パート2 『初めての魔法。』
「えっ…え…!?」
「何故…ここには一般人は入れないはず…」
ローブの人型は動きを止め雨音を見据える。
「…!」
何かに気づいたのか、慌てた様に魔法を詠唱し…そして、
—雨音に放った。
「危ない!」
青髪の少女が気づいて雨音に危機を伝える。しかしその言葉は届くことはない。すでに直撃し、濛々と煙は立ち込め、辺りは瓦礫片が散乱していた。
「…あ…え…?」
普通の人間なら肉片も残らず消し飛んでいた筈の魔法波。しかし、そこには光の膜に包まれ、無傷で立っている雨音の姿があった。
「何…これ、何、この力……うっ!」
雨音の脳内に一つの言葉が紡がれる。
『少女を救え』と。
「え……、救…え…?」
「雨音ッ!これを!」
青髪の少女は一つの赤色の宝石を雨音に投げ渡す。
「えっ!?」
「それを割って魔法を行使するの!」
自分にも何を言われてるか分からない。魔法?行使?よくわからないものだが…体は勝手に動いた。
手元で赤色の宝石を割り、そこから流れ込んでくる魔力を元に魔法陣を展開する。それはさながらアニメの世界で見た魔女の大魔法。キラキラとした黄色の蝶がひらひらと舞い、一人の魔法使いの覚醒に賞賛する。
「はぁっ!」
どこからか湧き上がってくる力を頼りに空間を拡大し自らの力で拡散する。それは他の者を圧倒する力だった。
「何この力っ…やっぱり…」
ローブを着た人物はそう呟くとそれ以上はなにも言わずに立ち去った。
雨音も自分にも理解できない様な力を行使した代償か立つ事すら儘ならないといった感じでその場に伏した。
「ありがとう、雨音…やっぱり君は… 」
そこで雨音の意識は途切れた。
こんな作品のページを開いていただき幸いです。
文系を先行していたわけでもなく書いてみた作品なので文字力は無いです…
そんなのでもよければ何かアドバイス等いただけると幸いです。
それでは、また。