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第弍拾捌話「もう一度」(中編)

「ん......ここは......?」


目を開けるとそこはいつもと違う景色だった。

そういや長谷教授の家に泊まったんだっけな。


カーテンの隙間から光が漏れる。

俺は起き上がろうとした。

その時、手に何か柔らかい感触があった。


「......え?」


どうやら誰かの手を握っていた。

もしやと思い、布団をガバッと開けるとそこには下着が丸見えな長谷教授がいた。

大人の身体、俺は緊張して引いてしまう。

そうしている最中、長谷教授が大きなあくびをして目を開けた。


「......あら、おはよう。三木君」


「あの......なんで手なんか握っているんですか?」


「あぁ、ただ私も転移できるかなーって。でもダメみたいね」


「は、はぁ......」


俺はベッドから出ようとした。

だが、彼女はこちらの腕を掴んで止めた。


「もう行くの?」


「......このまま色々な流れになったらまずいとか思わないんですかね。それとやることがありますので」


「ふふ、真面目ね。とりあえず頑張ってちょうだい」


俺は身支度を済ませ、帰宅する準備をする。

そして見送りをしようとしている長谷教授に向かってこう話しかけた。


「......そういや、あの時飲ませた薬って結局何だったんですかね?」


「んー、あれは何も効果のないものよ」


「え?」


「プラシーボ効果って言ってね。効果が無くても適当にそういうこと言って飲ませれば、服用者はその通りになってしまうの」


なるほど、そういうことか。

あの世界に行くのが怖くて怯えていた俺を決心させるために、あんなことを言って飲ませたわけだ。


「でもネタバレしたら今度また同じように転移できなくなった時、どうすればいいんですか?」


「ふふ、その必要はないわ。だって貴方が成長したもの」


「.......!」


「じゃあね、あの世界を救ってくるのよ」


俺は自転車をこいで帰路に着いた。


家に着いたあとは真っ直ぐ二階へと駆け込んで、ゲームを起動させた。


「西南部防衛作戦......あった、これか」


よくよく調べるとまだステージがあったみたいだ。


その内容は200m級レヴナントの討伐だった。

当然俺はそのステージに入る。



***


「......ぐッ......ダメかッ!」


何度やってもクリアができず、ゲームオーバーになってしまう。

武装を変えても戦術も変えても歯が立たなかった。

結局あれから数時間が経ってしまった。

そんな諦めてる時__


『新機体解放』


いつ出たのか分からないがどうやら新しい機体を使えるようになったらしい。

早速その機体でプレイしてみる。



「__なるほど、そういうことか」


画面にはクリアのリザルトが映る。

再プレイから少し時間は経ってしまったが、機体の操作方法は完全に理解できた。


「......もっと使いこなせるように練習しよう」


より機体を上手く扱えるように更に練習を重ねた。


プレイしている最中、いつの間にか眠気が来てしまいVR機器を付けたまま横になってしまった。

そのまま眠りにつく。
















あの世界を守りたい。

もう一度皆に会いたい。


その思いが今、交差する。

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