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第陸話「レベル10」(後編)

自由自在に空を飛び建物の屋上を行き来して、次々とレヴナントを2つのフォルテで撃破していく。

そしてブーストを起動、停止を繰り返しゆっくり降下しながら全く別々の方向にいる敵を仕留める。


「ブーストキャンセルに空間認知能力...」


_ブーストキャンセル

タイミングよくつま先に力を入れたり止めたりすることで、推進剤の消費を抑えながら空を飛ぶことができるプロにしかできない神業。

それを初心者がやろうとするとかならずと言っていいほど高確率で足がつる。


_空間認知能力

例えば授業が行われている教室にいるとする。

普通の人間だったらまず黒板に目がいく。

そしてそれを暗記してノートに書き写す。

その時、「見る」という動作と「書く」という動作に分けられる

それを小夜はいっぺんに成し遂げているのだ。

どこになにがあるのかそこに視線をやらなくても空間を把握しているため、今のように別々の方向の敵を捉えることができる。

これは努力では得られない、まさに才能だ。


そして小夜は総合評価はSでクリアする。

何事もなかったようにシミュレーションボックスから出て、トコトコとどこかへ行ってしまった。


...まぁ、見なかったことにしよう。

そう思いを他の人の様子を見に行こうと体を動かしたとき、

ドシン

どうやら誰かとぶつかったようだ。


「いてて...」

その声は琴だった。


「あ、悪い」

俺はあの時と同じように手を差し伸べる。

そして琴を立ち上がらせた。


「ありがとっと、そういえば三木さんはどうしてあんなに上手く立ち回れるの?やっぱり努力?」


「うーん、確かに努力するのが一番だけどレヴナントの視点になってみて考えるということも大事かな」


「レヴナントの...視点...?」

琴は首をかしげる。


「分かりやすく言うと、もし自分がレヴナントだったらアーマードに対してどう攻撃するか、どんな攻撃をされると厳しいのか、とかかな、そうすれば裏を読んで攻撃できるようになるはずだから」


「なるほど...!勉強になるなる!もっと教えて!!」


「じゃあまず、銃の使い方だ、琴は2丁拳銃を持っているんだろ?なら___」

こうして十数分に渡り俺特製の講座をしてあげた。

とは言ってもほとんどゲームの攻略記事に書かれてたやつなんだけどね。


「___ところでなんで琴はアーマードの装着員になりたいんだ?」

俺はずっと疑問に思っていた。

こんな小さな子...まあ18歳だけど...が戦場に出なければならないなんておかしい。


「_私のお兄ちゃん、レヴナントに殺されたんだ」


「...え?」


「私は5年前元々沖縄に住んでてね、そこでレヴナントの侵攻が来たの」


「......」


「私のお兄ちゃん、ヴィーバントの戦闘員で沖縄を守ろうとして銃1本で戦いに向かったの、でも私と祖父母と両親は東北に疎開しちゃってお兄ちゃんを一人ぼっちにさせた...」


「毎日携帯で生存報告のメールが送られて、それに励ましのメールを送り返してたんだけど疎開してから2週間で途絶えちゃった...」


「...お兄さん、最後まで戦い抜いたんだな」


「うん...でも最後の私のメール既読になってたから良かったよ」


「......」


「沖縄にアーマードが来たのはちょうどその日だったんだ、でももう遅かった、沖縄に残ってたのは残骸と原型をとめないほどの遺体、そして無数のレヴナントだけだった...」


「もしかして琴がアーマードの装着員に志願した理由って_」


「うん、アーマードを必要としている戦場へ1秒でも早く助けに行きたいんだ」

...そっか、俺なんてただ装着員になりたかっただけなんだ。


「...?三木さん、元気ない?ごめんね暗い話しちゃって」


「あ、あぁ、すまん...」


「じゃあ私、シミュレーションボックスでもう1回挑戦してくるから、ばいばいー」

俺は手を振った。


そのあと俺は全部のレベルの総合評価がSになれるか再度挑んだ。

小夜はと言うと、もうレベル9まで来ていた。


そうして3時限目は終わりを告げる。



第6話までお読みくださりありがとうございました。

これにて1週間毎日投稿は終わりとなります。

更新が完全に止まるわけでなく、これからストックして随時出していきたいと思います。


この作品は12話で一章完結となります。

今後が気になったらブックマークよろしくお願いします。

応援したいという方がいらっしゃったら是非評価の方をお願いします。

5まで評価してくださると作者の心臓が鼓動し喜びます...!




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