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30、すれ違う月と太陽

ミドリ「お知らせです」

ミドリ「3/7の更新が終われば、今度からの更新は日曜日のAM12:00とPM12:00の同日更新になります」


ヒデ「人気ないのに良く頑張れるよな」


ミドリ「いや、まだ1話(2/18現在)も上がってすらいないから、人気ないとかの問題じゃないけど……」


ヒデ「あれ、そうだっけ」



~30、すれ違う月と太陽~

 太陽は登り始める。

 二日後、歯車は動き始める。


「国家及び反国家勢力の共倒れを狙った勢力の拠点を特定し、警察は今日にも突入決行するようだ」

「そうか。そこに私もついていこう」

 政府は警察と裁判所と結ばれていた。反蝋燭の意志で結ばれ、互いに協力し四日後に蝋燭を潰す策が練られている。

 政府の取り持ちで警察が送った裁判所の許可を円滑に進ませていたのだ。

「俺も行かせてくれ。叔父さんの役に立ちたいんだ」

「……。分かった。けども、危なくなったらすぐに退けよ」

「分かった」


 ヒデ達は悪のアジトへと入っていく。

 多くの警察、一部の軍隊がその建物の中へと入っていく。



*



 月は地平線の下へと隠れていく。

 二日後、歯車は動き始める。


「ムヒョン。見つけたようだ」

「ありがとう、ムンス。なら早速行こう。ケリをつけるために」

 ムヒョンらはムンスの不祥事にケリをつけるため、独自で彼女らのアジトへの侵入を目論んでいた。

「わたくしも行かせてください」

「……。そうか、ありがたい」


 マリン達は悪のアジトへと入っていく。

 蝋燭の義勇兵と国民の意志を尊重し味方してくれる一部の軍隊を連れて建物の中へと続く下り階段を進んでいった。



 複雑に入り組んだ廊下。

 マリンは迷子になっていた。一人で未知なる土地を踏み歩いていく。

 建物の中に広がる庭のような場所。

 足を踏み入れる。

「ようこそ。サイコフィールドへ!」

 マリンの目の前に立ち塞がったのは仮面をつけた謎のタキシード男だった。



*



 満足な生活はさせて貰えない。隠れながら生活する日々。それでも両親や関係者は希望をすてていなかった。

 毎日毎日、勉強漬けの日々。

 いつか自由な政府となり、その努力が報われる時がくる。

 求められたのはこの内の一つ。

 企業を引っ張る力、それか現政府を落とす程のパワー。

 しかし────

 勉学も体力も振るうことはなかった。

「お前はロッテグループの恥(さら)しだ!」

 罵倒(ばとう)と体罰は尽きない日々。


 トップの高校や大学に行くのは当たり前の風潮。しかし、そんな実力はなかった。

 もし行けなかったら。恐怖から来る甘い手。魔が差した。試験官にバレないように悪にどっぷりと浸かってしまっていた。

 無事に合格。ただ、そこからの勉学は己の範囲をゆうに越していた。授業についていけず最底辺の学校生活を繰り広げる。

 家に戻れば蔑まれる日々。

 大学受験。魔に染まることのできない包囲の中で正々堂々、ぶつかり粉砕する。

 受験の大失敗。それをキッカケに親達からは悲しい一言を添えられた。

「お前は頭が悪いだけじゃなく、強くもない。恥晒しなどロッテに必要ない。お前とは縁を切る」

 こうして社会へと放り出された。

 苦しい日々。

 趣味だったマジックで金を取ろうとしたが、このご時世。誰も見向きもしなかった。

 ホームレスとして生きていく。

 五年が経った。未だに貧しい生活。

 貧しい人々は金を分け与える余裕などなく、ただ素通りする。それを見て心は折れていった。

 五年後、災害に見舞われた。ただ、何ともなく人生の転機とはならなかった。

 相変わらずマジックで生計を立てていた。

 一向に救われない日々。

 そこに現れる女。彼女は手を差し伸べた。

 そこから新たな人生を歩むことができるようになった。闇のグループの中に入り、イ トゥルという相棒もできた。闇の中にある任務をこなし金を貰っていく。

