いつだって残酷なこの世界で〜貴族令息の逆行復讐劇〜
僕が一体何をしたと言う?これは何の罪によっての罰だ?
薄汚い牢の中、鎖に繋がれた足を見ながら何度目か分からない問いを己に言い聞かせた。勿論、答えなんて出るはずもなく。
この世界はいつでも残酷で、残虐で、幸せなんて一瞬で過ぎ去ってしまう。
そう、気づいた時にはもう幸せなんて何処かへ消え去り、僕を惨めにさせる。
思い出すのは家族みんなで過ごした幸せなひと時。
そして、残酷な世界。
人間、幸せな時の記憶より不幸な時の記憶の方が鮮明に残ると言うが、まさにその通りだ。
綺麗な屋敷、暖かいベッド、美味しい食事、家族の笑顔。これらの記憶は儚く脆く、繊細で、一瞬別の事を考えただけで吹き飛ばされそうで。その上、薄く、ひどく曖昧だ。
それなのに鮮明な記憶はどれも残酷で卑劣だ。
燃える屋敷を走る僕、血を流し生き絶える両親、廊下には沢山の使用人の死の跡。布の隙間から見える目、冷たくて暗い檻、其処ら中に散らばっている腕や足、肉が灼ける臭い、感じたことのない熱さ、耳を塞ぎたくなるような呻き声や叫び声。
僕の記憶はどこを取っても最悪で、忘れてしまいたいものばかりだ。
そして、何故僕はまたこんな場所に戻ってきてしまったのだろうか。
僕が一体何をしたって言う?これは何の罰だ?
こうして、また己に問いかける。終わりのない問いを。
僕はあの日からずっと不幸の連続だ。
そう、10年前のあの日から。
遠くからコツコツと音を鳴らす革靴は徐々に音を大きくし、音は僕の目の前で止まった。
そして、ギイと音を立てて錆びた牢の扉が開いた。
◇
始まりは10年前。
その日は王誕祭の前夜祭で街は賑わい、活気付いていた。
煌びやかな装飾で着飾った街には沢山の人で溢れかえり、人々は屋台を周り楽しむ。そこらかしこで大人たちが酒を飲み騒ぎ立て、踊り狂う。
勿論、年に一度の祭典を喜ばない者はいるわけもなく、誰しもが笑顔になれるそんな日の出来事。
その日は王誕祭の前夜祭ということで、バーリントン家は毎年恒例のパーティーを開き、お客様をもてなしていた。
「エール〜!」
そう僕の名前呼びながら僕に抱きついてきたのは、シャンデリアの光を反射する金の髪、最近流行りの誕生花を摸したレースをふんだんに使った可愛らしいパステルカラーのドレスを身に纏った可愛らしい僕の婚約者であるニーアム・ポーレット公爵令嬢だ。
「わっ、急に抱きついてきたら危ないよ?」
同じくらいの背丈の彼女を精一杯の力で受け止め、慌てた事を顔に出さないように必死に笑う。
「ふふっ、だってエールに会えて嬉しかったんですもの!」
彼女は花が咲いたかのような笑顔を僕に向ける。
「そ、そっか!…さ、お父様とお母様の所へ行こう」
「うん!」
そう、いつもと何も変わらない婚約者とのやり取り。変わる事のないと思っていた幸せな日常の一コマ。
そして、事件が起こったのは、その日の夜のことだった。
パーティーはとっくにお開きになっており、客人は皆帰り、使用人はパーティーの後始末に追われていた。そんな中、僕は家令に言われた通り自室で、夕食に呼ばれるのを待っていた。しかし、その日はパーティーがあった為疲れていた僕は夕食の待ち時間に眠りに落ちてしまった。
目が覚めた時、窓の外に見える空は闇に包まれていた。外の暗さを見て僕は驚き、慌てて時計を確認した。時計の針はいつも夕食に呼ばれる時間の2時間後を指していた。
いつもなら夕食の時間になると、家令や使用人の誰かが起こしてくれていた。だから、僕は不思議に思って様子を見に行くことした。
自室で寝てしまう前は使用人が動き回り騒がしかった廊下は嘘のように静まり返り、人の気配がしない。僕は不安になって小声で家令や使用人、家族の名を呼びながら足を食堂へ向かわせた。
