「死に戻り」(中編1)
「......違う世界から来たのは信用できないが、機密情報をここまで一般人がここまで知ってるのは引っ掛かる。そしてまだ開発途中の機体や計画のことまで......少年、貴様は機密情報漏洩危険人物として拘束する、ただちについてこい」
ヴィーバントの車が手配され、半ば無理やり乗せられる。
こうして俺は第3支部対レヴナント機関へと移動するのであった。
これでよかったのだろうか。
この選択が後にこの世界の存亡をかけた戦いになるとは、俺はまだ知らなかった。
__12:40
取り調べを受けてから40分が経過した。
どこから来たか。
__ここじゃない世界です。
どこで情報を知った。
__ここじゃない世界のゲームからです。
その取り調べは、あまりにも取り調べと言えない内容だった。
。そんな中へ、バンッと音を立てて一人の女性が入ってくる。
「はじめまして、ミツギヒロ君、私は長谷 麗、長官、この子を借りてもいいでしょうか?」
「ああ、これは長谷教授どうも、ええ、どうぞ」
俺は長谷教授の後を付いていくことになり、B5資料室へと案内される。
「単刀直入に話すけど私は異世界について調べてるの」
椅子に座り、そう話しかける。
「異世界......ですか......」
「ええ、元々はレヴナントという存在が異世界から来たものだと推測しててね。そんな中、機密情報を正確に、そして細かく知っている一般人がいると聞いて、君のことを調べたの」
そう言ってタブレットを手渡す。
タブレットには俺の情報が載っていた。
しかし名前、顔、生年月日、血液型しか載ってなく履歴はまっさらのままだった。
「見ての通りよ、もしかして貴方、本当に異世界から来たかもしれないのね、そして、VRゲームではあるがアーマードを操縦したことがあるのだと、間違いないわね」
「は、はい、そうです、あ、あの......」
ここでとあることが気になった。
「そのゲーム『ARMORED』っていうんですが、この世界にはあるんでしょうか」
だが長谷教授は首を横に降る。
「......残念だけど、VRゲーム自体この世界ではまだ開発途中の段階なの、だからそもそもの時点で存在しないってことね」
「__さて本題に入るけど、貴方の身に起こったこと、貴方の世界のことを教えてくれるかしら?」
俺は元々この世界ではない世界から来たこと、一度この世界で死んで時間逆行したこと、元いた世界のことを全て話した。
「__なるほど、貴方の身に起こったことは『異世界転移』と『死に戻り』の2つ、そして現代の出来事はやや異なっているけど、それ以外は私たちがいる世界と同じなのね」
教授はしばらく考え込む。
そして1つの提案を持ち出した。
「君、アーマードには興味あるかい」
「は、はい、もちろんです」
「じゃあ、アーマードの装着員になってみない? 私から上の方に言って貴方をアーマードの訓練生として免除するわ」
「本当ですか!?でもどうしていきなり......」
彼女はうーんと上を見上げたかと思うと、こちらの方を向きこう口にする。
「もしかしての話だけど何か貴方には特別な力があるかもしれないから、かな、ま、使えなかったならすぐに切り捨てるし、そこは覚悟して頂戴な」
彼女は最後に指をパチンと鳴らした。
「は、はい」
俺は感謝の意を込めて深くお辞儀する。
それから俺は長谷教授に施設の案内をされた。
施設の横にはヴィーバント直属のアーマード訓練校がある。
上から免除が下りれば、俺は明日からそこに配属されることになる。
「__長谷教授、1つ頼みたいことがあるんです」
訓練校の廊下を渡り歩く中、彼女を呼び止める。
「何かしら、貴方をヴィーバントに所属させることだけが頼み事かと思ってのだけど」
「シェルターの人たちを救ってくれませんか」
それから俺はこれから起こる惨劇を伝えた。
「__あぁ、そのことね、リンカちゃんが何とかしてみるって、私に連絡が来てたわ」
「リンカ......ちゃん......?」
「アーマード部隊のエース装着者『東雲 凛花』、君を助けてくれたアーマードの人、彼女が一人でその時間帯にシェルターを防衛してくれるってさ」
あの人だったのか......
「そうですか!ありがとうございます!」
「おいおい、礼を言うのはリンカちゃんでしょ? あとで会ったとき、ちゃんと言いなよ」
「はい!」
ストックはまあまああるので明日から投稿していきます!




