表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/68

1条2丁目-11

 [side-AOKI]


「サッキーバイバイ!ノシ」

 高島さんが手を振ってるけど、どう反応したらいいのか分かんなかった。ごめんね高島さん。


 1丁目線北行・1条線東行直通、1条101丁目方面行。別名、外郭線外回り。この前高島さんに教えてもらったルートで帰宅する。


 入学式のときの挨拶。高島さんは、絶対覚えてるよね。

 あのとき私は、「八幡高校出身、青木さくらです」って言ったよね。


 本郷市立八幡高校。去年6月まで、私が在籍してた高校。

 でも、実際に通ってたのは、1日だけなんだ。


「卒業するまで、しゃっぽーしようね」


 高校入学初日、上洲中学校前のバス停。私とこーやんは、そう約束した。


 「しゃっぽー」は、私とこーやんが使っていた挨拶。「やっほー」を適当にもじってたら、なんかそうなった。

 他の同級生は全然使ってくれなかったけど、こーやんだけはなぜか気に入って、2人だけの挨拶として定着した。

 それ以来毎日……ではないけど、学校で会ったとき、家に遊びに来たとき、路上ですれ違ったとき。とにかく私とこーやんが挨拶するときは、状況に関係なくしゃっぽーだった。


 こーやんと同じ学校に通うことが決まって、私は嬉しかった。

 こーやん以外に友達がいなかったから、友達がいる学校に通えるのが嬉しかった。


「卒業するまで、しゃっぽーしようね」

 あれは、卒業するまで一緒に通学しようねって意味じゃなくて。

 卒業するまで、ずっと私の友達でいてねっていう意味だったんだ。


 入学初日に、こーやんが桐畑さんという友達を作っちゃって。

 私のことは、もはや友達だと思ってなくて。


 何もかもが嫌になって、私は八高を退学した。


 その後こーやんがどんな風に過ごしてるか、私は知らない。

 別に知らなくても、生きていけるから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