18、雷と炎の幕間
ダイ「『前回のあらすじ』だ」
ミドリ「ついに虎眼編終わりましたね」
ダイ「勝利の余韻に浸るのは今のうちだ。この話からはまた険しい日常が待っている」
ミドリ「しかし、今回の内容は難しいようで」
ダイ「まあ伏線回収と伏線置きをしてたら情報量が多くなった。ただ、適当に読めばすぐ読めるからそれは読者の自由だ」
ダイ「それでは始めるぞ」
~18、雷と炎の幕間~
真っ黒に染まった海。荒れ狂う中で一つの悪魔の肉片が島に向かって噛み付く。動物は逃げ惑う。人間は武器を取って攻撃するが、毒も機関銃も何一つ効かない。それは無敵だと思うしかない存在であった。
その日、悪魔の肉片によって一つの島国が壊滅した。
数日前に遡るが……
そこから遠く離れた大陸では悪魔が蛇を召喚していた。山と同じ大きさの大蛇が街を飲み込んでいく。這いずり回るだけで家は壊れ人間を含め生物は死んでいく。
悪魔によって一つの大国が壊滅した。
そこには崩壊した土地と落ちた真っ黒い羽だけが残っていた。
*
コラールは建築されていく建物を眺めていた。
横で愛知県警の人が喋る。
「異災警察第四期生念願の国内展開ももう少しだな」
「ああ、ダイ達が潜入捜査している一週間、ここで待機してみて思ったが、ここなら上級の第七期生が望めそうだ」
「楽しみだ」
「まあ、完成する前に第六期生がどれだけ活躍できるかどうか」
コラール、ヒデ、シーナ、ルサはダイたちが潜入捜査している間、建築中の名古屋支部で待機していた。六日目にして連絡が入りすぐさま虎眼へと出撃した。
その連絡は何と一般人が命をかけて行ったことだったようだ。
今も彼らの賞賛を称えるため一人一人賞状を上げている。
コラールは遠くを見つめた。
もうヒデらは帰った頃だろう。と耽った。
*
病院内、ダイがトーンに話しかける。
独特な静けさと重々しい雰囲気の中、淡々と声を出す。
「聞きたいんだが、お前が虎眼に捕まっている時にこちら側の作戦のことを吐いたのか?」
トーンは首を横に捻った。
「どういうこと? 僕は何にも言ってないし……聞かれてない」
「おかしいな。それだと何故彼らは俺らの作戦を知っていたんだ」
深刻な表情を浮かべる。
一方トーンは「やはり」といった表情だった。
今度はトーンの番。
トーンは怒りと徒労感が重なりあった声色で話す。
「そういうことか。異災警察の作戦が漏れていたんだ。撤収際に見つけたんだけどね」
「大きな情報?」
「虎眼が悪魔の肉片を所持していたこともさながら、虎眼と早田泡琉は繋がっていた。社長の新田とアワルが電話をしていた可能性が高い」
ダイは思わず「なんだとっ」と声を荒らげていた。
声を出した後にここが病院だと気づく。ハッと意識が戻り、平穏を保つ。
「アワルを追っていて見つけた裏番号の一つと通信記録にあった裏番号が一致する。それも時間は僕達が侵入捜査をし始めた頃。たまたまとは思いにくいんだ」
「ああ、こうなってくるとあの時の懸念が現実的になってきたな」
「そうだね。シロナさんが亡くなったあの事件で持ち上がった懸念」
二人の小さく放っている声はシンクロした。
「「(異災警察の内部に情報を流してしている) 裏切り者がいる」」
二人の顔は重くなっていく。
「僕の予想だけど、アワルは悪魔の肉片と関連があると思う」
「ああ、その可能性は高い」
「そして、裏の顔でもありそうだ。そこで、異災警察の誰かと繋がっているかもしれない」
アワルは裏で悪と繋がる。違法である悪魔の肉片をも所持している可能性もある。そして、異災警察の誰かと繋がっている。
アワルによって三人の仲間の命が奪われ、一人が常に病床につくようになった。その内の一人はトーンと血が通った姉であった。
トーンもダイもそこには見えないアワルを睨んでいた。
