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12 カスガイ


 それぞれ自己紹介も済ませまして、いよいよ今日の本題へ。



 まずは仕事内容について。


 基本的には家事全般を住み込みでというこちらのお願いは、


 すぐに了承していただけました。



 ご家族居住予定の一階の改装の際には、しっかりと意見と要望をお願いしますという僕の言葉に、


 うれしそうに見つめ合うおふたり。


 ハルシャちゃんが自重してくれて、いつもみたいにらぶらぶとか言い出さなくて良かったです。



 いまお住まいのお宅はそのまま保有ですか、と尋ねると、


 いいえ、旅暮らしが長くて荷物は必要最小限なので、いつでもお引っ越し出来るのですと、マルミさん涼やかな笑顔。


 なんて言いますか、できる人、ですね。




 それでは、本題に入りましょうか。


 ここから先はとても重要な内容となりますので、しっかりと検討材料にしてくださいと念を押してから、注意事項を説明しました。



 ここでの生活は、かなり厳しい守秘義務を伴います。


 知ればこれからの人生に強く影響を与えるほどの、です。


 場合によっては危険も覚悟しなければなりません。


 僕たちみんな、もちろんハルシャちゃんも、常に覚悟を持って暮らしています。


 危険があることを承知している覚悟と、お互いを守り抜くという覚悟、です。




 おふたりとも、真剣なまなざしで、聞き入ってくれました。


「こちらからも、聞いていただきたいことがあります」


 アシュトさんが、静かに語り出しました。



 取り扱っている商品が特殊過ぎて、危険な連中から付け狙われたこと。


 その時の連中には対処出来たけれど、今後もそのようなことが起こる可能性があること。


 もし危ない旅商人なんかとは関わり合いになりたくないのでしたら、


 残念ながら今回の件はここまでです、という、覚悟の告白。




「いろいろ危ない家族同士、分かれて暮らすよりも一緒のほうが守りやすいかも」


 僕の言葉に、アシュトさんが吹き出しちゃいました。


 やっぱりリーダーとしては、のんき過ぎるのかな、僕。



「これからよろしくお願いします」


 おふたりが、深々と頭を下げて、礼。


 カミス家一同も、深々と、礼。




「ハルシャちゃんの笑顔が、決め手でした」


 マルミさん、優しいほほえみ。


 僕も、マリモちゃんの笑顔が決め手でしたよ。



「子はカスガイ、ですね」


 マルミさんの優しい言葉に、


 みんなが、うなずきました。



「それともうひとつ、大事なことが」


 僕からの補足。


 ハルシャちゃんは日中、友人のお屋敷でお勉強することが多いこと。


 もし良かったらマリモちゃんもいっしょに。



「マリモはどうしたいのかな」


 アシュトさんの問いに、



「……」


 こくこく、うなずくマリモちゃん。


 なぜかいっしょにハルシャちゃんも、こくこくしてますね。


 マクラちゃんとニケルちゃんも、いっしょにこくこくしている姿が、早く見たいですね。



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