3、凍て付く闇夜に咲く花の名は
オパル「『前回のあらすじ』~」
ミドリ「異災警察の目の敵。アワルが現れましたね……」
オパル「それよりも、まさか俺の趣味がバレるとは。いやぁ、またビンタされたいなぁ。怒りと軽い愛情の絡まったあのビンタをぉ」
ミドリ(キモい……)
オパル「ん? 何か言った? いいんだよ。口に出して。怒らないし、というかめっちゃ喜ぶから、さぁ」
ミドリ(余計言いたくない……)
オパル「そう言えば、今回は黒羽の趣味? が炸裂するようだね。一応言うけど、ある意味俺よりもヤバイからなぁ」
オパル「それでは始まるよ」
~3、凍て付く闇夜に咲く花の名は~
月が落ちる。
警察の目の届かない部屋。
部屋を灯す電気はついていない。外から入る月夜を光にしている。
アワルは欠けた月に向かって薄く笑った。
「データの持ち主が馬鹿なカップルで良かった。これで有用な捨て駒を得られる」
部屋の一角でパソコンと対面する女が唇を開く。
「そうね。あんなに楽に近づけるなんてね」
「ああ。リターンが大きくて助かる。ただ、駒が本当に使えるかどうかが不安だな」
「じゃあさ、試しとく?」
「そうしようか」
パソコンにはまだ未熟な表情の男性の顔が映る。中学一年生。複雑な環境。引きこもり。そして、社会を憎んだ瞬間全てを破壊する危うさがある。
最悪のシナリオがどんどん浮かんできた。
*
堕落したような光景。
のんびりと転がるオパルや黙々と本を読むカヤ。周りを見渡しても真面目に事務仕事を取り組んでいるのはミドリとダイしかいない。
一分が長く感じられる。
ゆったりとした雰囲気にもまれながらも目の前の仕事に打ち込んでいく。
そんな中、アンダ・ルサが立ち上がった。赤色に染めた髪、可愛く着こなしたファッション、女子高生のような見た目。はたから見て可愛い女性だ。
ルサに続いてヒデが立ち上がる。
何やらルサとヒデの間に口論があったようだ。
ゆったりとした感じがその口論で相変わらずの騒がしさとなってしまった。
口論の末、二人は武闘を始めだす。喧嘩へと発展した。
爆笑するオパルが騒がしさに拍車をかける。
気が散って仕事に集中できない。ミドリは仕事から離れて目を瞑った。
どんなに騒がしくても部屋の片隅で刀を研げる黒羽が羨ましい。とても羨ましい。あの集中力があればこんな騒々しい状況でも仕事を続けられるのに。
同じく仕事を続けていたダイももう我慢の限界がきたようだ。
持ち場を離れて喧嘩してる二人の背後にソッと進む。
「うるさいな……」
二人の頭が掴まれダイの方を向けさせられる。浮かべる怒りの表情が二人を黙らせた。
ようやく騒ぎが治まった────
これでようやく仕事を再開できる。そう思ってパソコンを見た途端、今度は部屋全体を騒がしくする音が。
非常音。事件が発生した音だ。
「まだ仕事がやり途中だと言うのに……」
ダイは苛立ちを言葉に含ませて感情を抑制した。その後、壁際に設置された機械をいじって事件の詳細を確認した。
機械からアナウンスが流れてくる。
《事件発生。場所は埼玉県秩父市 ~。~中学の制服をきた少年が【水】と思われる異災能力を乱用し破壊行為を続けています。現在死者十四名以上、推定崩壊件数六十一棟。想定危険度D-6であります》
アナウンスが部屋を緊張させた。
危険度はD-0から始まり数字を増すごとに危険性が高まる。特にD-6以上は相当危険である。異災警察では危険度がD-6以上、死者数十名以上もしくは行方不明者三十名以上、崩壊件数五十棟以上、全て越していた場合その元凶である犯人を殺害することを許される。
仕方ないことだ。
異災能力は災害と同じ。時に異災は災害以上の被害を出す可能性がある。
例え異災警察であろうと殺さずに捕まえるのはリスクが伴ってくる。殺害を許されるレベルだと殺さないと逆に殺されてしまうリスクがあるのだ。
「殺害が認められるレベルか。この事件。黒羽に行かせて貰おうか」
