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26、橙炎の猛火

マリン「『韓国編』に行く前に話をおさらいしておきますわ」


〇ストーリー

韓火(ハンファ)グループの代表タンユンは韓国の大統領。その子どもがその後を継いでいる。従兄弟がヒデである。

・韓国で起きている事件。ヒデは叔父タンユンを止めることを決意して韓国に。

・ミドリとマリンが保険としてヒデと同行することに。


〇登場人物

《異災警察》

・岡田秀 (カンジョン ソンジュン) … メンバー

・ミドリ・フローラ … メンバー

・マリン・アクア … 仮メンバー

《蝋燭 (国民側) 》

・ノ ユヒョル … 指導者 前方指揮

・キム ムンス … 指導者 後方指揮

・キム キムル … 指導者 物資運搬等

《韓国政府》

・カンジョン タンユン … 大統領

・グ ラグウェル … 政府役員

・サイキッカー サンス … 政府役員

 ガラス越しには雲が見える。下を見下げると、緑色とその他の色で塗られた縮小された町が目に映る。

 機体は安定し、水色をかき分けて進む。

 私達は今、韓国に向かっている。



 仁川(いんちょん)空港────

 人々が疎らに歩いていく。ミドリ達はその一人であった。

「ミドリ、マリン。ここに行ってくれ」

 そう言って、メモを渡した。

 しかし、それは受け取れなかった。

「もしあんたの身に何かあったらどうすんの? 私は何かあれば引き返させる役目があるから」

「……分かった」

「ねぇ、わたくしはそこで寝ててよろしくって?」

「駄目よ。マリンは私達と一緒についてきて」

「イエッサー。リーダー」

 ヒデについて行く。

 目的地は青瓦台。ヒデの父はそこにいることが多いらしい。何やら大事な場所のようだ。

 ミドリは機械をつけた。翻訳機であり、話す方も聞く方も両方可能である。さっきまでヒデと運転手の会話がようやく耳に入ってきた。

 町の景色が移り代わっていく。

 運転手は目的地に至る前で止めた。

「はい。ここで降ろすよ。あんたら、タンユン大統領を止めにきたんだろ? ここから真っ直ぐ行って、三つ目の信号を右に、突き当たりを左に行ってみてくれ。きっと近道になるはずだ」

 そう言われてそこから降ろされた。

「武運を祈る。仲間達よ」

 言われた場所に向かっていく。

 その場所は賑やかな店の中だった。

「いらっしゃい。注文は?」

「青瓦台への近道があると聞いた。使わせてくれないか」

 しかし、その答えは沈黙だった。

 重い口を開いて別の場所に連れていかれた。

 部屋の中で椅子に座る。

「止めとけ。お前らにはまだ早い。命を無駄にするな」

「いや、行く。そのために遥々(はるばる)日本から来たんだ」

「そうか。実情を知らないからか。今この韓国がどうなってるか分かってるのか?」

 ヒデはさらにと答えた。

蝋燭(ろうそく)デモが毎日繰り広げられているんだろ?」

 店主はため息をつきながらキッチンへと入る。そこから、水とコップを持ってきた。

「ったく、やっぱり知らねぇのか。もう政府の暴走は止められなくなってるんだ」

 コップの中に水が注がれる。

 滑らかに波打つ。天井の光が差し込み、コップの中には七色のプリズムが作られていた。

「まあ政府は全力を上げて隠そうとしてるから仕方ねぇけどな。ここ最近は、国民の意志である蝋燭デモと政府は衝突してる。青瓦台は赤い血が流れてる危険な場所となった」

「何故、そんなことに」

「火蓋を切ったのは政府だ。政府が蝋燭デモの人々に手を上げたんだ。嘘の約束でデモの主犯を誘き出し殺害した」

 デモを主導する三人の男女。その男女宛に送られた政府の敗北を報せる手紙。諦めて人々の意志を尊重し、政権を譲ると書かれていた。三人は人々に報せる。そして、政府の元に手続きをしに行った。

