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第10話,配信再開! 大バズり!? 俺、帰れるの? 

「チュートの剣が古の剣(いにしえのつるぎ)だなんて、俺には荷が重いや」


 その場に立ち、剣を振ってみる。不思議としっくりくる。


「実はな、チュートの装備っていうのは合成すると、その持ち主に必要な武器になるんだ。つまり、君が合成した結果が古の剣いうことは、王になる資格があってのことだ。君の為の剣なんだよ」


 俺の為の剣……


「そうなんだ、分かった。スラキー、色々おしえてくれてありがとう。まだまだ不安だけど俺、頑張るよ!」


「ああ、頑張れよ! ユウ、お前なら王になれる! それと悪かった。最初はお前の事信じて無くて、言葉を濁したり、呪いの解除方法が分からないだろうからって馬鹿にしたり……本当にごめんな」


 スラキーは、申し訳無さそうに俺を見ている。


 そういえばそんな事もあったな。ニヤニヤしたりだとか。けど、今はこうして信じてくれてる。スラキーが居てくれると心強いし。


「いいよ、気にしないで。確かに最初は俺も頼りなかったし。けど、こうやって色々と教えてくれて、助けてくれた。俺にはもう、かけがえのない存在だよ。これからも、側にいて欲しい」


「許して、くれるのか? ありがとう。ああ、これからもよろしくな!」


 今度はスラキーと固く握手をし、抱き合った。スラキーも嬉しそうだった。


 そこでふと時計を見ると、午前十時前。


 そろそろ配信できる時間になった。この状況も伝えなきゃな。


「なぁスラキー、そろそろまた配信始めようかと思うんだけど」


「そうか。じゃあ俺は元の姿に戻るな」


 ん? 何でだ? このままでも良い気がするけど……


「え? スライムに戻るのか?」


「ああ。この姿は無闇にみせられるものじゃないからな。それに、昨日までいなかった奴が急に現れたら皆びっくりするだろ? ただでさえ、ここにはユウの他に()()()()()のだから」


「そうか。そうだよな、分かった」


 秘密の姿だったんだもんな。確かに誰だよ? ってなるし。


「まぁブレスレットもあるし、俺とは話せるから安心しろよ」


 そう言うと、スラキーは元に戻った。


 俺はスラキーが戻ったのを確認して、スマートフォンの電源を入れた。すると、凄まじい量の通知が来ていた。通知が鳴り止まない。アプリの通知やメッセージ、電話と次々に入ってくる。


 どうなってるんだ?


 不思議に思いながら見てみると、母からの着信も30件を超えていた。


 帰ってないのもバレたみたいだな……いつも気にして無いと思ったのにな。



 とりあえず通知が鳴り止むのを待ち、配信アプリを開いた。


 は? 同接325328……って、え!?


「ど、同接さ、32万ーーーーっ!?」


 思わず叫んでしまった。何が起こってるんだ?


『お。優、大丈夫か?』


 咲魔さんから、コメントが入る。


 あ。そういや咲魔って、大翔だっけ。


「さ、咲魔さん? 否、大翔、何か知ってるのか?」


『何かって……お前と全く連絡がつかないから皆、心配してたんだよ! 優のお母さんからだって、連絡来たしさ』


 確かにそうだよな。スマホの電源切ってたもんな。母さん、大翔に連絡したんだ。


「ごめん、でもダンジョンの出口が分からなくなったり、道が無くなってたりして、これでスマホの充電(バッテリー)まで切れたらって考えると怖くってさ。配信の時間まで切ってたんだ」


『優、何言ってるんだ? 分からなくなったのなら、とりあえずログアウトしたら良くないか? ダンジョン内は何処に居ても外に出れるはずだよ?』


 大翔のやつ、何言ってるんだ? それぞれの階層の入口からしか出れないよ? ログアウトなんてそんな機能……プレーしながらは出せないはず。部屋に居る時じゃないとログイン、アウト出来ないはずなんだけどな。


 疑問には思ったが、言うのはやめ確認してみることにした。ステータスやその他の機能を使う、ヘルプなど見てみるが、何処にもログアウトなんてない。


「大翔、何言ってるんだ? 途中でログアウト出来るはずないよな? 何処か階層の入口に行かないと出れない仕組みになってるじゃないか」


『優、ログアウト出来ないわけがないんだよ。それじゃあ、モンスターに殺られそうになった時はどうする? ログアウトしなきゃ、死んでしまうかもしれないんだぞ?』


「え、戦いの途中でもログアウト出来るのか?」


『むしろ出来なきゃ、どうするんだよ? 怪我は回復できるけど、再生は出来ない。ゲーム中に亡くなってしまったら、帰れないんだよ? 否、でもチュートリアルの場合は強制ログアウトだから、大丈夫なのかな』 


「そんな事、考えた事もなかった」


 死んでしまうと帰れない。そうなのか? そうなら、ダンジョン入る時に説明……してたのかな? でもそうだよな、バーチャルじゃないもんな。何で大丈夫だって思ってたんだろう。大翔は、チュートリアルだし大丈夫だと言ってたけど、これが普通のチュートリアルじゃないとしたら……?


 そう考えると、急に怖くなってきて、スラキーを見る。すると、スラキーは何やら気まずそうにしていた。


 これは、何か知ってるな。また、配信切れたら聞いてみるか。


『優は現実(こっち)に戻ってないから、分からないと思うけど、これは異常事態でニュースにもなってる。だから、配信が気になって見に来た人がいるから、同接増えてるんだ』


 俺の事がニュースに!?


「何てニュースになってるんだ?」


『チュートリアル配信者、ダンジョンで行方不明!? これから彼はどうなるのだろうか? で、今朝特番になってたよ』


 「マジか……」


 そんな大事になっていたなんて。

 

 そんな風に、大翔とコメントを通じて会話していた時だった。


『優さん、ですね? ダンジョン運営の者ですが、優さんは本当にチュートリアルダンジョンにおられますか?』


 え? どういうこと? って、運営?


「そうだと思いますけれど。あ、運営さんってことは、俺、帰れるんですか?」


『そう、ですか。確かに優さんはダンジョンにご登録されている様です。しかし、プレイ履歴が無いんですよ。それに今、チュートリアルダンジョン内にあるカメラでも確認していますが、優さんの姿は確認できません。それどころか、プレイヤーの方々の現在地が分かるものがあるのですが、そのプレイヤーポインタにも表示されないのです』


 プレイ履歴が無い!? 表示されないって? というか、そんな機能あったんだな。


「えと、どういうことですか?」


『つまりですね、優さんはこのダンジョン内、我々の管轄には居ないということになります。ですので、強制ログアウトが出来ません』


「では、何かあっても助からないという事ですか? 今、帰ることも?」


『申し訳ございませんが、我々にはどうしようもありませんし、優さんがどこにいらっしゃるかも分かりません……』


 ――――――思っていたより、事は深刻みたいだ。リスナーさんからも次々にコメントが入るが、もう、頭に入らなかった。俺、これからどうなるんだろう――――――

 




ご覧いただきありがとうございます!


――――――


果たして、優は帰れるのでしょうか? スラキーは、まだまだ何やら隠している様です。


――ユウの他に誰もいないのだから――

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