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第拾玖話「修羅」(中編3)

「............」


俺は返事をしなかった。

とりあえず今は勝つことに集中しないと。

俺は機関銃フォルテのリロードを行い、太田の機体めがけて撃ち放つ。


「くっ、だんまりかよっ!」


すかさず撃ち返しながらブーストで弾丸の嵐をかわす。

このままでは戦闘が長引き、推進剤の減少で機能停止に陥ると考えた太田はあえて三木の機体に接近した。

そしてフォルテを投げ捨て、背中のロックを外しソニックブレードを装備する。


「望むところだッ」


俺も同じくフォルテを投げ捨てソニックブレードを両手に持つ。

せめぎあい、弾け、激しい攻防が繰り広げられる。

だが一瞬の隙が命取り。

俺は弾き返した反動によって生まれた隙を狙われ、押し込まれそうになる。

なんとかして防御したものの当たり部分が悪く、相手の方が上になる。

ブーストで耐えきっているものの、既に20分が経過しているため推進剤は限界を迎えそうだった。

俺は最大出力で押し返そうとする。

しかし相手も最大出力を出して対抗する。


こうなったらブーストが先に切れた者の敗北となる。

もしかして相手の方が燃料が多いかもしれない。

そのことを加味して立ち回らなければならないのだ。


そんなことを考えている最中だった。


『推進剤残量5%』


画面の片隅に赤い文字が映る。

まずい、そう思った時だ。


文字に気をとられてブーストが弱まりついに押し返される。

ブーストでも耐えきることができず俺の機体は墜落していった。


「その首.....貰ったぁッッ!!!」


ソニックブレードを構えて猛スピードで迫りくる。

そして太田は俺めがけてソニックブレードを突き出した。


この時、僅かでありながらも時間が止まる。

あの時と同じだ。


疑問に思う暇などない。

俺は両手で強く刃を受け止めた。


__そして周りの時は動き始める。


喉元に達しそうな刃の先はあと数センチのところで止まる。


「なにッ!? 受け止めただと!?」


そのまま刃を掴み地面へと投げ飛ばした。

機体は勢いよく叩きのつけられる。

同時に自身の機体も体勢を崩しながらも着地した。


『推進剤残量0%』


どうやらもうブーストはできないようだ。

だがこの状況勝っただろう__


「......機体損傷50%、推進剤残量0%、まだ戦えるなッ」


機体は立ち上がる。

相手も推進剤は切れたようだ。

ソニックブレードは地面に突き刺さり抜けそうにはない。

太田はファインティングポーズを決めてこちらに歩み寄る。


「残念だが、こう見えてボクシングの経験があってな。同期の中では一番強かった......さぁ男ならかかってこい」


「いかせてもらおうッ!」


俺は拳を構えて地面を蹴り走り出した。




魂と魂が衝突する。

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