自室から少し進み、階段を降りようとした時だった。下の階から熱風が伝わって来たのだ。おかしいと思った。その時の季節は冬だったこと。そして、この屋敷はそれぞれの部屋に暖炉があるため廊下が暖かいと感じた事がなかったからだ。10年前の幼い僕にはこれがどう言う事態だったのかは直ぐには理解できなかった。出来たとしても、何か出来たかといえばそうでもないが、もっと早く気がついていれば、もっと早く起きていれば、そもそもあの時寝ていなければ、僕はこんなに不幸にならなくて良かったのかもしれない。
僕は階段を降りきると、目的地である食堂の方を目指し再び歩き始めた。
食堂への道のりの途中、僕はやっとあの熱の正体を理解した。西側に繋がる廊下が燃えて、火の海と化していたのだ。僕は慌てて父の書斎を目指して走った。無我夢中で走った。書斎に着くと、いつも厳重な鍵で閉まっている扉は全開になっていた。しかし、人の気配はしない。僕は恐る恐る部屋の中覗いた。そこには抱き合うように倒れている父と母。
「お、お父様?お母様?返事を、して下さい!」
大声で父と母を呼び、肩を揺らしても、父と母は反応せず、ただ2人抱き合ったままだった。西側の廊下の火が父の書斎まで回ってしまったのか、書斎に光が差した。そこで目にしたものは、血溜まり。薄暗く見えなかった父と母の体は火の光により鮮明に僕の目に写した。赤黒い血。そして、父と母の腹に刺さったナイフ。
ガタンッ
父と母が倒れている事に気を取られ気がつかなかった。音がした方を咄嗟に見やると、そこにはナイフを持った大男が立っていた。
僕は両親が死んでいた事でパニックに陥り、ナイフを持った男に怯えてその場で身動きができなくなった。その時何を思っていただろうか。多分頭の中は真っ白で、体の震えによって自分の身の危険を察知していたんだろう。無言でナイフの刃先をこっちに向けながら近寄ってくる男。
僕はただ助けが呼びたくて、誰かに助けて貰いたくて、無意識的に走り出した。
「だ、誰か!誰か助けて!」
炎で燃え盛る屋敷の中を叫びながら走った。無我夢中で走った。本能的な防衛機能なのだろうか、僕は無意識に火がまだあまり回っていない南側の廊下は走っていった。南側は使用人達の部屋があった。南側に行けば誰か使用人が助けてくれるかもしれない。そう思ったのだ。今思えばその考えは何て浅はかなのだろうか。使用人が居たのなら既に僕は助け出されていた筈だ。
南側の廊下に着いた僕の目に写ったものは、沢山の使用人が倒れて生き絶えているという地獄のような景色だった。
「アリス?フローラ?ジャン?ケビン?」
倒れている使用人に声をかけた。勿論、返事なんてあるわけが無かった。そして僕はそこに立ち尽くした。8歳の僕に為す術なんてあるはずもなく。
そして、僕は気がついた時にはナイフを持った男に気絶させられていた。
目を覚ますと、そこは冷たく汚い檻の中だった。檻には布がかけてあるらしく外の様子を確認することはできず、着ていた服は全て剥ぎ取られ、僕は汚らしいボロボロの布を身に纏ってい、左足では鎖が嵌められ檻からは決して逃げられないようになっていた。
ここは何処なのか、自分はどうなってしまうのか、家族はどうなった?1人暗い檻の中にいると考えがどんどん悪い方は偏っていく。独りぼっちで、心細い。8歳の僕には気が狂うような時間だった。
時折、布の隙間から僕を監視する目が怖かった。その目が僕を監視していることを知っているけど、知らないふりをしてやり過ごしたんだ。
檻の中で起きてからどれくらい経ったのか分からなかったけど、感覚的に大体2、3日は経っただろうというくらいの時だった。革靴の様なコツコツという音が檻に近づいて来たのだ。僕は、また布の隙間から目を覗かせるのかと思い、俯き左足についた鎖を見ていた。しかし、布の隙間からは目は見えず、やって来た大人は僕が入れられている檻を動かし出したのだ。
