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神様はそこにいる  作者: 村崎羯諦
第一章
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そして日常へ

 霧島神社に存在する神力は、霧島家が守り続けてきたもので、特別な時以外には常に封印がされているらしい。その封印は代々受け継がれてきたもので、なんでも霧島家の血を継ぐ者にしか解くことのできないという。

 では、なぜ今回その封印が解かれたのかというと、それには霧島由香が関係していた。

 少し前から由香は霧江さんに神社の大掃除を頼まれており、ちょうど三日前にも掃除に勤しんでいた。その掃除中、由香は倉庫にあった神力の封印に必要な何かを偶然動かしてしまい、それによって封印が解かれてしまったというのだ。

 封印を解かれた神力は、封印中になされた過去の願い事を遡及的に探知し、その中で実現可能であるもの、すなわち魔力を持っている人間によってなされた願い事のみを選択、実現させた。その中には俺の中学時代の願い事が含まれていており、由香がその大事な何かを動かした瞬間、願い事が実行に移され、その結果としてウリエルが俺のもとに現れたということらしい。

 しかし、それならば封印が解かれた瞬間、他の霧島神社に参拝した人々の願い事だって叶えられたということにならないか。

 そうウリエルに聞くと、そもそも魔力を持つ人間はなかなかおらず、そのようなことは滅多に起こらないだろうとのことだ。その上、神社への願い事など、極めて抽象的な願い事、あるいは期間が限定されていることが多い。例えば、今年一年何かいいことがありますように、とか。今年の大学受験に合格しますように、とか。その場合、願い事そのものが実現不可能だし、実現したとしても、まさかそれが神力のおかげだとは思わないだろう。そういう理由で、町に混乱が起きずに済んだのだだろうとウリエルは説明した。


 あとウリエルについてだが、結局あの後も荷物は見つからなかった。

 しかし、神社の住み込みのバイトという形で今後も霧島家に住まわせてくれることになったらしい。つまり、今後も神力の研究のため町に留まるということだ。霧江さんもそのことを喜んで承諾した。霧江さんが異常なほどにウリエルを気に入っていることと、おそらく牧場への警戒がその理由だろう。

 そう言えば、どうしてウリエルが神力について詳しく知っていたのか、そして、何の目的で神力を探しているのかはまだ聞けていない。今後も町にいるのだから、それもいつの日か教えてくれるかもしれない。

 牧場は去り際、また近いうちに会いましょうと言った。そして、神力を決して諦めはしないということも。きっと、牧場風太郎は再び現れるのだろう。あの得体のしれない笑みを浮かべながら。

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