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11 ご家族


「ごめんください」


 はい、ご家族三人、いらっしゃいましたよ。




「初めまして、アシュトです」


 ご主人は、不思議な方ですね。


 お歳はロイさんの少し下くらい、いや、もっと上かな?


 シブいイケメンと言いますか、若々しいナイスミドルと言いますか、


 良い意味で年齢不詳ですね。



 すごく落ち着いてるような、とっても人懐っこいような、


 こんな人から訪問販売されたら、めっちゃたくさん買ってしまいそうな雰囲気なのです。


 僕みたいな若造としては、第一印象が良すぎて逆に心配になっちゃいます。


 って、失礼すぎますよ、僕。




「マルミです。 よろしくお願いします」


 奥さまは、不思議な方ですね。


 お歳は、って、だからすぐに女性の年齢を想像するクセ、直さないとダメだよ、僕。


 ひとつだけ言えることは、すごく綺麗な人だってこと。



 なんと言いますか、メイドさんで例えると、


 セシエリアさんの凛とした感じと、


 ササエさんの柔らかな感じと、


 ルルナさんの明るさを、


 全部感じさせてくれる、みたいな。



 それに何より驚いたのが、


 まとう雰囲気が、アヤさんそっくりだってこと。


 もしかしたらマルミさん、評判以上のスゴ腕メイドさんなのかも。




「……マリモ、です」


 娘さんは、恥ずかしがりやさんみたいです。


 マルミさんの後ろで、もじもじしちゃってますね。


 ハルシャちゃんと同い歳くらい、かな。



 うん、早くリラックスしてもらうには、


 やっぱりアレだよね。



「こんにちは、マリモちゃん」

「僕はカミスです」

「そこでにこにこしているのが、うちのハルシャちゃんです」


 困った時のハルシャちゃん頼み、ですよ。



「こんにちは、マリモちゃん」

「よかったら、ハルシャと遊んでくれると、うれしいですっ」


 むふふ、必殺のハルシャちゃんスマイルに、マリモちゃんもにっこりですね。


 ふたりは手をつないで、おしゃべりし始めましたよ。



 ハルシャちゃんが大人たちのそばを離れないよう気を遣ってくれているのって、本当にスゴいですよね。


 優しくてお利口さんなハルシャちゃんは、ご家族全員がリラックス出来るように、


 目の届くところで遊んでくれているのです。



 さすがは僕の娘、ハルシャちゃん!



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