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異世界クラス転移もの(練習用):休載  作者: エンゼルケーキ
2/2

合流

Q.練習なのに期間空きすぎじゃない?

A.推敲のせいです。悪魔が囁くんです。「この文章は醜いからダメ―!」

 月は、暗闇に微睡む意識を徐々に覚醒させる。頭を振りつつ意識を明瞭とさせて、上体を起き上がらせた。

 ――気持ちが悪い。身体に負担が掛かり過ぎだ。

 心の裡で、超常現象による空間の移動に悪態を吐く。心地悪さが不機嫌に拍車を掛けるが、深呼吸を繰り返して気分を落ち着かせる。同時に、現在の状況を確認した。

 この周辺は、樹々が生茂った場所だった。時折聴こえる鳥の囀ずりと、若葉の隙間を潜り抜けた陽射しが穏やかな森を演出する。


「森だな」


 素朴な感想だが、的確な言葉の表現だった。月の眼前には、大多数の人間が想像する創作物に登場するような森が広がっていた。

 ※ここ編集箇所(森の説明。正しい表現。主人公の感覚。)動植物が生息地に利用するに最適な環境なのだと、豊富な大自然が月の感覚に訴え掛けるほどだ。※


「神様って奴は、僕にサバイバルでもさせたいのか?」


 呆れ果てた様子で、神に疑問を投げ掛ける。これが、精一杯の現実逃避だった。だが、現実逃避だけに留まらず、現状を打開する意思を胸に抱く。

 月は、所持品の確認を始めた。制服のポケットに入れたままの携帯電話や財布を取り出す。

 携帯電話の充電は満タンだ。液晶画面には圏外が表示され、通話等の送受信機能が使用不能なのは一目瞭然だが、光源や時計の役割を持たせることは可能だった。

 財布には、数枚の絆創膏が入っていただけで、他に利用価値を見出せた物は特に無い。

 最後に、肌身離さず握り締めていた一振りの刀剣が、所持品の全てだった。


「九時半か」


 時間を確認した後に、すぐ携帯電話の電源を切る。充電バッテリーの節約を意識した行動だ。

 ――次の行動は何が最優先だ。水や食料の確保になるのか? いや、他の生徒達を探すのも必要かもしれない。

 月は、思惟に時間を割く。無駄な行動は極力避け、体力の温存を努めるために、自分の知識にある遭難時の対処法を思い出していた。


「おーい!! 誰かいないかー!!」

「みんなお願い、返事をしてー!!」


 他者を呼び掛ける人達の声が、森の中で大きく響く。


「他の生徒達か!? ――おーい、僕はここだ!!」


 神が強制的に移動させた聖祇の生徒達の声だと、月は咄嗟に判断を下す。呼び掛けに応えて、自分の居場所を叫び伝えた。

 孤独からの脱却に加え、仲間を得られる安心感が心を満たす。自然と表情に笑みが滲み出た。

 相手側の生徒達と接触するのに、時間は要さなかった。樹々を幾つか通り越した時点で、双方の姿が確認できる距離にまで近づいていたのだった。


「よかった、まだ近くに聖祇の生徒がいたんだな!」


 男子生徒が歓喜の声を上げて、月に駆け寄った。彼の背後からも次々と他の生徒達が姿を現す。

 聖祇の制服を着た男女が合計で七人。あの教室にいた生徒達の半数すら満たない人数だ。


「キミの名前は、確か――」

「神無くんだ! 神無月くんだよ、じゅんくん」


 男子生徒が月の名前を記憶から手繰り寄せる前に、女子生徒が横から助け船を出した。


「神無か。悪いね、まだクラス全員の顔と名前を覚えきれてないんだ」

「いや、僕もだ。――ごめん、名前を教えて貰っていいかな?」

「ああ、俺は水瀬みなせじゅんだ」


 水瀬潤、彼の第一印象は正に誠実な好青年だ。この緊急の事態に他の生徒達を纏めつつも自身が集団の先陣を切る積極性かつ行動力には、彼が持つ勇敢さと主導者リーダー的な資質を感じざるを得ない。


