19、緊迫! 最も難関 異災面接
ミドリ「『前回のあらすじ』です」
ミドリ「この世界には人間以外に天使と悪魔がいます。悪魔は危険な存在で封印。しかし、裏では悪魔から生まれる利益求めてその封印をといてしまうかもしれない危険なことをしてる人もいるのです」
ダイ「だからこそ、異災警察は、そんな奴らを見つけて止めなければならない」
ミドリ「では始めていきましょう」
~19、緊迫! 最も難関 異災面接~
コラールが前に出る。
「紹介しよう。今日から異災警察を体験するマリン・アクアだ。この体験期間の間に仲間として認められれば正式に異災警察の仲間入りとなる」
端麗美人の女性は長い髪を靡かせた。
水の飛沫が飛び、彼女を美しくみさせる。
ヒデは手をあげて、
「いつの間にマリンさんを仮異災警察にする手続きがあったんですか? 俺ら知らなかったんでビックリです」
それを聞いて返す。
「まあ、そうだよな。虎眼の潜入捜査の時、ヒデとシーナとルサは一緒に、初日から名古屋で待機していたから」
カヤが久々に硬い口を開いた。
「待機組の私達が面接をしたんです。落とすか仮合格にするか決める面接を」
「マジか。カヤが面接官をやったのか。何かすげぇな」
「────ほんとに疲れました。もう二度と面接官になりたくない」
待機組を思い浮かべる。
カヤに……オパルと黒羽。
疲れた理由が分かった気がした。
「まず面接しにきたマリンさんは道に迷って遅れるし……。あの面接は最悪でした!」
コラールが聞く。
「そうなのか。どんな感じだったのか? その面接は……」
*
カヤはため息を飛ばす。
コラールに頼まれた仕事。それは待機組で面接官となって貰って異災警察入隊希望者の合否を判定して貰いたいと言うものだった。ただ、もし合格と思っても、仮合格として体験期間を設けることにした。
ダイとミドリは潜入捜査。
ヒデとシーナ、ルサ、コラールは捜査に対する待機。
残ったのはカヤとオパル、黒羽だった。
仕方なくこの三人で面接をすることになった。事前の打ち合わせはなし。オパルはいないし、黒羽は話に取り合ってくれないし。
面接当日はすぐにやってきた。
部屋の一角で机を並べ椅子を置く。そして、机には左から黒羽、オパル、カヤが座る。対面する所に椅子がある。そこにマリンという人がくるらしい。
履歴書を見る。
イギリスで産まれ日本で育つ。愛知県で暮らし、三年間は東京へ。現在二十七歳。
どう質問するかを考える。
無音の部屋の中。
時間は約束の時間となる。
けれども、定時刻なのに来ない。
イライラが募っていく。
無音の時間が多少の時間も長く感じさせる。
カリカリと机を叩く。その音を消し去る電話の音。隣の部屋の固定電話を握った。マリンからだった。
話を聞く。
迷ってここへと来れなかったようだ。その場所を聞く。そこから道案内をし始める。
再びその場所を聞く。
そこでの回答に対して思わず「はぁ」と垂らしていた。
最初に聞いた場所よりも、さらに遠くへと進んでいる。
仕方なくまた案内していくが、全く近づく気配がしない。方向音痴だと気づいた。
もう来なくていいよ、と言いたかったがカヤにはそんな大権はない。オパルや黒羽は不真面目すぎて聞こうにも聞けない。仕方なく、直接道案内することにした。
その場に待機させ、カヤが直接会いにいく。
そこから直接異災警察の場所へと連れてきた。
ようやく面接が行われる。
スーツに身を染めたマリンが椅子に座る。
対面するカヤたちが質問をし始める。
最初はオパルの質問からだ。
笑顔で質問する。受験者の緊張を解すのは面接官の手法の一つである。
ただ、質問は面接官として論外なものだった。
「ねぇねぇ、マリンは今何歳? 彼氏はいるの?」
カヤは絶句した。
馬鹿なの────?
何歳かは履歴書を見たから分かるだろう。
それと、面接関係ない私事の質問はするな!
「はい。二十七歳です。彼氏は三年前まではいましたが、今はいません」
答えんでよろしい。
オパルと横並ぶ面接官であることに恥を感じた。頬が赤くなる。
「へぇ、一個上かぁ~。歳上、俺の好みだよ。異災警察に入りたいんだよね? もちろん歓迎だ……」
カヤは思いっきり机を叩いた。
無音の部屋に強烈な音が響く。
知らず知らずのうちにオパルを睨んでいた。
「あ、ごめん。やっぱ今の聞かなかったことにして……」
続くは黒羽だ。
彼ならきちんと質問してくれるだろう。彼はオパルよりかは常識がある、はずだ。
マリンに質問をかける。
「波乱の世に咲く戦乱の猛者共の仲間入りしたい理由を聞かせてくれ」(※異災警察に入りたい理由を聞かせて下さい)
……。
…………。
ハッ、
と思い出す。黒羽は相当厨二病を拗らせている。厨二病の詞のせいで何を言っているのか分からない。
オパルは面接官としての自覚が足りないし、黒羽は厨二病で質問が分からない。
カヤしか真面目に取り合うことができない。
二人の分まで頑張ろうと心に決めた。
カヤが質問しようとした時にマリンが先に口をあける。
「はい。波乱の世に蔓延る闇を滅却するため、猛者の中に入りたいと思いました。以上です」(※悪い人々を懲らしめたいから異災警察に入りたいです)
え、答えるの?
