パート6 『謎の少女?』
ジリリリリリリ
いつも通り煩い目覚ましの音に起こされる。なんだかそれだけでも安心する気がする。
何事もなく次の日の朝を迎えられたことにここまで安堵したことは無いと思いつつ、
昨日の出来事をはっきりと覚えており、現実だったんだとようやく脳が理解した。
「ふあ…ぁぁ」
顔を洗って朝食を食事をとり、学校へと向かう。
その途中、ふと振り返る。
昨日の場所、魔法を使った場所。
今では昨日の騒動なかったかのようにいつも通りの様相をしている。
「おはよー雨音!」
「おはよう、凛」
いつもの朝の挨拶。
登校しているといつもの仲の良い面子がぞろぞろと揃う。
そうやって一日が過ぎていく。
「(そういえば特訓?練習?とかっていつやるんだろ、凛知ってるかな?)」
昼休みになってぼーっとしてる間にふと疑問が浮かんだ。
特訓するといってもどういった事をするのか、全く想像がつかない。
「ねぇねぇ凛」
ちょんちょんと肩を叩いて机に伏して寝ている凛を起こそうとする。
しかしなかなか起きそうにない…
「んぁ…あと3時間…」
「3時間後ってもう学校終わってるよ!?」
ゆさゆさと強く揺さぶる。
「んー、何さ雨音ぇ……今日の練習きつくするよぉ…?」
目をごしごししながら半分寝てるんじゃないかという状況で話し出す。
こういう時イルカっていいよね…半分脳を寝かせてても泳げるんだもの、何て考えは無粋かと頭を振り答える。
「えぇ! きつくしないで! ってか、今日から練習あるの?」
半分寝ていることにツッコミを入れつつ、ぽろりと零れそうになった重要な情報を拾い上げて質問で返す。
「あれ、言ってなかったっけ?」
寝ぼけ目を擦る。
この子はまだ起きないのか目が回るくらい揺さぶってやろうか、なんて悪い考えが過る。
「言ってない言ってない、聞いてない」
「そっかごめんごめん、今日の放課後にあの研究室まで案内するよ。そこで練習しよっか!」
「あいはいー、分かったよー…というか具体的にどういうことするの?」
「んー…」
といったところで少し声を潜める。
「簡単に言えばまずは魔法の流れを制御できるようにするところかな」
「な、なるほど…」
簡単と言われたところからなんとなくしか理解できない。
魔法使いや魔法少女から見たら初歩の初歩なんだろうなぁとしか。
それでも練習しないと危ない力を知らない間に使ってしまう事があるみたいだし、
それはいやだから練習しなきゃ。という気持ちはある。
「ま、まぁ、私に出来る範囲で頑張ってみるよ」
そういって時間は過ぎていく。
~時間は過ぎて放課後~
いつもの調子でわいわいと話しながら帰っていく中で雨音は一人どこか落ち着かない表情をしていた。
「なーにそわそわしてるんだい! ほら、行くよ!」
「あ、うん…行こう行こう」
そのまま半分連れていかれるように研究室に向かった。
その途中で凛は最初どうだったのかな、なんて考えたり。
そう考えたら戦う事を決めて…
凛の事を頼れるかな、とか…少し格好良く思えた。
「やぁ、来たね二人とも。待ってたよ」
机に向かったまま咲は私達を出迎えた。
そのまとめている資料を見ると今日の練習項目などが書いてあるのが見て取れる。
本当に今日から練習をするらしい。
「えっと、今日から練習するんですよね?」
「そのつもりだ、体調のほうは悪くないかな?」
「はい。大丈夫です!」
「そうか、なら良かった。まずは魔法についての知識からだが…その前に君と居た少女についてだ」
そう言った咲の表情は少し真剣なものをしていた。
「あの子の話ですか…?」
それからの話はこうだった。
あの少女には魔法についての知識がある。
それは少量なのではなく、今いる魔法使いの中でも膨大な知識を持っていること。
さらに、少女の体には強力な魔法元になる魔術印が刻まれていたこと。
しかし、少女自身は魔法を行使することは出来ないこと。
そして最も重要な点。
―ここから未来の時間から来たこと。そしてその未来で雨音と出会っていたこと。
こんな作品のページを開いていただき幸いです。
文系を先行していたわけでもなく書いてみた作品なので文字力は無いです…
そんなのでもよければ何かアドバイス等いただけると幸いです。
それでは、また。