第捨捌話「模擬戦開始」(中編1)
「おぅ、東雲隊長相変わらず元気でやってるか?」
「隊......長......?」
「おや、言ってなかったな。私は元々こいつらを率いていた。まあ、今は教育係として教官としてやっているのだがな」
そういやあの世界線でもそうだったな。
やはり何か関係か何かがあるのか。
「お、よろしくな。坊主。俺の名前は太田だ」
そういうと彼は手をさしのべてきた。
俺は握手をする。
「三木です。よろしくお願いします」
「とりあえずうちメンツから紹介していくぜ。お前ら先頭から順番に挨拶してけ」
「きゃはっ! 可愛い担当の愛菜ちゃんでーす」
ピンクのツインテール、髪止めにはなにやら派手な装飾が施されていた。
「狙撃担当、純です。お見知りおきを」
190くらいある長身で眼鏡をかけていて、少し目の下にくまがついており不健康そうな顔つきだ。
こういった落ち着いたやつに限って本気を出すとやばいだろう。
「えーっと、偵察担当です! 僕の名前は優。よろしく」
俗に言う可愛い系男子だろうか。
あまり身長は大きくないが茶髪で少し服装を変えたら女子そのものだ。
「えっ、その、うちは千歳と申します。その、純君と一緒で、狙撃担当です」
独特ななまりで喋る、ショートカットで落ち着いた雰囲気の子だ。
「おっす、近接担当の空っていいまーす。よろしくな!」
うちの隊でいう駆ポジション的な明るい人物だ。
近接ということは駆と戦うことになるのだろうか。
「漆黒と純白交わりしとき全てが混沌と__」
「あーはいはい。中距離担当の茜とこっちのうざいやつは零士ね。よろしゅうな」
姉と弟的なかんじだ。
茜と言った人物はその名前のとおり髪を茜色に染めている。
零士はというと......まあ残念イケメンといったところか。
軽い挨拶を互いがかわし、東雲教官の指示に従ってみんなはシミュレーションボックスへと入っていった。
シミュレーションボックスに入る前に東雲教官に話しかける。
「__前に相手が誰だか分からないと言ってましたけど、実は知ってたんじゃないんですか?」
「あぁ、確かにそうだ。だが戦う前に私の隊と喋ると何かプレッシャーをかけてしまう。だから何も言わなかったのだ」
なるほどそういうことかと思い、俺もシミュレーションボックスに入っていった。
「__ルールは時間無制限の8人VS8人のフリーバトル。先に相手の隊を全滅させた方の勝利となる。それでは各自準備をしろ!」
俺はヘッドギア、グリップ、固定装置を順番に装着していく。
あれだけ作戦を練ったんだ、上手くいかないはずがない。
俺は決心して画面を起動させた。
機体、武装それぞれの設定を済ませ、仲間の武装を確認する。
俺はソニックブレードと機関銃フォルテ。
駆はソニックブレードと自動小銃K48。
透はスナイパーライフルM42と短機関銃MP67
琴はフルオートの2丁拳銃。
早苗はショットガンGS12と短機関銃MP67。
美月は短機関銃MP67と自動小銃K48
今宵はスナイパーライフルM42とソニックブレード。
小夜はスナイパーライフルM42とスナイパーライフルM42。
......ってスナイパーライフル2丁!?!?
こいつふざけてんのか!?
みんなしっかりとした武装なのに一人だけ頭おかしすぎるだろ。
俺は二度見ならず三度見した。
まあ小夜ならなんとかやってくれるだろう。
......ガチでなんとかやってくれるんだろうな、きっと。
「__みんな、準備はいいか! これから作戦を開始する!」
「「「「「了解!」」」」」
「「......」」
おそらくこの喋ってない人は早苗と小夜だろうな。
まあ、気を取り直してと。
「それではこれから模擬戦を開始する。カウント始め!」
東雲教官の合図と共にカウントダウンが始まる。
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_4
_3
_2
_1
_0
戦いの火蓋が切り落とされた。