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09 事情通


 僕とシスカとハルシャちゃん、


 散歩ちっくに帰宅中。


 王都のみんなとご挨拶、今日も皆さん元気いっぱいですね。



「お久しぶりです、若旦那御一行さまっ」


 うわっ、メイジさん、本当にお久しぶりですね。


 広場のいつもの場所に、いつもの屋台。


 なんだかすごく、うれしいな。



「ようやくアルセリアうどんの方も軌道に乗ったんで、こっちに本腰入れられますよ」


 おめでとうございます。


 やっぱりここには、メイジさんの屋台が無いと寂しいですよね。



「嬉しいこと言ってくれますね」

「今日はどうです」


 せっかくだけどまた今度かな。


 今日はなんだか朝からいろいろあって、夕食はゆっくりおうちで家族みんなでって感じなんです。



「いえいえ、家族いっしょが一番ですって」

「なあ、セルマ」


 うひゃあ、いきなりらぶらぶですかっ。



 ぽかり


 セルマさんがおたまでメイジさんの頭を。



 あれは、常連さんがプレゼントしてくれたお仕置き専用おたま。


 久しぶりに見るいつもの光景に、すごくほっこり気分。


 おっと、そういえばセルマさんに聞きたいことが。



 メイジさんとセルマさんは、うわさ話し大好きな似たもの夫婦。


 そしておふたりとも、エルサニア王都城下街で、とっても顔が広いのです。


 特にセルマさんは、王都ご婦人ネットワークを駆使する事情通。


 もしかして優秀なメイドさんについて、なにかご存知かも。



 ビンゴ!



 セルマさんのお知り合いに、とっても優秀なメイドさんがいらっしゃるそうです。


 っていうか、その方の旦那さんがメイジさんの飲み友達だそうで。


 なんでも、メイジさんが屋台商売のお師匠さんの屋台で飲んでた時に知り合って、お互い意気投合しちゃったとか。



 元々は旅商人だった、そのご夫婦、


 お子さんができたので、腰を落ち着けるためにこの街で暮らすようになったそうです。


 蓄えがあったので暮らしには困っていなかったそうですが、


 お子さんが大きくなると旦那さんの旅商人の血が騒いじゃって、


 旦那さんおひとりで、ぶらり幌馬車旅商人を再開。


 奥さんの方も、なにかお仕事が出来ればとセルマさんに相談中とか。



「どうでしょう、僕としては住み込みで働いてくれる方が希望なのですが」


 お子さんがいらっしゃるのであれば、住み込みは難しいですよね。



「まずは一度、お会いになられてみては」

「とても素敵な方なのですよ」


 分かりました、セルマさんご推薦の方でしたら、お仕事もお人柄も間違い無しですものね。



「もう、カミスさんたら」


「ちょっと若旦那、うちのセルマに『若旦那』しないでくださいよっ」


 ちょっとメイジさん、『若旦那』するってなんですか。



「早速モノカにお仕置き事案発生の連絡をせねば、な」


 シスカまで、勘弁してくださいよぅ。



 そんな感じで、カミス邸メイドさん問題、なんとかなるかも。



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