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小休止
体は上手く均整がとれない、全くもって偽物で被りものだ。
私が私である証拠は指にも脳にも顔にも宿らず、あいまいなまま問題なく日常は過ぎる。
お父さんのお酒を飲んだ。山下くんに全てを伝える。それは思ったより勇気がいった。彼に本当のことをいうというのは今まで大切に守っていた偽物の自分や嘘を山下くんにそのままプレゼントするということだ。最低なサプライズ。傷つき私を憎む山下くんを想像しないために、オキシフルとジュースを混ぜ合わたような、ヒドい味の飲み物を喉に入れる。吐き気と、頭痛。
あのグループのことは考えないようにしていた。私はグループから抜け出して、別のワンクラス下のグループに入るつもりでいた。教室の笑い声の、水面下で私は上手く政治をやっていたのだ。ワンクラス下のグループの子達数人と私はメル友になっていた。
携帯を開くと受信メールが3通、ワンクラス下のだった。無視して山下くんにメールを送る。マリアじゃなくて有馬になって送る。




