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第伍話「武装訓練」(前編)

「実戦経験あるって....今までどこで戦ってたの...?」


...まずい、本当はゲームの中なんだが....この世界で言う嘘は考えてなかった。

内緒って言おうか...それとも嘘を言おうか...

俺は頭を短時間でフルに回転させる。


そのときだ。

「...彼は...次世代の新型アーマードシミュレーションシステム...でここに来るまでずっと訓練を...」

小夜がポツリと話す。


「あー、そういえば軍基地の地下で行われてるって聞いたことあるよ」

琴が言うにはそんな物があるのか...とりあえずナイスフォローだ小夜!


「はぇー...そんなもんあるんか、なるほどヒロはそこで訓練してたっちゅーわけか」


「あ、あぁ、そうだ、ま、まぁそこで色々覚えたな...いや〜特待生になれて良かったよ」

とりあえず話を合わせる。

いつこの嘘がバレるか。そんな不安はまだ考えてすらなかった。




食堂にて___


駆たちがお盆を持ってカウンターに並ぶのを見て俺も後ろに並ぶ。

自分の番になってお盆に乗せられたのはプレートにのった大きなハンバーグと茶碗いっぱいに盛られたご飯、わかめと豆腐の味噌汁だった。


そして美月と早苗があらかじめ先に取っておいた席にみんなが座る。


いただきますと挨拶をしてから、まず始めに大きなハンバーグから手をつけた。

だがいつものハンバーグとは違う何かを感じた。


「...このハンバーグってなんの肉使ってるんだ?」


「む?知らないのか?これは合成肉だぞ」

今宵がそう答える。


「合成肉...?」


「簡単に言えば、大豆や魚、米などで作られた人工肉のことだね、科学技術の進歩で食感や味は本物に近づけているけれど...実際のところ僕たちは本物の肉を食べたことがないから分からないんだよね」

透が説明する。

なるほど、そういうことだったのか。


「もしかして三木さんは本物のお肉食べたことあるの?」

そう目を輝かせて琴が聞いてくる。

どうしよう...ここで「はい」って言ってもなぁ...余計詮索されそうだ。


「あ、そういうわけじゃなくて、なんだろう...いわゆるベジタリアンってやつだ...!」

この手があった。我ながらいい発想だ。


「へー、じゃあこれが初めてのお肉なんだ、どう?美味しい?」


「ん、ああ、美味しいよ、とっても」

実際のところ、食感が柔らかくモニュモニュしててジューシーさを感じ取れない。

味はいいんだけどな。


俺たちはしばらく談笑を続けた。

早苗はずっと美月と話していた。

多分というか決定事項かもしれないが、早苗は俺と距離を取っているのだろう。


なんか俺、悪いことしたっけ...?


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