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第捨伍話「まだやるべきことがある」(中編1)

「__来いッッ!!!」


しかし二つの機体は勢いをなくし機能を停止してしまう。


「ありゃ?」


画面に現れた文字を見てみると、どうやら今の授業が終わるらしい。

しばらくすると画面は暗転した。

俺は機器を外しシミュレーションボックスから出る。


「すまないな、私がこんな時間に誘わなければ最後までできたな......」


今宵が俺に向かって礼をして謝る。


「いや、こっちこそ。早く決着をつけるべきだったな。まぁ、また今度しようぜ」


「うむ、そうだな」


そう約束した。

次の授業で一戦交えよう、そう思っていたが__



「__これから授業を始める。が今回はシミュレーションなどの実習ではない。明日の作戦について話し合ってもらおう」


とほほ。

まあ対人戦の練習のあとは、それを踏まえて明日に向けた作戦を練らないといけないのは当たり前か。


早速俺は机を真ん中にしてみんなを集める。

さて話し合おう!といきたいところだが、まず先にこの隊のリーダーを決めないとな。


しかし誰一人として挙手をする者はいなかった。

そしてなぜかみんなは俺と小夜を交互に見ている。


「あーいや、別に戦闘が強い人がリーダーになるってもんじゃないぞ?」


と言ってみたものの結局自ら名乗り出る者はいない。

それどころか早苗からは「三木だけは絶対イヤ」と言い張られる。

さてどうしたものか......

俺は仲間を一人ずつ見ていく。


駆。

確かにガンガンいこうぜタイプでリーダーとして向いているかもしれないが、その熱が強すぎるあまり判断力を失うのがたまに傷か。


美月。

リーダーとして向いてるかと言えば向いている方かもしれない。

ただ突然の事態に対して対処できるかどうか、そこだけだ。


琴。

おっちょこちょいで周りに流されやすい。

うん、論外だな。


「んんー? 三木さん今バカにした目で見なかったですかー?」


「してないしてない」


小夜。

天才頭脳と超反応を兼ね備えた化け物。

彼女こそがトップに立つべきなのだが、戦術や作戦が彼女にしかできないものだとすればそれこそダメだろう。


あと残ったリーダーに適任な人物と言えば透と早苗と今宵さんだ。

少なくとも早苗は絶対に俺を省こうとするから個人的な意味でやってほしくない。

透は冷静沈着で分析が得意、今宵さんは統率力に優れている。

んー、悩むな......


「__そうだ! 私投票箱作るからそれで投票して決めない?」


美月が何か言い出すと思えばその手があったか。


「投票ですか。いいですね。僕は賛成です」


「美月が言うならそれでいいわよ」


「ふむ、良き提案だな」


みんなの意見は揃った。

美月は近くにあったコピー用紙で簡易な箱と投票用紙を作る。

そしてみんなは投票用紙にそれぞれリーダーに向いている人の名前を書き折り畳み、投票箱に入れた。


「__これでよし、じゃあ結果発表といくね!」


そう言って折り畳まれた用紙を順番に開けていく。

今宵が1票、小夜に1票そして__


「ん? 俺が6票......だと......?」


「おめでと! 三木さん!」

「良かったなぁ、ワイがいれちもうたわ!!」

「ふふ、私も三木君に入れちゃったよぉ~」

「うむ、頑張るのだぞ、三木」

「いやー、僕、ヒロ君に入れようか小夜さんに入れようか迷ってました」


おいおい、ここで誰が誰に投票したか分かっちまうだろう。

てか隅で早苗がこっちを睨んでるし......


「じゃあ今日からよろしく頼む! みんな!」


こうして俺はこの隊のリーダーに任命されたのであった。






__ところで。

俺は今宵さんに票を入れた。

そしておそらくだが早苗は小夜に入れたのだろう。

じゃあ俺に入れた残り1票は小夜になる。

......ってことはつまり俺を認めたのか!?

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