第拾話「切望」(前編)
あれからというもの、俺は教室に戻った。
そこでこれからについて話すことがあると東雲教官は言い、指導室まで来た。
「_三木はこれからどうしたい?」
唐突な質問に俺は答える。
「...俺はここにいたいです」
「...そうか、私も色々考えてみたが一つだけなら救済措置がある」
「!?でもさっきないって...」
「ああ、あれはただの脅しだ。ただ貴様を試したかっただけだ」
東雲教官は笑顔を見せた。
俺は安堵しため息をつく。
「だが、その救済措置は過酷なものと言ってもいい」
「そうですよね、それでも俺はやってみせます」
「いい心意気だ、早速貴様に条件を伝えよう」
ゴクリ。
俺はつばを飲み込んだ。
いいだろう、なんだってこい。
「3日後に追試を受けさせる。それも今日やったものとは違う物をな。そこで8割だったら合格だ」
「...分かりました」
3日か...それだけの猶予があれば十分だ。
潰せばいいのは英語だけ。
「それと、」
「?」
「...いややっぱなんでもない、聞かなかかったことにしてくれ」
「そ、そうですか」
「では早く戻るとするか」
「はい」
俺と東雲教官は教室に戻った。
教室にはみんなが待っていた。
「教官!三木さんはどうなっちゃうんですか...?」
教室に入るなり琴が飛び出してきた。
「落ち着け犬崎、もう手は打ってある」
「ほっ、よかったぁ〜」
その時だ。
ウィーンウィーンウィーンウィーン
あたりに緊急警報が鳴り響く。
「...まさかまた現れたというのか」
この警報は近くにレヴナントが出現したのを知らせるものだ。
「貴様らに伝達する。付近にレヴナントが現れた。各自避難するよう_」
「_避難する手はないですよ、Ms.東雲」
東雲教官が言いかけたとき、ドアが開かれ黒スーツを着た男性が話しかけてきた。
「...南条か、なんの用だ」
「あぁ、いえ、ちょっとしたことを伝えに」
「早く言ってくれ、私は今から出撃要請に備えなければならないのだ」
南条と呼ばれた男性は一息ついてこう口にした。
「今回の出撃は君らに行ってほしい」