大人は2人いた様で、呑気に会話をし始めた。
「あの美貌で有名なバーリントン侯爵の子息かぁ、すっげ〜高値で売れるんだろうなぁ。ましてや、侯爵は死んだから、あの血を受け継ぐ最後の1人なんてフレーズで売ったらきっと俺が一生働かなくても遊んで暮らせるくらいの金になるんだろうな」
1人の男が呆れた様な口調で言った。
「そうだな。ご主人様は本当に金儲けが得意なこった!まさかパーティーに乗じて、あの警備が堅いって有名な侯爵家に押し入って、侯爵殺してその子供連れてくるなんてやる事がえげつねぇよな」
僕はもう1人の男の言葉に目を見張った。正直今の精神年齢でこの話を聞けば計画的犯行だった事に目を見張るのだろうが、あの頃の僕はまだ幼くて、無垢で、何も知らない愚かな子供だったから男の『侯爵殺して』の部分しか耳に入ってこなかった。
8歳の、それも高位貴族としてチヤホヤされて育った子供の僕には受け入れる事ができなかったのだ。父が死んだことも、僕しか生き残っていない事も。
僕はどこかへ向かっている檻の中で、枯れてもう出る事のない涙を浮かべていた。
だいぶ長い事移動してきたと気づいたときだった。いきなり檻は止まり、急に視界が明るくなったのだ。
やっと目が明るさに慣れ、焦点が合ってきた時に見えたのは、ついさっきまで被せられていた布ではなく仮面を被った人たちだった。恐怖で震え上がる僕には、実際30人くらい居た人が100人くらいに見え、さらに恐怖を増長させた。
僕が恐怖に打ちのめされる中始まったオークション。
『先日亡くなったあのバーリントン侯爵の忘れ形見の彼が今回のオークションの目玉で御座います!ストレートの癖のないダークグレーの髪。そして、海より深い碧い瞳は。まさにバーリントン侯爵を彷彿とさせます!今は亡きバーリントン侯爵な美貌を受け継ぐ最後の1人!今回の商品は体の一部での販売はしません。一体をご購入下さい!スタート値は1億ライです。それではスタート!』
何を言ってるのか分からなかった。ただ人々が僕を見ながら値段を付けているのは分かった。最初は1億、次に1億1千万。どんどん値段は上がって行き3億ライになった時だった。
「そんな金持ってるわけないだろ!」
1人の男が立ち上がり、声を荒げて叫んだ。そして、僕の入っている檻まで飛んできて、鍵を開き僕を無理矢理檻から出そうとした。今思えば、ただ金が足りないことに苛立って無理矢理僕を連れ去ろうととまったのだろう。だが、恐怖で震え上がっていた僕はそんな事は分からず、ただ逃げようとしたその瞬間男はより怒り僕に掴みかかってきた。
バンッ
音を立てて倒れたのは男の方だった。男は頭から血を流し、呻き声を上げた。
「ば、化け物!」
これを言ったのは誰だったのだろうか、僕には分からなかったが、その言葉が自分に向けられていることだけは理解できた。もう今更だが、僕は決して化け物なんかじゃない。ただ人より魔力が高いだけだ。この時は自己防衛で咄嗟に魔法が発動したのだが、咄嗟な事だったため威力を抑える事が出来ず、気が付いた時にはオークション会場は火の海だった。
肉が灼ける匂い、耳を塞ぎたくなる様な悲鳴。
気分は最悪だった。でも、その理由は肉が灼ける肉でも、耳を塞ぎたくなるような悲鳴でもなかった。自分の創り出した火の海が数日前の惨状を僕の頭に蘇らせたのだ。
「はぁ、はぁ、はぁ」
どんどん荒くなる呼吸。次第に呼吸音はヒューヒューに変わっていった。そして、どんどん減っていく酸素。呼吸をするのが苦しくなって行き、僕はそのまま倒れてしまった。
