04 緊急
屋上は、とってもいい天気で気持ち良いのです。
『システマ』着陸用に空けてある場所から少し離れて、洗濯物がひらりひらりと揺れています。
気持ち良い風に、気持ち良さそうにひらひらなびいておりますよ。
花柄のなにかとか、きれいな色のなにかとか、真っ白ななにかとか。
真っ白な……
って、いかーん!
油断したよ僕、女子率高すぎの我が家の洗濯物には、間違いなく殿方が見てはいけないアレが混じっているんですっ。
普段の僕はちゃんと気をつけているんですよっ。
今日はとっても良い天気とか、早くモノカに会いたいなとか、
なんと言いますか、今日は緊張感を削ぐトラップ満載とでも言いましょうか、
つまりは、早く来てくださいっ『システマ』!
ぷしゅぅん
いやっほう、救世主降臨!
ご無沙汰です、ミスキさん、待ってましたよっ。
「カミスさんっ、お早くっ」
ナニゴトですか!?
引っ張り込まれるように『システマ』へ、
「どうしたんですか、ミスキさんっ」
ミスキさん、すごい真剣顔。
「ごめんなさいカミスさん、詳しい説明は後ほどっ」
「『システマ』ちゃん、アルセリア王都へ緊急発進!」
「「「ハイッ」」」
うわ、普段は安全運転なミスキさんが、僕がシートベルトを閉める前に発進しちゃったよ。
本当に何ごとなんだろ。
「アルセリア王都上空到着、合流予定地確認、着陸地点安全確認、3ステップ着陸、行きますっ」
「「「ハイッ」」」
パッ
パッ
ぷしゅぅん
『ご無沙汰です、ミスキさん、お変わりなく』
『モノカさんっ、お早くっ』
モノカも、引っ張り込まれるように『システマ』へ、
「『システマ』ちゃん、エルサニアのおうちへ緊急発進!」
「「「ハイッ」」」
驚いているモノカと顔を見合わせているうちに、
ぷしゅぅん
エルサニア王都のミスキさんの家に、到着。