13 達人
そろそろお昼時ということで、昼食の準備を。
シェルカとクリスが不在なためチームカミスは戦力激減、なんてことは言わせませんよ。
ハナシロ カミス、やる時はやる男なのです。
たぶんデータを調べれば、やられた時の方が多いのでしょうが……
えーとですね、本当はマルミさんが頑張ってくれまして。
「私の覚悟も、ぜひ見てくださいね」
よーく拝見させていただきましたとも。
なんですかね、この異世界って、実は達人メイドさんがごろごろしているのでしょうか。
初めて調理する我が家の台所でまさに縦横無尽、舞うような立ち居振る舞いでの完璧調理。
いっしょにお料理していたハルシャちゃんから、こっそり耳打ちされた感想です。
「体が自然とうごいちゃうみたいに、お手伝いできたの」
以前シナギさんから聞いた、武術の達人のことを思い出しちゃいました。
『達人と立ち合うと、相手の太刀筋に合わせて自然と身体が吸い込まれそうになるのです』
武術・料理問わずどんな道でも、達人の到達した頂きは全て等しく、それゆえ尊いものなのかもしれません。
『素敵な女性と出会うと、身体が吸い込まれそうになっちゃうんだよね』
アランさんのソレは違うと思いますよ、うん。
素敵な昼食を、みんな笑顔で堪能です。
「ずっと旅暮らしでしたので、いろいろな場所のお料理を学ぶ機会があったのですよ」
マルミさん、みんなの笑顔が本当にうれしそうですね。
かなりの品数、色とりどりにして種類も様々、
って、こんなにいろんな食材、うちの魔導冷蔵庫に入ってましたっけ。
ハルシャちゃんに聞こうかと思いましたが、
あまりにも食べるのに夢中なので、邪魔しちゃいけないぞっと。
マリモちゃんは、ちょっと食が細いのかな。
お隣のハルシャちゃんがパクパクいっちゃってるんで、余計に目立っちゃうのかも。
まあ、マイペースで楽しみましょう。
わんぱくでもおしとやかでも、この美味しさは変わり無し!
そして今は、みんなで食後のお茶を楽しんでおります。
みんなで楽しむ、それこそがまさに、達人の証し。
美味しいお料理を提供、それは料理上手なメイドさん。
食後の食卓をてきぱきお片付け、それは片付け上手なメイドさん。
美味しいお茶の時間をお届け、それは癒し上手なメイドさん。
それら全てをさらりとこなし、周りに気遣いさせずに、みんなで楽しむ。
それが達人メイドさん。
まだ半日もいっしょに過ごしていないのですよ。
本当に、恐れ入りました。




