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第弍拾捌話「もう一度」(前編)

「なんだ......あの大きさは......」


「あんなやつがいるなんて聞いたことがないぞ!?」


「地上にいる機体は上に撤退しろッ! 踏み潰されるぞッ!」


その巨体はイモムシのような体に無数に足が生えていた。

レヴナントの死肉を潰しながら上陸してくる。



***


「太田先輩、俺、行ってきます」


「ちょっと待て、お前燃料がもう__」


太田が全て言い切る前に三木はブーストをかけて行ってしまった。

太田は迷わずそのあとを追いかける。



「__あれが例のやつか......」


市街地の上空からでもその姿は見えた。

その時、俺は「あっ」と思い出す。


「......ゲームでもあれと同じ奴が出てきたな、確かボス的なやつで、それで......あれ?」


見たことはある、だがしかしその200m級レヴナントが出てきたところでストーリーは一旦終わったのだ。


「とりあえず......やるしかないッ!」


ソニックブレードを片手に接近した。

他の味方は各々、銃器で応戦している。

その中を俺は突っ込んで200m級レヴナントの背中へと飛び乗った。


背中はネチャッとした感触がし、足が引きづりこまれそうになる。

よく見るとその体質のせいか、弾丸による攻撃はほとんど効いていなかった。


「コアはどこだ......!?」


一歩一歩と進もうとするが足元がぬかるみ、中々進めない。

手当たり次第でソニックブレードを刺し込んでみるが、どうやら奥に硬い層があるらしく意味はなかった。


どうすればいいか分からずその場に突っ立っていると、突然レヴナントが体を横に揺らし、機体は大きく投げ飛ばされる。

慌ててブーストをかけて体勢を戻そうと試みるものの、ブースター部分にさっきのレヴナントの粘着質な液体がところどころに付着し、思うように飛べなかった。

それどころか残りの推進剤の量も無くなってしまい墜落してしまう。

そして地面に強く叩きつけられた。


「ぐッ......いってぇ......」


その痛みはアーマードを装着していても体に伝わる。

おそらくかなりの高さから落下したのだろう。

機体はエラーを引き起こし、立ち上がるのが不可能だった。


その時だ。

突如上を見上げると200m級レヴナントの足裏が視界に映る。


「......死ぬ......のか?」


何度機動を試しても機体は動かない。


「......畜生ッ......やり直さなければならないとでも言うのかッ」


俺が死ねばこの世界はリセットされる。

死ぬのを目前としても不思議とショックは受けなかった。

その事実が俺に恐怖を駆りたてる。


本当に死に戻りができていいのか。

それはもはや俺自身、人外なのではないのか。


俺は............


俺は..................


















「__三木祥、回収致しました」


誰かの声が聞こえる。


「ありがとう小夜ちゃん。あとは私に任せてちょうだい」


この声は長谷教授だ。

それと最初にした声は小夜か。


ところでここはどこなんだ?


視界は暗いままだった。

俺は目を閉じているのだろう。

目を開こうとしても体を起こそうとしても一向に動かない。


とりあえず何も出来ない、しばらくこのままでいよう。


「......聞こえているかしら、三木君。まあ、聞こえなくてもいいのだけれども」


聞こえてます......


「じきにここもやられるわ。この作戦は失敗よ」


............



「__でも、一度だけ方法はあるわ」


............?



「それは貴方が目覚めることよ」


.............!



「だから一度、元の世界に戻ってちょうだい。勿論、そのまま逃げてもいいのよ」













常闇が俺を飲み込んだ。


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