかな喧騒が聞こえて、往来する人の多さがわかる。


 部屋には僕しかいない。プルルは街の様子を見たいと言ったのでお金を持たせたら、出て行った。


 すぐ側にはテーブルが置いてあり、混ぜたコーヒー豆で注いだコーヒーが置いてある。


 右手には新聞を持ち、左手には注いだコーヒーが。


 このコーヒー豆は最高級の豆だ。有名な農家が品種改良を繰り返し、様々なバリエーションを含んでいる一品だ。


「いい出来だ」


 コーヒーを口に含めむ。


 この苦さは目覚めの一杯だ。


 僕は前世でコーヒーをあまり飲んだことがなかった。


 コーヒーを初めて口にしたとき、苦いしか感じないのだ。


 お茶や紅茶などの葉っぱを使う飲み物ではなく、穀物である豆を使ったコーヒーだが僕は好きではなかった。


 コーヒーは苦いし、眠くならなくなるカフェインしかいい所がない。


 砂糖を入れれば飲めるが、そのコーヒーはもうコーヒー牛乳の味だった。


 でもこの世界に来てからは良いと思うものの一つになった。


 だって考えてみてよ。


 コーヒーを優雅に飲み、何か深い考えを巡らす大人びた女性。


 カッコよくない?


 クールキャラの満点に違い姿の一つではないかと断言する。


 この世界に来て、おばあちゃんがコーヒーを飲んでいるのを見て、僕も挑戦したがやはり無理だった。


 だがクールキャラとして生きることを選んだ僕はコーヒーを飲まない訳にはいかなかった。


 紅茶が飲めて、コーヒーが飲めないクールキャラなんて三流以下だ。


 一流を目指すならどんなものも涼しい雰囲気で飲まなければいけないじゃないか。


 僕は努力を重ね、自分の表情筋と向き合いながら並行して舌を鍛えた。


 コーヒーをどんな状態でも上手いと思えるように毎日、よくわからない植物を口に入れた。


 酸っぱかったり、辛かったり、甘かったり、痺れたり色々あった。


 その影響で胃が強くなったのか。明らかに”これ毒でしょ”ってやつも食べれるようになっていた。

 

 毒にも美味しいやつと美味しくないものがあると、このとき知った。   


 なんやかんやあって、僕はコーヒーを克服した。


 今では注いだコーヒーがどの農家のコーヒー豆か匂いと味でわかる。


 そして、この場には全てが黒く落ち着いた雰囲気の女性が一人。


 その領域は犯しがたく、何物も踏み込めない神域。


「クリフ王国の周辺の村に巨大な生物の痕跡あり、か」


 持っていた新聞にはそんなようなことが書かれていた。


「騎士団が魔術院に協力を要請し、現在捜索中。なるほどなるほど」


 ふむふむと頷く。


 扉の開く音がした。


 そこにいたのはプルルだった。


「お帰り。どうだった王都は」


 プルルは何故かボロボロだった。


 来ていた服からは埃がついていて、汚かった。


「先生やばいです」


 余裕がない様子で言った。


「このままじゃ、この王都は崩壊します」


 僕は物騒だなぁ、って思った。


 

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