黒羽はそう言って部屋の皆に宣言し旅立っていった。
しかし、何か嫌な予感がする。
ヒデが苦言を呈する。
「殺害が許されても、相手は中学生なんだろ?」
それもそうだ。
例え殺害が許されていても時と場合によっては躊躇われることもある。まだ幼子なら未来もある。間違いを正し、正しい生活を行っていける年齢なのだ。
黒羽は躊躇なく殺害しに行った。
しかし、ヒデはその行為を良しとしなかった。心にしこりを残していく。
そこへダイが、
「悩んでいるようだな。今行かなければ後悔するのではないか?」
と悩みを感じ取って声をかけた。
それを聞いて「それもそうですね」と言い、行くことを決意しだした。
ただし、ヒデは免許を持っていなくて車を運転できない。
他に運転できる人……。ダイやミドリは仕事にキリがついてない。オパルには任せきれない。コラールはここにいない。カヤは免許を持ってない。
そこで唯一挙がったのがルサだった。
「任せていいか?」
「もちろんです。任せてっ」
ヒデとルサも事件に向かって後を追った。
*
誰も信じない。
生きたい。けど、この世界では生きたくない。
そんな矛盾を怒りの刃に変えて自分を苦しめるこの世界に八つ当たりをする。
サトウ・トソースは苦しんでいた。
父佐藤俊夫との二人暮し。
父はトソースが物心つく前に逃げられていた。仕事が上手くいかず途方に暮れた生活。屋根と思しき茶色の木材が古びた見た目を強調する。
小学校に入って俊夫はとち狂い始めた。
ギャンブルとお酒浸けの毎日。上手くいかない人生をトソースのせいにして暴力で社会への怒りを発散する。
とても苦しい毎日が続いていた。
家では虐待。学校では友達を作ることもままらなず、勉強する心のゆとりさえなかった。学校に嫌な思い出も良い思い出ももてなくなっていた。
小学生の高学年。ある日、俊夫が死んだ。
ようやく地獄から解放されると思った。
しかし、違った。
社会は残酷だった────
父が亡くなりすぐにきたのは借金取り。彼らが親の肩代わりをすることに。そこでの生活は今までの生活が天国かと思うような生活であった。
中学に上がった。苦しい生活から解放されずに自殺も考えた。
だけど、自身の命を無駄にはしたくなかった。
その時、周りを見渡してみた。
そこで気付いたのだ。社会は誰も助けてくれない、と。
そして今日。見知らぬ人からメールが届いた。
そこには自分が絶対に地獄から抜け出せないこと。今行動を起こさなければ────殺されること。
真実かどうか。それは真実であると感じた。自分を匿う彼らならやりかねない。いや、やりそうだ。
だから、この手で反乱を決す。
運良く手に入れた波を起こす超常能力。その力で親の肩代わりを殺した。だけど、それだけでは自分の心は救われない。
誰も救うことのなかった社会へ、いや意図的に無視した社会を。
許さない!
体から波を繰り出す。
その波が家々を壊し、さらに命を奪っていった。
*
「見つけた────」
手を伸ばせば雲に触れられそうだ。
家々が小さく見える。ミニチュアの家々が波によって流されていく。波を起こした犯人が今回の犯人だろう。
空中に現れた氷の結晶を踏み、素早く落下していく。
地面に近づくにつれて波を起こした犯人が見えてくる。
機械に映っていた少年で間違いない。
結晶を蹴ってさらに速く。
そして、敵の懐へ────
だが敵は波を繰り出し、その波に乗った。薙った刀は実態を捉えて斬ることはできなかった。虚しくも手応えのない水をきる。
このままでは波にのまれる。
地面を強く蹴って真後ろに跳ぶ。そこから、結晶を蹴って波に巻き込まれない場所まで横移動した。
黒羽に油断はない。
地面に足をつく暇もなく空中へと跳んだ。
何回も結晶を蹴って空へと体を委ねる。
トソースが黒羽を見る。
黒と白の長い髪の目付きが鋭い男が刀を構えながら突撃してくる。そこに太陽の日差しと重なっていく。
死ぬ────
そう思った瞬間に波から足を滑らせた。
刀が体を斬った?
