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第捨伍話「まだやるべきことがある」(前編)

あれから授業では模擬戦の練習を中心に続けられた。

だがどうしても他の人は上達できそうにはない。

それもそのはず、今まで戦ってきたのは人間ではなかったのだ。

無理もないだろうと思いながら仲間の戦いを見てスポーツドリンクを飲む。


俺と小夜は元からレヴナントに対して強かったため、ある程度は人間相手に十分戦える。

対人戦が強い他の人はで言うと今宵さんぐらいだ。

もとより剣道を習っていたらしい。

なんでも精神統一のためにだとか。


__機体が大地を踏みブーストがかけられる。

そして一気にもう一体の機体まで距離を詰め、両手に持ったソニックブレードで上から地面にかけて振り下ろす。


「わぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


同時に響く琴の悲鳴。

勝負あったか。


今宵と琴がほぼ同時のタイミングでシミュレーションボックスから出てきた。


「うむ、中々いい戦いだったぞ」


「うぇーん、強いよぉ~」


二人は握手をかわす。

そうしたあと琴がこちらを発見するなり、半べそをかきながらトテトテと歩み寄ってきた。


「三木さ~ん、みんな強いですよ~。どうすれば勝てるんですか~」


「うーん、こればっかりは難しいな。琴も距離をとって銃ばっか撃たないで、接近してきた敵は避けるなりスティングナイフで応戦するなりしたらいいんじゃないか?」


「うぇーん、そこまで琴は反応良くないですよ~」


トホホ。

困ったものだ。

まあ、練習あるのみだと言いひょいっとシミュレーションボックスに返してやった。


「三木、今空いてるか?」


今宵から話しかけられる。

俺は手でOKのサインを送ってペットボトルをゴミ箱に捨てた。


「__だが一つ条件があってだな」


「ん? なんだ?」




__そうして数分後。

機体は大地に降り立つ。


「なるほど、そういうことか」


「ああ、一度でいいから真剣勝負がしたかったのだ」


今宵の出した条件、それは武装がソニックブレードのみ。

時間は通常の10分間とは違い3分間。

こうすることで逃げも隠れもできなくなり、お互いが全力を尽くす対決となる。

場所は開けた市街地のスクランブル交差点となった。

周りは瓦礫だけとなっており身を潜めることができない。

まさしく真剣勝負になるのだった。


少し前に進むと今宵の機体が視認できる。

互いが見合った時ソニックブレードを両手に装備する。


「行くぞッッ!」


「御意ッッ!」


ほぼ同時のタイミングでお互いがブーストをかける。

そして互いのソニックブレードが交わる。せめぎあう。火花が飛び散り弾ける。

即座に両者は後ろへと下がる。


「流石剣道経験者だな......一筋縄じゃいかねぇか」


「そちらこそ、アーマードの操縦力は三木の方が上だ」


「.....なら行かせてもらうぜッ!」


「望むところだッ!」


俺はもう一度ブーストをかけ、突きの構えで攻めた。

今宵も同じく突きの構えで応戦する。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


キィィィィィィンと甲高い音が鳴り響く。

剣と剣が刃同士でぶつかり合った。


「なんのッ!」


今宵はそこから右袈裟斬りへと派生。

俺はすぐさまかわしたが更にそこから斬り上げをしてきた。


「ぐっ......!」


なんちゅー判断の早さだ。

もしかしたらあの小夜に匹敵するレベルかもしれない。


俺はその猛攻を受け止めることができず右胸部に軽傷を負う。

だがこれくらいは大したことはない。

すかさず俺は斬りつけようとした。


が、今宵はその攻撃をソニックブレードでいなす。


「!?」


なんだ? 今、攻撃し終わったばっかじゃないか。

だったらすぐ守りに入れないはず......


「残念だったな、今のいなしは古来から伝わる我が家の奥義でな」


「なるほど、それをアーマードに持ち込むだなんて飛んだ才能だな......!」


俺はいなされた直後すぐに距離をとる。


「ならこれで最後だ。次の一撃で仕留めてみせる」


「ふむ、いいだろう。私もそのつもりで行かせてもらおうッッ!」


先にブーストで仕掛けたのは今宵だった。

俺はソニックブレードを強く握りしめる。


「来いッッ!!!」

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