その後、僕は火災が発生したという通報を受けて出動した王国軍の人に保護された。そして、僕は8歳にしてバーリントン家の当主となった。最初のうちは領地を収めるのは大変だった。領民も流石に幼い子供に任せるのは無理だと思ったのだろう。多くの批判が殺到した。僕は領民のために、自分のために勉強を死ぬ物狂いでした。その甲斐あって、10歳になる頃には領民にも、近隣の領主に、領主として認めてもらえる事が出来た。それから8年、僕は領主として精一杯努めてきた。
今年も王誕祭についての会議が開かれるという事で僕は王都に訪れていた。従者を連れて街を歩いていた時だった。あのとき一瞬でも従者とはぐれてしまったのがいけなかったんだ。きっと、なかったら僕はまたこうやって拘束されてはいなかっただろう。
王誕祭が近いという事で賑わった街中で、僕が人とぶつかってしまったばっかりに従者とはぐれ、路地裏に引き摺り込まれ気絶させられ、今こうやって拘束されているのだ。
そしてまた、あの時と同じ様に左足に鎖が付いている。
でも、違った事が1つ。今回はバラ売りで売られるらしい。さっきからひそひそと『私は勿論顔が』とか『あの綺麗な指が欲しい』なんて吐き気がする様な話し声が聞こえてくる。
あぁ、なんて世界は残酷なんだろうか。
そんなことを考えている束の間、僕はあの時と同じように仮面で顔を隠した人たちの前に引っ張られ、跪かされた。
『では、腕から』
そう言ってサーカスのピエロのような仮面をしたオークションの開催者が腰にある剣を抜いた。
剣は蝋燭の光を反射させながら高く持ち上げられた。そして、次の瞬間僕の腕に向かって振り下ろされた。
「うわぁぁぁぁ!」
僕は痛みを感じ、大きな叫び声を出した。息を荒く乱しながらそっと腕を確認するとなくなっているはずの腕はまだ自分の身体に付いていた。
「う、腕があるだとっ!」
驚き、慌てて周りを確認すると、僕はそこでやっと先程いたオークション会場ではない場所にいる事を知った。
白く清潔なシーツに、見覚えのある寝台。ここは、まるで幼き日を過ごした、10年前燃えて灰となった邸の自分の部屋だった。
何故僕は邸の自分の部屋にいるのか。この部屋は10年前のあの日灰となったではないか。そう自問自答する。しかし、答えなんて出るはずもなく、何故自分がこんな場所にいるのか全く解ったものではない。
きっとこれは夢を見てるのだ。そう、夢。
腕を失くし、気を失い、己の精神を保つために脳が起こした錯覚なのだと。これは僕が幸せだった時の記憶なのだろう。
よく見なくても、消えたはずの己の腕は身体に付いているし、身体は小さく、子供のそれになっていた。体が縮んでしまったからだろか、そこまで大きくもない寝台が大きく感じる。そう1人で思案していると、ドタバタと大きな足音が聞こえてきた。徐々に近づいていると感じ、扉の方に目を向けると、バンッと大きな音を立てて扉が開いた。
そして、ダークグレーの髪に、新緑を思わせる優しい色の瞳の男性と、残雪のように白いプラチナブロンドの髪に、波の音だけがただ聞こえてくる夜の海のように深い碧の瞳を持つ女性が入ってきた。
この2人は言わずもがな、僕の父と母だ。そして、2人とも僕の記憶よりやや若く見える。
「こ、これはどう言う…」
1人でぼやいていると、お父様とお母様は僕の元へ駆け寄ってきて、矢継ぎに話しかけてきた。
「エール、体は大丈夫か?怠さはないか?私が誰か分かるかい?」
「ああ、愛しのエール。こんなやつれてしまって、お腹は空いたない?どこか不調はないわね?」
2人の言葉を唖然と聞き流し、僕は脳内パニックを起こしていた。夢とは思えない両親の温もり。2人が触れた場所がほのかに温かい。これは、本当に夢なのか?もしかして、今までの出来事の方が夢だったのでは?
