第15話,受信されたメッセージとスラキー達との別れ
パチパチパチという焚き火の音で目が覚めた。眠い目をこすりながらテントから出ると、スラキー達が何やら集まって話をしている。
こんな夜更けに何を話しているんだ? 耳を澄ませながら、そっと近付いてみる。
「スラキー様、どうするのですか?」
「そうだな。このままじゃ、ユウが俺たちの王になれないからな。こんなに人が良くて扱いやすい王は居ないからな。以前来た女も良いと思ったんだが、疑い出して駄目になったもんな」
「そうですよ。それに彼女は、ユウの配信に来ていたらしいじゃないですか」
「そうなんだよなー。ユウは気付いてないみたいだけど、気付いたら厄介だし……って、ん?」
気付かれたか!? ……何とか大丈夫そうだな。
気付かれないように、そーっとテントに戻る。横になったが、スラキー達の会話が気になって、なかなか眠れそうにない。
それにしても、扱いやすい王……だなんて、辛いな。スラキー達は魔物だけど、信じてたのにな。
横になりながら、何だか悔しくて涙が出てくる。しばらく眠れずにゴロゴロしながら、圏外で通じなくなってしまった、スマホに手を伸ばす。見ると、何やらチカチカ光っていた。
えっ!?
思わず飛び起き、スマホの画面を見る。メッセージが一件受信されていた。もしかして電話も繋がるかもと、電波状況を見てみるが、やはり圏外のまま。
圏外なのに何で……? 何処かで繋がってた? 先ずは見てみないとな。
メール送信者:◯?※△$※??※
『突然のメッセージ△驚かれて✕ると※※ます。音信不通になってい◯△$※、皆が心配しています。このメッセージが届いているとい△※は、ベ?※に入り指輪を発見したんですね! 試しに送っているので、確信は持て△※※?……私はそう信じて△ます。ユウくん、スライムを※?ないで! スライム達は✕△※に都合の良い国を作る為の王を◯△※いるの。塔△※?居るのなら、塔から※ては駄目。アトディマス島は本当に危険よ。安易に島の森の中に入ってしまうと、本当に帰れなくなってしまうの。私ももう少しで危なかったわ。指輪の力、そして指輪の精霊を信じて。剣を△※?場所に戻すのです。そうすれば、また0階層に戻れるはずよ。
——このメッセージが優くんに届く事を願って——
元アトディマス島冒険者、華より』
メール受信者と……所々文字化けっぽいな。何て書いてあるんだろう。
読み進めていくと、スライムや指輪の事まで書かれていた。最後に元冒険者と書かれているが、思わぬ人物だった。
華さんっ!? って、あの初期の配信から来てくれていたリスナーさんだよな。そういえば、スラキー達が彼女は配信に来ていたって言ってたけど、まさか、華さんの事だったなんて。
何度もメッセージを読み返し、さっきのスラキー達の会話も思い出していた。
べ?※は、このベル塔の事だよな? それと、スライムを信じないでかな? 後は……スラキーが塔から必死で出ようとしてたから、きっと出ないでって事だろう。剣はこの古の剣の事だよな? これだけは分からないな。何処に戻すんだろ……指輪の精霊を信じろか。
分からないことはあるが、少し希望が持てた気がした。指輪を頭上に掲げてみる。宝石は青く透き通っていて、何だか吸いこまれそうだった。
華さんに感謝だな。試しに送ってくれて本当に良かった。指輪の精霊にまた、会えるかな? けど、これも本当なのかな? 否、華さんが嘘をついたり、わざわざメッセージを送ってくる理由は無いよな。でも、メッセージ自体何かの罠だったら……!?
希望が持てた気がしたが、疑いだしたらキリがない。けれど、不安で堪らなかった。自分が何を信じたら良いのか分からなくなってきた。また、テントの中でゴロゴロする。暫く経って、スラキー達がまだ戻って来て居ない事に気付いた。
しかし、スラキー達はいつまで話しているんだ? 敢えて行ってみるかな。
テントからわざと音を立てて出る。音に気付いたスラキー達が一斉にこっちを見た。
「スラキー、こんな夜に皆で集まって何を話しているんだ?」
「ゆ、ユウ、起こしたか?」
「否、少し寒くなって目が覚めただけだよ。そしたらスラキーが横に居なくて、焚き火で温まろうと思って来たら、何か話し声がするから……」
「そ、そうか」
(明らかに動揺しているよな……)
「スラキー、何を話していたんだ?」
「あ、ああ……塔からどうやったら出れるか、どうやったらユウが王になって、帰れるかとかな」
(俺がどうやったら、帰れるか……ね。簡単に嘘つくんだな。しかし、王にするのは譲れないんだな)
「そうなんだ! 俺が帰れるようにって、考えてくれてたんだね。スラキー、ありがとう」
「う、うん。ユウは大事な友達だからな。助けたいと思ってるよ」
(もう良いよ、そんなに嘘つかないでくれ。どうせ、自分達の都合よくしたいだけだろ)
「あ、ありがとう……俺、考えたんだけど、本当に塔から出なきゃ駄目かな? 0階層からここに来た訳だし、これ以上離れない方が帰れるかもって、思って……塔の中をもう少し散策しないか?」
「塔からは出ないとって言っただろ!!」
スラキーがいきなり声を上げる。
(必死すぎるな。スラキー、やっぱり怪しいよ。もう、信じられない)
「何でそんなに怒るんだ? 俺はどうかなって言っただけだよ?」
疑っているのに、強く出れない。
「あ、否、塔から出ないと王の資格が、さ」
「そう。また、王なんだね。何だかもう、俺は疲れたよ。暫く別行動しようか?」
俺はスラキー達にそう言い、テントを片付け始めた。
(そうだよ。これで良かったんだ。これ以上、スラキー達と一緒に居ても辛いだけだ。それに、一人だと塔の中を気兼ねなく調べられる)
「お、おい、ユウ! 待てって」
「スラキー、悪い。暫く1人で考えたいんだ」
「……そんな事言って、魔物が現れたらどうするんだ!? ユウ一人で大丈夫なのか?」
「心配してくれるんだな? 大丈夫だ。スラキー達も気を付けて」
テントや食料をアイテム袋に戻し、来た道を戻る。スラキー達が何か言って騒いでいたが、俺はもう振り向かなかった————。
受信されたメッセージはリスナーさんでした(◍•ᴗ•◍)
華さんが分からない人は、第3話見てくださいね(`・ω・´)ゞ
遂に、スラキー達と別れた優。これから、優はどうなるのでしょう(・ัω・ั)?
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だいぶ間が開いてしまっているのにも関わらず、読んで下さって本当にありがとうございます。時間はかかると思いますが、完結まで頑張ります(๑•̀ㅂ•́)و✧
これからもよろしくお願い致します☆




