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第捨肆話「VS小夜」(中編3)

刻一刻と時間だけが過ぎていく。


そんな中、最初に仕掛けたのは__


小夜だった。


俺は俺自身が動くまで小夜は一切動かないと思っていたが、その裏を小夜はかいたのだ。

乾いた銃声と共に発射される7.62mmの弾は俺の頭を狙った。

一か八かだったがすぐさまブースターを起動させギリギリで右に避けた。


危ねぇ......少し右に重心をずらしてブースターを起動させやすい体勢にしてなかったら、一発で即死だった......


小夜が撃ち終わったタイミングを逃さず、俺はK48を連射しながら接近していった。

通常ならスナイパーライフルを撃った反動で動けないため、余裕で当たる__


はずだった。

小夜もブースターを起動させ、銃撃をヒラリとかわす。


「!?」

何故だ......?

あの反動だとろくに機体を動かすことができないはずなのに......


その時小夜から通信が入る。

「詰めが甘い、とでも言っておきましょうか。実はというと、体勢を少し変えることで反動を打ち消すことができます。知っておくと便利ですよ」


そういや、この前シミュレーションでずっとスナイパーライフルを使っていた時があったな。

その時はただの縛りプレイをしてるだけだと思っていたが、まさかあの時反動を軽減する撃ち方を編み出していたっていうのか......!?

天才といえど、その裏にはれっきとした努力があるんだな......

って、また感心してる場合か。


「ご教授どうも、だがあいにく俺は俺なりにいかせてもらうぜ!」


俺は怯みもせずにK48を撃ちながら近づいていく。

だがシュンシュンと全てかわされ、得意だと自負していた偏差射撃がことごとく打ち破られる。

戦場は地上から上空へと移り変わる。


「くっ......すばしっこいやつだな__っと!?」


何度かかわされた直後、小夜はこちらを振り向きスナイパーライフルで撃ってきた。

その時、時間が止まる。


まずい......このままじゃ、やられる......!


俺は瞬時にブーストをかけたことによって弾はビルへと着弾した。

もう少し反応が遅ければ脳天をぶち抜かれていたところだった。

小夜は一瞬の出来事に「ほぅ......」と感嘆を漏らす。


「へっどうだ! 今勝ったと思っただろ! その心笑ったな!」

俺は当たると思ってビクビクしながらも小夜を挑発する。


「いえ......そうではありませんが、今の反応はお見事でした」


よっしゃ、あの天才が俺を褒めたぞ!


「__ですが、次からはそう簡単にいきませんよ」


小夜はガチャンとコッキングを引き、もう一度スナイパーライフルを撃ち放った。


ふっ......今度もかわしてやる......!

そう意気込んでまたブーストをかけた。

だが__


バキンッッ


『肩部装甲損壊、全体ダメージ16%到達』


「!?」

てっきりかわしていたと思っていたが、弾丸は肩のアーマーを完全に貫通していた。


「どういうことだ.......? 小夜はこちらを向いていたのに......」


それもそのはず小夜はずっと俺のことを見ていた。

だが撃たれてかわした時には既に肩に命中していたのだ。


「私は貴方を見ていました。ただそれだけです」


見ていた......?

まさか俺がかわした後の位置を捕らえていたのか!?


普通、銃を撃つとき視線と対象を合わせる、が今回は違う。

視線と対象は合っていた、ここまでは一緒だが撃ったのは視線と全くの別方向。


つまり読まれていたということになる。


「......だったら最初から使えよな」


「そうですか、貴方を読むまでもないと思っていた私の思考不足でした。こちらこそご教授ありがとうございました」


「そいつはどうもッッ!!」


俺は再び銃を撃ち終わった隙を狙いブースターの出力を一気に上げ、距離を詰めた。


「これならかわすことも撃つこともできないな!」


俺は銃口を機体の頭部に向ける。

しかし撃とうとトリガーを引こうとした瞬間、何か黒長い鈍器なようなもので横から殴られる。

俺はそれに気がつき咄嗟の判断で両手の甲でガードしたが、その威力に耐えることができず吹っ飛ばされて墜落していった。

そして思いっきり建物の屋上に叩きつけられる。


「やりやがったな......ママにスナイパーライフルを鈍器にして使っちゃいけませんって言われなかったのか?」


「ママという人間はそんなこと言うのですか」


「今に見てろよ、こっからが反撃だぜ......!」


俺はブースターを起動させ飛び立った

K48では意味がないと分かり投げ捨て、肩のロックを外しソニックブレードを両手に装備する。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


こちらに向かって撃たれた弾丸をソニックブレードで弾き返す。

もう避けてる暇なんてない。

そのまま追い詰めソニックブレードで上から叩き斬る。

だが小夜はそれをスナイパーライフルで受け止める。

俺と小夜、ソニックブレードと鈍器と化したスナイパーライフルのせめぎあいとなった。


切れ味の高いソニックブレードがスナイパーライフルの砲身を徐々に斬り裂いていく。

最終的にスパッと斬り裂かれ、砲身は落下した。


これで......勝ったな......!


俺は機体の首めがけてソニックブレードを横に薙ぎ払った。

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