2人の温もりは僕の思考をバカにさせる。今までの出来事が夢だったなんてありえない。だって、こんなにもちゃんと記憶しているのだから。あの日からずっと悔やんでいたではないか。
じゃあ、夢ではないのならなんなんだ?
見上げれば、お父様の新緑の瞳と目が合った。
「お、お父様、お母様…」
掠れて殆ど聞き取れないような声で呟いたその言葉は、しっかりと2人に届いていたようだった。
___ガバッ
2人は僕を優しくも、強く抱きしめた。
2人の温もりが全身に広がっていく。この温もりは偽物なんかではないと訴えるかのように。
「やっと、返事をしてくれた。目が覚めてよかった。昨日まで生きた心地がしなかったよ」
「よかった、よかった、グスッ」
この2人は本物だ。偽物なんかじゃない。何故か根拠もないのはそう思ってしまうのは何故だろうか。
ああ、両親が生きている。まだ、温もりがある。そう思っていると、頬に何かが伝った。
僕は、あの時のように、陶器のように冷たくなっていないか確認する様に強く抱きつき返した。
ひとしきり泣くと、心が落ち着いてきた。お父様は僕の涙を拭き取ると家令を呼び出した。
「エールに食べられそうな食事を用意してくれ。あと、2人にもエールが起きたことを伝えておいてくれ」
そうお父様が言うと、家令は頭を下げてまた部屋を出て行った。2人というのは、あの日両親と共に死んだ筈の兄と姉の事だろう。
僕は、食事が来る前にとりあえず状況整理をする事にした。
まず浮かんだのは、自分は今何歳くらいなのだろうか?というものだった。確かめるべく、バッドを降りて鏡が置いてある机の前までヨロヨロと歩いて行った。お父様とお母様はヨロヨロと歩く僕を不安げな瞳で見ていたが、お構いなしに鏡は向かった。
そこに映っていたのは、真っ白な髪に深い蒼いひとをした痩せ細った6歳くらいの少年だった。一瞬自分では無いのではと錯覚を起こしかけたが、顔自体は自分そのものだったので、自分だと理解することができた。
「…か、髪が白い。白い」
僕は鏡をガン見しながら無意識に言った。すると、両親が慌てて僕の頭を撫でながら大丈夫と何度も言った。
「そうよね、急にお父様と同じダークグレーの髪が真っ白になってたら驚くわよね。私たちの配慮が足りなかったわ。あのね、エール、その髪はお医者様が言うには高熱の後遺症なんですって。だから、もうエールには真っ白な髪しか生えてこないの。髪の毛の色が変わってもエールは私たちのかわいい子供だと言う事は変わらないわ!だから、大丈夫。安心して」
お母様はそう涙声で僕に言い聞かせた。
唖然だった。以前は、こんな事なかったからだ。18歳のあの日まで僕はお父様譲りのストレートのダークグレーの髪だったから。これは、過去に遡った代償なのか?これが代償なのだとしたら安いものだ。これから先両親や兄姉の命を救うことが出来るのなら。そう思った。代償が、大好きなお父様とお揃いだと喜んでいたダークグレーの髪が無くなる事だとしても。僕はそう思わざるを得なかった。
そして、真っ白に変わってしまった髪に誓った。絶対家族を救ってみせると。
連載版もありますので是非そちらも見てください!