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第3話,スラキーとチュートリアル配信始めてみました!

 チュートリアル17回、二日目。今日は土曜日。


 今日からダンジョン配信するぞー!!


「メタモルフォーゼ!」


 スキルを発動し、ダンジョンの入口で、髪色と目の色を変える。姿が変わったことを確認した後、誕生日に買ってもらったドローンを飛ばしてみた。カメラ映りを確認する。いよいよチャンネルを開設、配信を開始! しようとした時だった。


「何してるんだ?」


 振り向くと、スラキーが居た。


「スラキー?」


 スラキーは不思議そうに見てる。


「何してるんだ?」


 スラキーこそ、何してるんだ? ここ二階層だよね? 一階層のスライムが二階層に来ることもあるんだな。


「これ? これはね、あの飛んでいるドローンを使って、このチュートリアルダンジョンを配信するんだよ」


「配信って何だ? どうやるんだ?」


 スラキーが目を輝かせている。何だか可愛い。


「ふふ。あのドローンにカメラが付いてるだろ?

 あれで撮影して配信、皆に見せるんだよ?」


 スラキーに配信画面を見せてやる。カメラの前でピョンピョン跳ねるスラキー、可愛い。


「すげえ! なぁ、俺も一緒に配信っていうの出たい!」


 スラキーと配信に? 面白いかな? スライム効果で見る人も増えるかも?


 なんて期待をしてみる。


「じゃあスラキー、一緒に出てみる?」


「わーい!」


 スラキーはピョンピョンと嬉しそうに跳ねている。


 よし! じゃあ、始めよう! カメラに向かって話をしてみた。


「みなさん、こんにちは! 今日から配信を始めましたユウです! こっちは相棒のスラキー! よろしくお願いします!」


 やっぱり姿が違うからかな? 全然緊張しないや。


「ピキー!」


 スラキーも跳ねたりしてアピールしてる。でも、同接はまだ無いだろうな。そんなに直ぐ来るわけ……そう思いながらも期待を込めて、スマホで配信アプリの表示を切り換えてみると、同接数が2になっていた。


 あれ? いる? 嬉しいな。


「来てくれた方、ありがとーございますっ! ここはチュートリアル二階層です! 実は呪いにかかっているらしく、チュートリアル17回目でレベルは30になりました! それでは、始めていきます!」


 二階層を進んでいく。ここは一階層と同じく入り口付近はスライムばかりだ。いつもは戦闘するんだけど、今日は戦闘無し。スラキーが一緒に居ると、道が出来る。スライム達の真ん中を歩いていると、可愛らしいピンクのスライムが目の前に出てきた。


「スラキーを連れていかないで!」


 半泣きで怒っているピンクのスライム。とりあえず、話をしてみるか。


「ピンクのお嬢さん? スラキーを無理に連れていっているわけではないんだ。スラキーが付いていきたいって言ったんだ」


 ピンクのスライムはスラキーに問いかける。


「スラキー、本当なの? この人と一緒に他の階へも行っちゃうの?」


「おう! 面白そうだし、ちょっと行ってくる」


「危険だわ。それに、この人がチュートリアルのこの塔をクリアしたらどうなるの? 戻ってこれないんじゃないの?」


 ここって塔だったのか。外から見たこと無いから分からなかったな。


 心配そうなピンクのお嬢さんに対して、スラキーは余裕そうにニヤニヤ笑う。


「大丈夫だって! それにこいつは呪いにかかってるし、解除方法もまだ分かんないみたいだから、また帰ってくるよ」


 何だか、俺がまたループするの分かったような言い方だな? スラキー、まさか呪いの解除方法知ってるとか?


 そうやって考えていると、


『あの、何をしてるんですか? もしかして、スライムと話してます?』


 おお! リスナーさんの初コメ!


「え、えと、コメントありがとーございます! 実は()、メタモルフォーゼというスキルで変身出来るのですが、その時の効果で変身した魔物(モンスター)の言葉が解除した後も分かるみたいです」


『そうなんですね。 凄いです! けど、スライムはピキーっていう声だけで、何を言ってるかは分からないですが』


 そうか、スラキーの声が聴こえるのは俺だけなんだ。


『なぁ、スキル見せてくれないか? チュートリアルでスキル使ってるとこ見てみたい』


 あれ? コメント一人じゃないな。もしかして、同接も増えてる?


 また、配信アプリの表示を切り換えてみる。同接数132になっていた。


 どうしたんだろ? 急に増えた。皆、チュートリアルの配信が珍しいのかな? それとも、スライム効果? コメント貰えたし、ここは変身してみるか。要望に答えるのも配信者の務めだよね!


