パート7 『私の知らない未来人。』
「とまぁ、そういうところだ」
「は、はぁ…良くわからない事もありましたけど、とりあえず未来の私がやっぱりあの子とあってたんですね」
「そういう事だ」
「えー!? 雨音って未来から来たの!?」
「え”違うよ話聞いてなかったの?」
いつも通り元気な間違いをしてくれる。
それはそれで何となく安心する気もする。
「そういえば、その子は今どこに?」
「今医務室にいる、練習する前にあってくるか?」
「はい、そうしますね」
「医務室はここを出てから左手にあるから勝手に行っててくれ」
雨音は部屋から出て医務室へと向かう。
医務室へ入ると少女が一人。私にとってこれが二回目の邂逅。
少女にとっては何度目の邂逅なんだろうか。
「あ、えっと……こんにちは?」
「…………こんにちは」
少女は細い声で答える。
それは今にも消えそうな声だった。
「えっと……」
「雨音……だよね?」
当たり前のはずの質問に雨音は驚く。
それもそうだ、あって二回目。自己紹介もしていない少女に名前を言い当てられる。
やはり会っていた、ようやく理解した。
「そうだよ、貴女は?」
「Sophiaです。そういえば始めまして……なのかな?」
「うん、そうだね…初めましてだね」
ぎこちない笑みを浮かべる。
ソフィアは私の事を知ってる。けど私はソフィアの事は知らない。
それがどこかもどかしい。
「ふふ、このやり取りも何度目分からないわね」
ソフィアが何か呟いた。
それを雨音が聞き取ることは出来なかった。
「え? なになに?」
「うぅん、なんでもない」
「そういえばソフィアは未来の私を知ってるみたいだけど……どうだったかな」
「……そうだね、今よりしっかりしててちょっとは大人っぽくなってた、かな」
「そっか、良かった。ソフィアちゃんとは仲良くやってたのかな?」
「…………うん。良くしてくれてたよ」
少しソフィアの顔が曇った。
それは一瞬で雨音が気づくよりも前に普通の表情へと戻る。
その未来に何があるかは定かではないが。
「そっかー」
何となく安心できる感じがする。雨音はそう思った。
こうやって話すのは初めてだがとことなく初めてな感じがしない。
「ほら、雨音よ。練習を始めるぞ。凛が待ってる」
痺れを切らせたのか咲が入ってくる。
「はーい! 行ってくるね、ソフィアちゃん」
「行ってらっしゃい、頑張ってね」
挨拶を交わし雨音は初めての魔法の練習へと向かった。
―この出会いは、世界を揺るがせる。
こんな作品のページを開いていただき幸いです。
文系を先行していたわけでもなく書いてみた作品なので文字力は無いです…
そんなのでもよければ何かアドバイス等いただけると幸いです。
それでは、また。