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第玖話「第二の目覚め」(中編1)

それから何事もなく、俺がこの世界に来てからちょうど1週間になった。


「三木!今日はテストや!」

じっとノートを眺めていた俺に駆がいきなり話しかけてきた。


「お、おぅ...なんだか駆、元気いいな」


「へっへーん、俺、この日のために昨日は寝ずに勉強したんやで!」

それは一般常識で言うと徹夜と言う。

どおりで目の下にクマがあるだ。



「_さて貴様ら、これから筆記テストを行う、まずは各自配布された問題用紙、答案用紙に名前をつけることだ」

俺は言われた通り「三木 祥」と名前を書いた。


大丈夫だ。

この1週間、寝る前の時間や休み時間、空き時間があれば全てをノートを見る時間に割いた。

また、部屋のどこもかしこもメモだらけ。

まさか2度めの受験をするとは思わなかった。

いける。あぁ、いけるさ。

受験とはいえども実際はゲームと同じ内容だ。


時計の針が動く。

共に鼓動する心臓。


俺は目を閉じ()()()が来るまで瞑想した。

_そして


「始めッッ!!」


教官の合図とともに俺は目を開き、真っ先にシャーペンを掴む。

同時に開かれる問題用紙。

一瞬にして風が舞ったかの如く。


俺は即座に大問1に目を付ける。

専門用語、か...これは自信がある。


俺はその調子で次々と問題を解いていく。

大問は合計20問、答案時間は120分。

この速さならまだ余裕を持って解き切れるはずだ。


だがそんな甘い期待はすぐに打ち砕かれた。


...!?


俺は手を止めた。


そんな...こんなはずでは...


目の前に現れたのは英語による記述問題だった。

俺はてっきり筆記テストはアーマードのことだけだと思っていた。

そして元の世界の俺は大学受験の2次テストで国語と数学を選択していたため、英語なんてさっぱり分からない。


俺はペースが落ちながらも諦めずに書き続けた。

周りの素早く解いてる音に囲まれながら。



「_止めッッ!!」


俺はシャーペンから手を離す。

最後までやり遂げた、それだけでも十分だろう。

教官が答案用紙を回収し休み時間となる。


だとは思っていたがみんなは筆記テストの問題についての話題で持ちきりだった。

俺は絶望のあまり真っ直ぐ自室に向かった。


「英語なんて聞いてねえよ...」

俺は弱音を吐いて布団にダイブする。


パサッ

ダイブした勢いで昨日教授から渡された書類が宙を舞う。

そして自分の目の前に落ちた。


「あぁ...次はこっちを覚えないといけないのか...」

俺は書類を手に取る。

しばらくにらめっこしていたが、どうしても覚えられそうにはない。

難解な計算式、高校では文系だった俺には1つも理解できなかった。


「あーあ、俺と一緒にこの書類も転移できたらなぁ...」

そうすればこれを元の世界の長谷教授に渡して丸々クリアなのに。

...いや、まてよ。

もしかしてできる可能性があるんじゃないか?

そうとなれば長谷教授に聞いてみよう。

俺は受け付けに長谷教授がいるB5資料室に忘れ物があると言い、支部に入っていった。



_「あれ、いないのか?」

部屋をノックしても何も返事はなかった。

鍵がかかってなかったためそのまま俺はドアを開けた。


部屋は暗くいつもどおりに書類が散乱していた。

どうやら長谷教授は不在のようだ。


ふと足元を見ると気になる書類があった。









「オルゲンロートリッターシステム....?」

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