「皆さん、スキル見せます! 今からスライムに変身するので見ていて下さいね! メタモルフォーゼ!」


 ボンッという音と共に、身体が変化する。


『ホントにスライムになったー!!』


『マジか』


『しかし、チュートリアルでこんなスキルとは』


『あの、レベルどれくらいですか?』


 ああ。変身スキルなんて使ってるから、レベルが気になるんだな。


「えと、レベルはさんじゅ……」


 言おうとした時だった。最初から来ていたリスナーさんが、答える。


『レベルは30みたいですよ』


 レベルを伝えると、コメントが沢山付いた。何だか皆驚いているみたいだな。


『30!?』


『チュートリアルで30とか有り得るのか?』


『お前、何でそんなレベル高いんだ?』


『チートじゃんか』


『スキルもチートか』


 否、ちょっと待てよ。俺、何度もループしてんだけど。


 するとまた、最初から居たリスナーさんが言ってくれた。


『この方、呪いにかかっている様ですよ? チュートリアルも17回目らしいです』


『マジか』


『呪いなのか?』


『そんなことあるんだね』


 良かった。最初から見てくれてる人が居て。


「えと、(はな)さんありがとうございます。そうなんです。僕、呪いにかかったみたいで、チュートリアルをループしてます。今、17回目です」


『?』


『?』


『あの、ごめんなさい。スライムが跳ねながら何か言ってる? という感じで……』


 え? あれ? スライムの姿だとダメなのか。


「メタモルフォーゼ!」


 スライムから人の姿に戻って説明する。


『否、でも信じられないな。見た訳じゃないし』


『それもそうですね』


 んん? 雲行きが怪しくないか?


『ステータス見せてよ』


『ユウ氏、見せるべきだ』


 ああ、なるほど。実際に見ないと信じられないのか。


「分かりました。ステータスオープン!」


 名:■■■■

 年齢:16

 職業:学生

 状態:呪い(ループ)

 場所:チュートリアル(個別)二階層


 level:30/99


 ――ステータス――


 HP:200/200

 MP:150/150


 攻撃力:???

 魔法攻撃力:???

 防御力:???

 魔法防御力:???

 回避率:???

 命中率:???

 運:???


 呪い解除方法:???

 チュートリアルクリア回数:16

 装備:チュートの剣、チュートの盾、チュートの鎧、チュートの兜、チュートのブーツ


 スキル:武器合成、メタモルフォーゼ(変身:発動時、メタモルフォーゼ、今まで倒した魔物の能力コピー及び変身可能、その他:姿変化)、???(level 35で解放)


『マジなのか』


『クリア回数16って』


『草』


『頑張ってレベル上げたんだな』


『呪いもマジっぽいね』


『攻撃力とか見えないのも、呪いだったりして』


『16回クリアすると、チュートリアルでもこんなになるのか』


『武器アイテムがいっぱいある』


『しかし、上限レベル99は凄いな』


 分かって、くれたのか? それにしても、上限レベル99って凄いのか? もしかして、与えられたステータスって良いのかな?


「あの、分かっていただけましたか?」


『チートとか言って悪かったな』


『呪い乙』


『チュートリアルから抜けられないって耐えられない。俺なら辞めてるよ』


『これで頑張れよ!』


 ■500コイン


 ピロンという音と共に虹色の表示が出る。


 投げ銭だっ!


咲魔(さくま)さん! ありがとーございますっ!」


『あ! 私も! 最初から見てるのに、さっきは疑ってごめんね!』


 ピロン


 ■500コイン


「華さんも! ありがとうございます!」


 分かってくれて良かった。頑張って来たのにチートとか言われたら辛いもんな。


「それでは、今日は三階層の入り口まで。皆様、ご視聴、投げ銭等、本当にありがとうございました! 明日からも頑張りますので、よろしくお願い致します!」


『乙ー』


『がんばれー』


『応援してるよ』


 皆さんのあったかいコメントを全て見た後、配信を切り、ダンジョンから部屋に戻った。


 しかし、最初の配信であれだけの人に見て貰えて、投げ銭まで。楽しかったな。明日からもまた、頑張ろっと。


 今日の事を振り返りながら、明日からのチュートリアルが楽しみになっていた――――。











ご覧いただきありがとうございます☆


――――


スラキーは楽しいことが大好きな男の子。やんちゃだけど、とても優しいスライムのリーダーです(*´▽`*)

このスラキー、これからどう関わっていくのでしょうか( *´艸)?


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― 新着の感想 ―
[良い点] ダンジョンで配信というところが斬新で面白かったです。 あまり時間なく他の作品を中々読めなかったのですが気づいたら配信までサクサク読んでいました。 続きも楽しませていただきます(^o^)…
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