その実感はない。彼はとっくに後ろにいる。そして、薙った後の姿だ。そう思っていると、すぐに痛みが襲ってくる。
心臓より少し上、肺より少し下。体の中で唐突に切り刻まれる。
波が急落し、地面に吸い込まれる。
トソースは地面の上で寝そべっていた。もう動くことはできない。動けば死────
「宵闇も統べる白き花────『樵愛夢』」
黒羽は倒れているのを確認してから必殺技名を言い放った。
しかし、死んでいないことに気づく。緊張を解くことは無かった。刀を敵に向ける。
敵は斬る直前で重心を落としたため即死を免れたようだ。
「殺し損ねたか。なら次の攻撃で葬ってやろう」
黒羽は地面を強く蹴って一直線に進んでいった。
*
黒羽を追って車に助手席に乗るヒデ。運転席ではルサがエンジンをつけた。
「さあ行くよっ!」
そう言ってルサはサイレンを鳴らして車を走らせた。
時速四十キロの所を二十キロで走る。サイレンつけているのにマイペースに走らせるなぁ、と思っていたら突然、本当に唐突にアクセルを踏み込む。いつの間にか六十キロで走っている。
「あ、時速出しすぎてた」
そんなこと言った瞬間、ブレーキを使ってスピードを落としてから四十キロで走り出した。
もちろん、パトカーだから玉突き事故にならなかったが、普通車で同じようなことをしていたらと考えるとゾッとする。
ヒデは少しずつ背中と心臓を痛めていった。
小さな道から大きな道へと合流する。そこでもルサの運転下手が炸裂した。ハンドルをきらずとも、きるとしてもほんの少しだけでいいのに、合流する時に大きくハンドルを回して、また戻す。
急に襲う横からの重量。体が動くのを止めようと我慢する度、疲弊が溜まっていく。
カーブを速いスピードで入っていく。デコボコの道をふらつきながら、さらにスピードを出して走っていく。と思ってたから急にスピードを落とす。
ルサが元気よく、
「着いたよっ、目的地」と言った。
目的の犯人はまだ暴れている。それを止めるのは今のところ誰もいない。ヒデ達は黒羽よりも先に着いたのだ。
「黒羽さんよりも速く着いたよ。今のうちにさっさと倒しちゃいなよ! 支援で最っ高のサポートするからさ!」
ルサは何事もなく話してくるが、ヒデにとって何事もない状況ではない。
車酔い。いや、それ以上の症状。
ヒデは名もなき症状によって意識が遠のいていた。
「おーい、ヒデ、寝るなぁ!」
車から出た瞬間、我慢できずに地面に倒れ落ちた。
戦っていないのに、もう激しい戦いをした後の気分。
「なに倒れてるの? 今から戦うんでしょ?」
そうだ。しかし、体の悲鳴に逆らえない。
ルサの言葉に反応する余裕すらない。
あ、意識してなければ意識が飛びそうだ。そんな中でルサの言葉が小さく聞こえてくる。
「行く前までは元気だったのに。何でこんに死にかけなの?」
それはアンタの運転が乱暴すぎるからだ────
ヒデは一時的に意識を失った。
──
───
────
意識が戻ってきた。閉じられた瞼を開いていく。
そこに映る景色。
黒羽が中学生を斬る。倒れて動けないトソースに向かってトドメをうとうと身を構えている。
駄目だ。と心の良心が叫ぶ。
彼はまだ幼い中学生だ。彼はもう手負いで動けず、わざわざ殺すまでもないはずだ。こんなのどっちが正義か分からない。
体は脳よりも先に動いた。
炎の雲が回りながら真っ直ぐ進む。
黒羽の刀とヒデの手が衝突し合う。黒羽は距離を置き、状況を確認した。
「邪魔だ」
消えた。
いや、消えたと思わせる速さでヒデの背後の方へ跳んだのだ。
空中に作り出した結晶を蹴って刀で敵の首を狙う。体を反転させて攻撃に追いつくには……。
勢いよく駆ける。