いや、答えられるの?
もしや受験者マリンも厨二病。
「素晴らしい。これでこそ異災警察に相応しい逸材だ」
えっ、嘘でしょ────。このやり取りで何が分かったっていうの。
気を取り乱しかけた。
今度はカヤが質問する番だ。
呼吸を整えて質問を投げかける。
「履歴書に異災能力が二つあるというのはどういうことでしょうか? また、その能力で異災警察にどのように役立てると思いますか?」
淡々と答える。
「異災能力が二つあるというのは、能力が二つあるということです」
はい? つまり、どういうこと?
横から小さく言葉が飛ぶ。
「黒羽の兄者も二つの能力を持つ。何ら不思議ではない」
開きかけた口を閉じていた。
マリンのターンは続く。
「この能力で危険な犯人を……」
白を基調とした部屋の中。
小鳥の囀りをも遮断している。
そこでは彼女の声だけが反射する。
「バッタン、ドッカン、バキバキ、バッコーン、ドコドコ、ダグンダグン、シュキンシュキンと倒すことができます。以上です」
空いた口が戻らない。
擬音語が多すぎて伝わらない。
驚きで思考が止まっている間にオパルは彼女を返した。
静かになった部屋で待機組三人が話し合うことになった。カヤは苦言を呈する。
「駄目ですね。質問を十分にできませんでしたが、それでもマリンさんの是非が分かる程、酷かったですね」
そこに、オパルが提案をする。
「多数決でよくない?」
その案があれやこれやの内に通される。
そして、
「黒羽から言わせて貰うと合格だ」
「マリンちゃん、美しかったから合格~」
「いや、本当に合格させるんですか? 私は反対ですよ」
「多数決。二対一で合格に決定~」
一応、ここで合格しても実際には仮合格として異災警察の体験期間を設けることになっている。その期間中に異災警察の総意で最終的な合否を決める。
カヤの反対も無意味となる。
この面接でマリンは仮合格として異災警察に体験入りすることになった。
──
───
────
「大変だったな……」
「ええ。大変でしたよ」
マリンはもう異災警察の雰囲気に馴染んでいる。楽しそうに話している姿をカヤとコラールが遠くから見ていた。
コラールは用事のために席を離れた。
一人取り残されているのも何なので輪に入りに行った。
入りにいった所、マリンが言葉の槍を握る。
「あなたは確か、面接の日に道案内をした……」
面接日にマリンに会って道案内をした。帰りは道に迷ってもタクシーを見つけたため帰れたようだ。
彼女は脳の中を洗い流して思い出そうとする。
「……忘れましたわ」
「カヤよ。天野佳耶」
「そう言えば、異災警察の司令部でしたよね」
そして、なら、と置いた。
少しの空白の後に言葉が飛ぶ。
ついに言葉の槍が飛んできた。
「そうね。あなたのことはこれから「召使い」と呼びます。よろしくです。め・し・つ・か・い さん」
「は?」
カヤの堪忍袋の緒が切れた。
「聞き捨てならないよね。司令部は召使いでも何でもないし」
「けど、見た目的にも召使いが似合ってますわ」
二回目のブチ切れ。
「殺すよ?」
優しく微笑むことを心掛けながら、心の中では怒りで充満している。
「物騒ですわね。助言いたしますけど、やめた方がよろしいですわよ」
「そうね。それに私のキャラ的にも合わないしね。やるなら殺さずにジワジワと痛みつけるから」
笑顔で周りをゾッとさせる。
静かになってしまった雰囲気の中、一人の男が部屋に入ってきた。
重々しい空気が柔らかい空気へと変わっていく。
美女の次は美男。
優しげな表情と、爽やかな雰囲気が空気を変える。
「アクアさん。無事に着けたんだね。ここに来るまでも相当迷ってたから、建物の中でも迷って着いていないのかと不安だったけど、安心したよ」
和服。清楚な袴。短いオレンジ系の髪。優しい表情。
黒羽が敏感に反応した。
「久しぶりだ。兄者よ」
彼の名は黒羽アケト。
黒羽カルサの兄である。
人物紹介
《木更津 大》②
能力:魔の手
属性:地
武器:────
戦闘:伸縮自在、自由自在な魔の手を操って敵を攻撃する。魔の手は分身したり刃のように鋭くなったりする。足の一部として扱う。
災害:地割れ
秘話:マトリョーシカ人間《俺》のキャラを使おうと思って仲間入りさせた。物語の途中で足を失い、右足の代わりを魔の手にしているのは最初から決まっていたことだった。
次は11:00です