 必要とされている。それだけで嬉しかった。


 貧しい人々は誰も救いの手を差し伸べない冷酷さを持っている。

 けれども豊かな人々はそれよりももっと冷酷で、残酷だ。


 彼らの上にたち、全てを変える。

 地位も、心も、意識さえ変えてみせる。



*



 紙が出口を塞ぐ。

 ひらひらとした白い紙がそこら中に浮いている。紙がマリンの行く手を阻んでいた。

「くっ、くっ、くっ、サイキッ、くっ。ここからは逃れられない。もはやわたくしの勝ちは確定したも当然。ここはもう絶好の狩庭。あなたはもう死ぬので……」

 いつの間にか十文字槍を持ったマリンがサンスの背後にいた。

 線上にある紙は次々と切れていく。

 いつの間にかサンスも切られていた。

「長話はする気はありませんのよ」

 サンスはその場に倒れていた。



*



 先に行ってしまったタンユン。それを追いかけて行ったのだが、追いつくことはできなかった。

 戻るのも躊躇いがあり、仕方なく歩を進めた。

 いつしか地下とは思えない広い部屋に来ていた。

 そこに強面のお姉さんが立っている。

「あんたは……もしや青瓦台に不法侵入した面白ェ奴だね。どうだ? 仲間にならねぇか? 一緒に天下取らねぇか?」

「取る気はねぇ。俺は、政府側につくって心に固く決めてるからな」

「じゃあ、死ね」

 手のひらを前に出した。溜め込んだ光が放たれる。強烈なレーザーが放たれようとしていた。

 ヒデは五つの指を真っ直ぐ伸ばす。

 手のひらを合わせて合掌した。

「今できる最大の必殺技。決めてやる。手加減無用、火力最大、全身全霊……」

 手のひらから炎が溢れ出していく。

 部屋の気温が上がっていく。


手火減(てかげん)なし────の一撃」


 レーザーは二つに割れ、ムンスは切られる。

 彼女はその場に倒れていった。



*



 怪しい服を着た人を(かわ)す。

 重心を倒して不安定な体制となった。片足で斜めにかかる体重を支える。斜め後ろへと落ちていく腕。その途中で指を強く曲げた。

 銃声音とともに巨大な(ほむら)を纏った銃弾が敵の目の前で分散する。

「龍の火炎弾────」

 その姿はまさに龍から放たれた炎の弾に見えた。攻撃を受けて、目の前で倒れていく。

 続く廊下に構える(よろい)を着た敵。

 重心を整える。その途中で振った刀から熱派が放たれた。

「龍の雲翔────」

 捻れた赤い空気。真っ直ぐ回転しながら進む。その姿はまさに回りながら進む細長い赤色の龍のようだった。その熱気に敵は次々と倒れていった。

 片手には刀。もう片手には銃を持って進んでいく。


 リーダー格がいそうな部屋を見つけた。立派な扉がそれを物語っている。

 真正面から行けば敵の罠にかかる可能性がある。

 そこで、その部屋の横にある部屋へと入り、刀を構えた。

「竜の牙────」

 まるで竜が壁を噛み付く姿のようだ。壁が崩され敵を見つける。入口付近に構えていた敵が驚いたようにこちらを見る。

 刹那。

 瞬く間に彼らは倒れる。幻として映る龍が牙を見せて笑っていた。


 扉の(きし)む音がし始めた。

 危険を察知し、その場から離れる。扉は壊れ、猛吹雪が部屋を襲っていた。

 扉の向こう側にはムヒョンの姿があった。

「ここにもいないか。ムンスは。とりあえず、カタをつけるために君らを拘束して警察に送る」

 粉雪が長いコートをひらひらと煽らせていた。

 タンユンは彼に近づいていく。

「久しぶりだね。ムヒョン君……。噂で聞いてるよ、前大統領の息子君が復讐のために蝋燭のリーダーを担っていると」

 両手をポケットに入れてタンユンの方を見た。

「惜しいけど違う。蝋燭の代表者であるのは復讐のためではなくて、国民のためなんだ」

 話している二人。蚊帳の外にされた敵が怪しい行動を取っている。

 ムヒョルは右手をポケットから出した。手の付近に雪が回っている。

 タンユンは刀を敵に向ける。熱気が刀の周りを飛んでいる。

「豪雪のような吹雪」「龍の吐息」

 強烈な吹雪と、まるで龍の放つ火炎放射のような猛火が襲う。そこにいた目的の敵は全員倒れていた。


