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第陸話「レベル10」(中編1)

_変異体

その名の通り通常の人型と異なる種体だ。

4本足で地面以外にも建物の壁や天井を動き回り奇襲を仕掛けてくる。

2m級の人型より一回り大きく基本的3m級である。

攻撃方法はというと_


「ぐッッッッ!!!」

いきなり飛びかかってくるのをブーストで避ける。

腕を掴まれ頑強な顎で噛み砕かれたらひとたまりもない。

射程距離まで離れようと試みたが、変異体がその発達した足で追いかけてくるため中々距離を離せそうにない。


「しょうがない、かッ!」

俺はさらにブーストをかけ地面から飛び立ち距離を取る。

推進剤の切れが早くなるがこうするしかない。

変異体はこちらめがけて飛び跳ねる準備をする。


そして飛び跳ねた瞬間、フォルテのトリガーを引く。

連射音とともに肉体が段々削がれていった。

そしてコアを撃ち抜き、着弾部分から黒い液体が勢いよく飛び散った。


「はぁ...はぁ...危なかった...」

少しでも遅れてたら餌食になってたところだ。


俺は安堵しK48を拾い上げ周りを見渡す。

どうやら今のところ敵の反応はないようだ。


しばらく歩き敵を捜す。

そして反応が一つレーダーに映る。

また1つ、また1つと反応は増えていった。

合計で4つだ。

だが何かがおかしいことに気が付いた。


「!?動きが変だ...」

レヴナントがまるで密着するかのように移動しているのだ。

俺は建物の屋上まで飛び上がり、その正体を目撃することになる。


それはなんともおぞましい姿だった。

首が4つあり、かの阿修羅像のように四方八方から腕が突き出ている。

そして足が4本生えており、5mもある巨体で市街をうろついている。


_融合体

なんらかの現象で何体が合わさってしまってできたレヴナント。

ゲームではまだ登場しておらずデータ上だけ存在している。

当然コアは融合した数だけ体内や体外に生成される。

今いるレヴナントからは1個だけコアがむき出しになっている。


俺はフォルテを構える。

だがそのトリガーが引かれることはなかった。

標準が定まらない。

いつの間にか俺は過呼吸になっているのに気づく。


...やるしかない。

一度深呼吸し右手にK48、左手にフォルテを装備する。


そして_


「うおおおおおおおッッッッッッッッッ!!!!!」

建物の壁を背にして降下しながら、2つの銃でレヴナントに撃ちまくる。

命中精度はお世辞にも高いとは言えず道路に着弾するものはあったが、圧倒的な連射から繰り出される弾はむき出しとなった1つのコアの破壊に成功する。


_しかし

カチャッ、カチャッ...

撃ち始めてすぐにK48が弾切れを起こす。

それと同じタイミングで、レヴナントが何本もある刃状の腕で襲いかかる。


降下している最中でブースターを起動させ、あと僅かで攻撃をかわす。

その時にかかる重力を歯を食いしばって耐えきった。

そのまま飛行し隙を見つけては7.62mm弾を撃ち込む。

弾は腕にめり込んで貫通し、腕が吹っ飛んだ。


この動作をフォルテの弾が切れるまで行う。

融合体はどこにコアがあるか決まっておらず外被が通常よりも硬い。

だから邪魔な腕を取り除く必要があったのだ。


「_残る腕はあと3本か...これならいけるな」

俺は建物の陰に隠れ、近くの工事現場から鉄パイプを2本引き抜く。

そしてブースターを起動させレヴナントめがけて特攻する。


「こうなるならブレードを持ってくればッ!」

両手に持った鉄パイプをレヴナントに突き刺さした。

そして動きを封じ込める。


そこを左袖のスティングナイフを展開させ胸部、腹部、腕部をまんべんなく突き刺す。

そのうち3つ目のコアが砕けた後、ナイフは刃こぼれした。

残り1つのコアは両手で無理やり体を引き裂いて発見し、ひたすら殴り続ける。


「腕部装甲損傷_稼働不可」


そんなメッセージが来てもコアが壊れるまで殴る。

腕の指はあらぬ方向へと曲がり内部の基板が見えている。

そんなことは気にしなかった。

アーマードの半身はドス黒い血で塗りたくられていた。


そして_


「うおおおッッ!!!」

バリンとひびが入りブシュッッと音を立て勢いよく血が吹き出す。

それとともにレヴナントは活動を停止し巨体は倒れこむ。


「レベル10完了、ミッションコンプリート」

終了のメッセージが現れリザルト画面が表示される。

クリアタイム S

機体損傷   A-

推進剤残量  A-

総合評価   A+ 

>new high score<


どうやら今までレベル10をクリアした者の中では一番高いスコアだそうだ。

俺は軽く息切れしながらもVR機器を外し、シミュレーションボックスから出る。


そこにはみんなが待っていた。


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