四つの指から人差し指を親指の内側に入れた。さっきよりも火力は下がるが機動力は上がる。威力はサバイバルナイフと同じ。
炎の手刀と黒羽の刃が再び火花を散らす。
クールな表情の黒羽。ヒデはその表情とは対照的に焦りで汗を落とす。
「彼はまだ中学生。子どもですよ。それに、さらなる被害を与えるほどの力は残ってないんです。殺す必要はないと思いませんか?」
手には氷の花が現れたがヒデの炎ですぐさま溶けた。
黒羽は何も言わずに敵を狙い続ける。まるで獲物を捉えて逃さない猛獣のようだ。
ヒデは能力で刀と渡り合う。
ヒデの能力は〘炎の手刀〙であり、【炎】のジャンル。手のひらを真っ直ぐに伸ばして力を入れることで炎を出す刀と化す。小指だけを伸ばした手だと針で斬る程度の威力。指を増やしていくごとに、カッター、サバイバルナイフ、日本刀、そして大剣へと威力の値が上昇していく。
炎の日本刀が黒羽の刀を捉えた。
力と力がいがみ合い互いの刀が小刻みに揺れ続ける。
ヒデは冷静に身構える黒羽に言う。
「何か言ってみたらどうですか?」
彼は視線を下げてヒデを見つめる。
その次に硬い唇を開く。
「凍て付く闇夜に咲く花────『待雪草』」
ヒデは驚いたように口を開く。
「何なんですかっ。口を開いたかと思えば必殺技言っただけですし」
「そうだ。必殺技は攻撃の後に言うタイプだからな」
「そういうこと聞きたい訳じゃないんですよ!?」
駄目だ。話が通じない。
ヒデは質問を変えた。
「黒羽先輩は未防備な人を殺して、それを正義と思いますか?」
太陽の眩しさが二人を包む。
力の均衡に耐えきれず刀を外して間を開ける。
黒羽は静かに話し始めた。
「正義かどうか関係ない。殺すのが趣味で生きがい。それだけだ────」
黒羽の趣味は殺害。だが、普通に殺害を行えば逮捕されて刑務所送り。その間、趣味である殺害を行うことはできない。
だからこそ、殺害を正当化する場所が必要だったのだ。
異災警察。そこが殺害を正当化させる最高の場所でもあるのだ。それが法的に許されるのなら批判されても関係ない。ただ趣味を興ずるだけだ。
どれほど説得しようとしても黒羽には寝耳に水。
なら気絶させて止めるしかない。そう思うと自然に力が入り、意識が力をコントロールさせる。
炎の手刀と瞬殺の刀がまたもや衝突した────
「ったく、何やってんだ……」
ふと頭を掴まれる。
視線を上にして腕の伸びる方を向いた。そこにはダイの姿があった。
「お前ら事件とは別に喧嘩してる暇あると思う……か?」
ヒデが萎縮していく。
「時間を、無駄にするな……よ」
ダイの腹から開いた次元の穴。そこから人よりも太い土の腕が飛び出していた。そして、第三の腕がトソースを掴んでいる。
トソースは脱力して動けそうにない。
「それと黒羽。残念だがこの犯人は逮捕で落着することになった」
「そうか。なら用済みか。────漆黒に染まる異世界から緊急収集の手紙がきた。黒羽はここで帰らせてもらう」※厨二病
「分かった。好きにしろ」
七つある鞘の内、一つに刀をおさめた。もちろん、残り六つの鞘には刀は刺さっていない。
彼はそのまま空中を跳んで帰っていった。
ダイは掴んだ手からヒデを放す。
「さっさと運ぶぞ」
はい、分かりました。
そう言って、動けないトソースに錠をつけてパトカーに乗せた。
彼は肩に手をのせた。
「お前が殺生を止めたんだよな……。ありがとう」
思ってもいなかった言葉が飛んできた。
そのせいで何も言えずに立ち止まってしまった。
「あいつは獲物にしか目を向けていない猛獣だ。ルールで拘束しているが、ルールの範疇で認められたら喜んで獲物を狩りにいく。だから、もう目を瞑っていたがお前のお陰で無意味な殺生が止められて良かった。だが、ルールに則って殺生をしようとしたんだ。あいつもあいつで正しい……」