荘厳な雰囲気でダイがトーンの方を向いた。
「今回の事で分かったことをまとめようまずは虎眼が壁を作って従業員の自由を奪っていたこと。悪魔の肉片を不法所持して、それによる装置を持っていたこと」
「次にアワルが関わっていたこと。仲間の中に裏切り者がいること。そして……」
ダイは社長室に白い羽が落ちていたことを思い出した。その羽が落ちていることは問題であったのだ。
「天使族が関わっていたこと……だな」
*
朝焼けが美しい。
朝早く異災警察は騒がしくなっていた。テレビが堂々と胸を張る。
コラール曰く、虎眼の事件が報道されるらしい。異災警察の関わった事件であり目が離せなかった。
「いよいよ……ですよ」
テレビの中にいるアナウンサー達。彼らはこちら側から見えない原稿を読み上げる。
『えー、次のニュースです。二日前……』
映像は虎眼の壁を映す。
その映像のままアナウンサーが声を重ねる。
『どこかで何かがありました。現状、その何かは集結したようです。次のニュースに参ります』
異災警察は「雑」と驚きの声をあげていた。
その後にマジかよ、との声が出る。当たり前なことを当たり前に読み上げているのだ。驚くのも当然だ。
落胆して解散の空気へと変わった。
つけっぱなしのテレビからは続くニュースが流れる。その内容は衝撃的なものだった。
『速報が入りました。太平洋に出現した獄魚と呼ばれる悪魔の肉片がパプアニューギニアを滅ぼしました。獄魚が滅ぼした国はこれで七件目となります。この獄魚は南へと降りていき、オーストラリアやニュージーランドの方角へと進んでいく所が確認されました』
そのニュースを見て心が締まっていく。
「また悪魔の肉片の被害か……」
「もうこちら側の認識では悪魔の肉片ではなく悪魔だ。軍事力がいくらあれど、敵として勝つことは出来なかろう。食い止めれたならそれで十分なぐらいだ」
「そうですね。今回も虎眼で悪魔の肉片の違法所持がありましたけど、誰一人としてその行為を止めさせなければ、と思います」
ニュースは続く。
『また、昨日カナダを襲った大蛇が消えました。襲われたカナダは焼け焦げた瓦礫の山が残され、国としての機能が崩壊しました。都市部の外れに黒い羽根が落ちていたため悪魔"ルシファー"の仕業だと考えられています』
さっき強く結んだ決意をさらに強く結ぶ。もう結べなくても結ぼうとする。
「またルシファーか。我々は被害をこれ以上拡大させないためにも、これ以上の悪魔の復活を避けなければ……」
悪魔。
獄魚やルシファーによる被害は数えきれない。
異災警察としてやれることは平和のためにこれ以上の悪夢となる存在を生み出さないこと。そのために悪魔の封印を維持すること。
『さて、今週の天気を確認しましょう……』
ニュース内容が変わった。
コラールはリモコンに触れてテレビを消した。
相変わらずの異災警察の中。
そこに一人の女性がやってきた。
背は高め。知的な風貌。艶やかな黒髪ロング。大人しそうな見た目であった。
「こんにちは。今日から異災警察の仮メンバーのマリン・アクアです。よろしくお願いします」
ヒデ、ルサ、シーナは驚いた表情を浮かべていた。
新入りが入ることを聞いていなかったのだ。
その一瞬、異災警察の中が静かになった。
人物紹介
《木更津 大》①
身長:176cm
性別:男
年齢:36歳
髪色:茶色
所属:異災警察 (5期生)
趣味:読書、将棋
特技:スポーツ全般
特徴:右足が魔の手。頼れる兄貴的存在で、ミドリたちの異災警察としての道しるべとなる存在。
信念:異災警察への恩返し
いし:ダイオプサイト (道しるべ)
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