 そこは青瓦台からは離れた場所。何故そこで行われるのかは疑問だったが、その時は疑うことをしなかった。

 それが罠だったとは────

 政府はリーダー格がいなければ総崩れになるとでも考えたのだろう。誘われて進む三人の灯火はそこで消されてしまった。

「それを機に蝋燭デモは過激となり武力行使も(いと)わなくなった。もちろん、それに対抗する政府も武力を用いる。今は「紛争」となっている。まあ、そのことが知られると不利になる政府は隠しているがな」

 聞かされた事実に震えていた。

 輝度を抑えられた電球が小さな影を作る。

「ありがとう。まさかそんなことになっているとはな……」

 三人はその場から離れた簡易ホテルへと泊まる。

 考えても考えてもため息が出るばかりだった。



*



 薄い雲が月を隠す。

 月の周りに広がる三色の広がる虹。その下で人々が眠っている。涼し気な風が誰もいないその下で吹いている。

 薄い黒に重なる黒。人型の影が投影されている。

 バレないように抜け出して、タクシーで目的地に近づくこと数十分。後は誰にも見つからないようゆっくりと進むのみ。

 抜き足差し足忍び足。

 警備員がいる。それに見つからないように死角からその動きを見定めていた。

 道に捨てられた空き缶を空高く投げる。

 暗闇がそれを隠していた。落ちた瞬間に、隠されたその存在は露呈される。音が響く。

 警備員がその音に向かって進む。その間にヒデは中に侵入していった。


 中にも警備員がいる。紛争中とあって、警備は通常よりも強いのだろう。

 暗闇に身を任して壁に隠れる。

 懐中電灯で照らされた光。その光の先には警備員がいる。見つかれば一発アウト。見つからないように息を潜めていた。

 建物の中をゆっくりと進んでいく。

 懐中電灯の光を避けて、警備の網を潜り抜けて目的の扉についた。

 鍵がついて開かない。

 小指をたてた。炎の針が鍵穴に入り、鍵穴のパズルをくっつけている。鍵は外れ扉の中へと入った。

 その中の部屋で隠れ場所となる箇所を探していく。

 見つけた隠れ場所に身を隠しその場で静かに瞳を閉じた。



 時間の感覚はない。

 周りには物や壁で囲まれている。何かの音。物の向こう側から聞こえる。視覚は役に立たないため聴覚に頼る。

 警備員だ。怪しい者がいるとして、怪しい人物を捜索しているのだろう。鍵が開けられていることに怪しいと感じたのだろう。

 しかし、何も見つけられず何事も無かったことにしてその場を去っていった。


 足音。

 続いて誰かが話している声が聞こえる。

 詳しい内容は分からない。耳を凝らしてみてようやく、断片的な内容が分かる程度だ。

 耳を凝らす。少しだけ野太い男性の声。

 七千人以上。ソウル。蝋燭。武器。

 聞こえたことを繋げていくと、蝋燭デモについて話されているのだろう。

 それに対する声。

 その声に聞き覚えがある。集中力が上昇し聞こえる量が増えていった。

 作戦。共倒れになる。蝋燭も政府も。全て。地位が手に。利益率。

 話を聞いていくうちに分かっていく。政府と蝋燭デモの衝突を煽ったもの達がいる。その人間が政府の中にもいるのだろう。その一人が、「サイキッカー・サンス」だった────