「最初の目的は果たしたが……。今ここで戦うつもりはないが、もし不審な行動を取ればすぐにでも」

「すぐにでも……戦うかい」

 一触即発の状況だった。

 仲直りするにはとても良かった状況だった。対立する二組、それに対立する共通の敵。呉越同舟(ごえつどうしゅう)の状況から仲直りになることはザラにある。

 ただ、そんな状況にはならなかった。

「国民のためと言ったけど、それは私達だって同じ。政府は国民のために尽くしている」

「いいや、尽くしちゃいない。平等でなければ絶望が待っているんだ。僕達は韓国の未来のために、政府に対抗するつもりだ」

「自由がない方が絶望だ。韓国の未来のために、反乱分子を潰さなければならないな……」

 右手がタンユンの首に、銃がムヒョンの頭蓋骨に、焦点を合わしていた。

「「今日のところは退く。けれども、次はない(からな)」」

 二つは一線を超えることなく退いていった。


 その日、政府と蝋燭の共倒れを狙った組織が崩壊した。ボスとされるムンス、裏でボスを操っていたチル イルゴ、幹部のサンスは逮捕された。

 政府の突入と同時に蝋燭、及び志望した一般人も突入していた。

 彼らは無事に帰宅していった。


 右に回る歯車が他の歯車を回していく。右回りの連鎖が、東側へと続いていく。上へ上へと回っていっていた。

 右に回る歯車が他の歯車を回していく。右回りの連鎖が、西側へと続く。下へ下へと回っていた。

 その歯車はもうすぐ重なり合おうとしていたのであった。



*



 政府と蝋燭の衝突はもう止まらない。

 ヒデとマリンは互いに敵する方に味方し、相交わることになってしまった。

 自らの意志を持って武器を取る。


 ミドリはそのどちらにもつかない場所で一人部屋に残っていた。

 ヒデからラインが来る。

『ミドリ』

『一生のお願いだ』

『政府の組織側にきて一緒に戦って欲しい』

 連続で送られてきた。そこから強いメッセージを感じる。

 けれどもそれを返すことなどできなかった。

 一度バックしてもう一つの未読を開く。マリンからだ。

『お願いがあります。蝋燭の仲間になってともに戦って欲しいのです。仲間を助けると思ってどうかお願いします』

 同じようなメッセージが送られていたのだ。


 ヒデもマリンも二人とも大切な仲間だ。

 どちらかを選ぶことなんてできなかった。


 もしヒデを選んだら、マリンが無事でもその後のマリンとの関係は険悪になる。マリンを選んだ場合も今度はヒデとの関係が険悪となってしまう。

 ならどちらも選ばなかったら……。

 選ばなかったら選ばなかったらで険悪な関係になるのは防げない。負けた方は心に余裕が持てないだろう。責められる可能性は高い気がする。

 ミドリは今────試されている。

 ヒデかマリンか。

 人としての人格を試すかのように二人が同時に手を伸ばす。

 一つを選べばもう一つは選べない。どちらかは裏切らなければいけない。タイムリミットは刻刻と近づく。

 偽善者を装っても、必ずどちらかには嫌われる。

 ある意味拷問(ごうもん)である。

 心の中にある優しさが胸を痛めつける。

「選べる訳ないじゃん……」

 そのように言っても時間は迫る。選ばない選択肢も、それまた裏切ることになる。

 画面が小刻みに揺れていた。

 辛い。その二文字が胸を支配していった。


 暗闇の中で目を閉じる。

 現実逃避した先で、もう一人の自分と出会った。


 私は現実的なことを含めて話して、もう一人の自分はあるがままの思っていたことを話していく。


 ヒデか

 マリンか


 私は────

人物紹介

『キム ムンス』②


能力:光線

属性:炎

武器:────

戦闘:太陽の光を充分に溜めてレーザーを放つ。ストックが可能。ただ、ストックするのに時間がかかりすぎる。

災害:日照り

秘話:元は太った富豪の中年男性だった。何か名前を見てたら女にしよう! ってなって今に至った。

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