表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/68

1条2丁目-1

1条2丁目 周縁世界の思い出


 [side-AOKI]


 4月22日、日曜日。

 今年度2回目の新友会。

 高島さん達にとっては、新メンバーが加入して2回目。

 私にとっては、新しい世界に飛び込んでから2回目。


 1丁目線南行。外郭線内回りっていう言い方もある。

 12時38分。私を乗せた電車が、定刻通り24条1丁目に着くと、西行の白いポールから高島さんが走ってきた。

「サッキーしゃっぽー」

 いつの間にか私に付いていたあだ名は「サッキー」。さくらんじゃなくて良かった……って思ってたんだけど、その後の挨拶がちょっと。

 しゃっぽーって、私とこーやんが使ってた挨拶だよね。なんで高島さんが……?

「サッキーどしたの?」

 あ、ごめん何でもない。先行ってていいよ。

「分かった……ごめんね」

 なぜか顔を俯けて、走っていってしまった。何か悪いことしちゃったのかな……?


 そこまで考えて、「あれ?」って思った。

 大野くんは一緒じゃないの?高島さんと大野くん、いつも一緒なのに……。

 高島さんが降りた白いポールは、地上線トンネルの中。トンネルの先は、地上世界。

 何か嫌な予感がして、私は高島さんを追いかけて走っていった。


 高島さん!

「サッキー?」

 大野くんはいないの?

「おおのん?」

 高島さんは周りを見回して、

「そういえばいないね……」

 今気づいたみたいな顔だね。一緒じゃなかったの?

「乗ったときは一緒だったんだけど……」

 乗ったとき一緒だったのに、なんで途中ではぐれるんだろう……。

「あ、多分降りたときじゃない?ちょっと居眠りしてたし」

 高島さんの話だと、大野くんは立ったままうとうとしてて、終点に着いてもそのまんまだったらしい。24条線は新本郷で一番混んでる路線。高島さんも気づかないまま降りちゃったんだって。

 24条1丁目だから、普通なら折り返して24条線101丁目行になる。そのときに運転手さんが気づいて起こしてくれるんだけど、

 もし高島さん達が乗った電車が、24条1丁目止まりじゃなくて、地上線直通の桜十字路(さくらじゅうじろ)行だったら……。

 大野くんは今、地上世界にいるかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