ルール────法や決まり事は好きではない。
必要ないとは思わないけど、それに縛られてはいけない。この世に例外など幾らでもある。
ルールに縛られない「自由」こそがこの世に必要なんだ。この世は未だに自由が束縛されている。
人は生まれながらにして優しい心、善の心を持っている。そこに社会がルールや道徳を押し付けてそれを正義とする。そこに自由はない。それは単なる檻の中の動物だ。真の幸せは生まれてこない。
自由によって真の幸せを持てば、多分皆がみな幸せを分かち合う世界になる。そんな世界こそが本物の「平和」だとヒデは思っている。
「ありがとうございます。俺の良心が体を動かしてました。例えルールで正しいとされていても。それは社会、日本の中での正しさですよね。俺は人として正しことをしたまでです。そう思ってます。俺は黒羽先輩の────」
「いや、いいんだ。お前はお前の信念があるからな。けど、それが全てではないんだ。何か正しいかなんて俺すら分からない。それだけは覚えていてくれ」
ダイはパトカーから離れていく。
背中越しで語ってきた。
「ま、ミドリがこなくて良かったよ。あいつはお前と真逆でルール第一主義だからな……」
へその緒が次元の穴へと代わりその穴が開く。そこから現れた腕が近くの支柱を掴んだ。
「俺は自力で帰る。後は任せた」
そう言って、第三の腕を使って空中を渡り歩く。
ヒデは敬礼をして見送った。
*
太陽が明るく照らす。
日差しに打たれながらその場を後にするのであった。
「まったく……。起こそうとしてもぜんっぜん起きないし。起きたかと思えば急に走り出したし。ほんとっ、司令部の心も……」
ルサは酔って気絶したヒデを起こそうと必死で頑張ってくれてたようだ。
そのことを知ってルサに申し訳ない気持ちと感謝の気持ちが湧き上がった。その言葉を伝えようと近づくと近くに何やら物が散らばっている。
バケツ。木刀。手持ち花火。ハンマー。
うん……。なるほど。
バケツで大量の水を被せたのだろう。それも溶けかけの氷が目に見える。木刀で思いっきり打ったのだろう。手持ち花火から放たれる火の粉を当てたのだろう。ハンマーで殴ったのだろう。
そういや身に覚えのない痛みと冷たさとヒリヒリとした感触がする。
さっきまでの気持ちが怒りに代わり始めた。
「ルサ……。もしかするけど、そこらへんに落ちてる道具って、俺が気絶してる時に……」
「うん。そのもしかするけど、であってると思う。これを使って……」
ヒデとルサの乱闘が始まった。
蹴りと蹴り、パンチとパンチがぶつかり合う。軽めな攻撃だが、そこには感情がこもっている。
車の中からトソースが、
「あのぅ。早く刑務所に連れてってくれませんか? いつまで待たされるんですか?」
と聞くまで喧嘩は続いていた。
そこでハッと仕事を思い出して車に乗り込む。
しかし、受難はまだ終わっていない。
「さあ、帰るよっ!」
運転手ルサの運転は……。
ルサのあまりにも乱暴すぎる運転によって、ヒデとトソースは死にかけたのであった────
人物紹介
《ミドリ・フローラ》②
能力:風妖精
属性:風
武器:リコーダー
戦闘:二匹の妖精を召喚して戦う。シルフとニンフ (説明は後々)。近距離戦ではリコーダーを使用する。鉄棒と同じ使い方。また衝撃波も繰り出せる。
災害:ハリケーン
秘話:本当は主人公の仲間──それも順番つけるなら4番目──の立ち位置だった。少年漫画ストーリーなのにミドリが主人公に選ばれた理由は意外性が欲しかったから。リコーダーを使って戦うという意外性で選んだ。
次話:19:00