 思わず小さな声が溢れた。

 彼らが気づく。隠れ場所に攻撃が加えられた。

 物が破壊されて隠れる場所が消えた。その姿が部屋に(あらわ)となった。

 高貴な服装の二人の男。その内の一人は、やはりサンスだった。

 「捕らえよ」という言葉が放たれる。警備員が捕まえようと必死だった。

 警備員の網を抜けて逃げていく。

 捕まえようと飛び込んできたが、跳んで回避。息づく暇もなく走っていく。

 建物の中を走り回り外に向かって進んでいく。

「お前、ソンジュンか────」

 タンユンの横を通る。

 ゆっくりと話したかったがそんな余裕はなかった。後ろから捕まえようと逃げていくために通り過ぎることしか出来なかった。

 裏口から脱出し、自慢のスピードで逃げていく。


 上手く()けた。

 木に背もたれて、足りない酸素を勢いよく吸って吐いていく。

 目的とは全く違う結果となったが、それ以上の習得を得た。

 後ろめたい気持ちでケリをつけに行ったが、これで真正面から話していける。敵かもしれないと踏ん切りをつけていたグレーの心が白色に変わっていた。


「くっ、くっ、くっ、サイキッ、くっ。それで隠れたつもりか?」


 木を挟んで向こう側にはサンスがいた。

 不気味な笑みを浮かべている。

 彼の周りには白いB紙の紙が幾数にも舞っていた。



*



 ……ヒデの姿が見えない。

 とっくに人々が活動している頃。あまりにも音信不通だったので人のいないその部屋の中へ行ったらもぬけの殻だった。

 つまり、二人に内緒でどこかへ行ってしまったのだ。

 机の上に置かれている置きメモ。そこにヒデの行先を示す標が記されていた。

「全く私達のことも考えないで……」

 ミドリはヒデを危険な目から引き離す任務を持っている。もちろん、本人もそのことに強く理解を示していた。

「行きましょう。そこに」

 仕方なく青瓦台へと行くことになった。


 路地を埋め尽くす足の数々。

 人の波を掻き分けて前へと進むが全く進まない。服装をミスって空は飛べない。そもそも空は飛べない。ただ並に直接進む。

 ようやく人の波から外れた中間地点に来た。

 胸苦しくて暑苦しい空気を吸う。

 またすぐに人の波が待っている。呼吸をしてその波に入っていった。だが、マリンはその波に入る前に後ろから手が忍び寄っていた。

 肩に手が触れる。マリンの動きを止められた。

「あんた、見ない顔だね。無謀な事はやめときな」

 強面な顔立ち。高い身長。誰なのかもしれないため、少し恐怖を感じる。

 その後ろから連れが来る。

「参加しにきた訳じゃないですわ」

「なんだっていうんだい?」

「青瓦台に行きにきたんですわ」

「もっと危ないじゃないか」

 彼女の手がマリンの手に触れる。そして、近くの人の波に巻き込まれない場所へと移動した。


 壁にもたれて息を吐く。

 怒りの行列を見ながら、無表情のマリンを見ていた。

「あたしは蝋燭の指導者の一人ムンス。正直この活動は危険が伴っている。蝋燭の代表として言わせて貰うけど青瓦台には行くな」

 指導者は一人だけではないようだった。

 ムンスは「そもそも」と続けた。

「どうしてそこに行こうとしてるんだい?」

「仲間がそこへ行かれましたの……」

 そこで何かを閃いたかのようだった。

「もしかして早朝にそこへと侵入した犯人かも? その人の特徴を教えてくれ」

「ええ、いいですわよ」

 ヒデの特徴を述べていく。

 ムンスの頭の中で浮かべる侵入者と比べられていく。その比較では、ほとんどが合致していた。

「間違いないな。面白れぇ。お前ら、蝋燭の希望になるかもしれねぇわ」

 ムンスはマリンを拠点へと紹介していった。

 東へと向かって進んでいく。

人物紹介

〘閻魔〙②


能力:地獄の炎

属性:炎

武器:舌抜き棒

戦闘:海を赤くしたり、木を燃やしたり、舌を抜いたりして戦う。

災害:日照りによるオーバーヒート

秘話:元々の話では全く登場しないキャラだった。ただ単にマリンの前に現れて殺られるだけだった。この物語ではサタン同様出す予定はないさらさらない。



NEXT12:00

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