「私は、鈴宮いのりだよ。よろしくね、神無くん!」


 水瀬の隣の女子生徒も続けて自己紹介を始めた。

 鈴宮いのり、彼女は友好的な態度で無邪気な笑顔を振り撒き、天真爛漫な性格を表立たせている。この不可解な状況下で悲観的にならず快活性を表現出来るのは、彼女の強靭な精神力が齎すものなのか、ただ能天気な性格的問題なのかは判然とせずにいた。


「おい、自己紹介を先にする必要なんか無いだろ。先に、ソイツにも今の状況の確認を取ろうぜ」


 茶色の頭髪を持つ男子生徒は、自己紹介の流れを無理矢理に断ち切る。彼の風貌は、吊り目が印象的で身嗜みの締まりが無く、不良少年を彷彿とさせる様相だった。


「そうだね、優先順位を間違えちゃいけないか」


 水瀬は、自身を嗜めるように呟く。


「神無、確認したいことがある。俺達は、この辺鄙な場所へ移動させられた訳だが――あの教室で光に飲み込まれたことは覚えているか?」


 月は頷き、首を縦に振って肯定の意を表す。


「ここからが問題なんだが――」


 水瀬は真剣な表情で、自身の腰に手を回して二丁の拳銃を取り出した。映像資料などで見た覚えのある黒塗りのシンプルな拳銃とは違い、煌びやかな装飾や刻印が施された拳銃だった。


「この場の全員が意識を失くした後に、夢か何かで神様を自称する奴と会話をした。証拠に、夢のなかで手渡された武器や道具を俺達は持ったままでいる」


 水瀬は月が握り締める刀を見据えて、続けさまに質問を繰り出す。


「神無は、この状況に関する何らかの情報を夢のなかで話さなかったか?」


 水瀬は僅かな情報をも必要として、事態の好転に繋がる何かを欲しているようだった。当然、月は協力を惜しむこと無く、彼に知る限りの情報の提供を始めた。


「僕が知ることは、ここが箱庭と呼ばれる場所ってことぐらいだ。ただ、僕達が元の場所へ帰るための条件を訊いた。神様を自称する奴を満足させる必要があるらしい」

「箱庭か、全員が夢のなかで聞き覚えていたものだ。――ということは、ここは隔離された小さな場所なのか? 元の場所へ帰るには神様を満足させる必要がある。――これが俺達の行動に関係するのならば、今も何処かから監視され続けているかもしれないな」


 口許に手を添え、神妙な面持ちで水瀬は思考を煮詰めていた。

 想像や空想上の神様が実在するのを前提として会話を進めるが、誰も彼も異議を唱えることはなかった。聖祇の生徒達は超常現象を経て、日常から異常へと変貌した現在いまに至る。これまでの現象を人間の物差しで推量るには、想像や空想上の産物に頼る他無かった。


「いや、今は他の生徒達を捜すのが先決だ。皆、他の生徒達の捜索を続けよう! 運が良ければ、森を抜ける道も見つかるはずだ」


 当初の行動指針を思い出したのか、水瀬は思考を中断して元の目的的行動に移る決断を下した。


「そそっ、みんなが集まれば怖いものなしだもんね! 森なんかピューって抜けれちゃうよ」


 鈴宮は水瀬に賛同の声を上げつつ意気揚々とする。

 他の生徒達は水瀬の行動指針に対して意見はしなかった。聖祇の生徒達の捜索や行動方針に関しては、既に相談を終えて決めていたことなのだろう。


「神無も、構わないか?」

「ああ、もちろんだ」


 月の了承も得て、聖祇の生徒達は森を突き進むことを始めた。時折、周辺への確認も怠らずに他者を呼び掛けつつ歩みを進める。森の道無き道行く合間に、月は自己紹介の続きを残りの生徒達と交わしもした。



登場人物たちが気持ちを整理する描写も無く事態を容認して、冷静に次の行動へ移る速度が異常に早過ぎて不自然だ。との意見を頂戴しました。

すみません、完全に技量不足です。今後は、細心の注意を払って人間性を表現していきたいです。

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