プロローグ『終わりの始まり。』
「いやっ……収まって…お願いッ!」
荒廃した町。 砂塵は舞い、ガラス片は飛び散り、恰も戦場の様相をした町に一人、青髪の少女は苦悶の声を上げていた。体を縮め、体を振るわせ、苦痛の表情をする。
「お願い……お願いっ…だからぁ」
願いは届かない。
そこに一人の銀髪の少女が光の無い目で声を掛ける。
「見つけた。あんまり逃げないでよ…殺せないでしょ」
青髪の少女の首を掴み、そのまま締め付ける。殺すことに一遍の躊躇も感じさせない。
「貴女が居なければここも闇に消えることはなかったの。貴女が死ぬのは悲しい事よ?」
でもね、と一言。
「貴女が死ねばもっと多くの人は救われて、誰も死なない世界が出来上がるって…」
『素敵じゃない?』
ギリギリと首を絞めつける強さは次第に強くなる。
「ぐっ…あ、、あ…やめ…」
首を絞める手をどうにか引き剝がそうと抵抗するがその抵抗も空しく息を引き取った。
その亡骸を愛おしそうに投げ捨て、踵を返した。
「これで、お終い…」
刹那。世界が揺れたかのような衝撃が襲う。
「何っ…これ…!?」
枯れた木々は薙ぎ払われ、ビルも一部一部崩落し、アスファルトも剥げ、すべては破滅を予感させる様な感じだ。
「ま、まさか…!」
銀髪の少女は慌てて先ほど殺したであろう青髪の少女を見る。
そこには巨大な魔法陣が浮かび、時空ごと振動しているのが見て取れる程大きな力が行使されていた。行使していたであろう少女は気を失ったまま魔法陣の真ん中で横たわっている。
「この…魔法陣は、転移魔法!? 逃がさない…貴女は私がッ…!」
バシュン
そんな音を立てて空間から消えた。後に残ったのは町だった物の残骸だけ。
これまでの争いの雑音など全くなく、騒めく風の音だけが、そこに残ったのだ。
こんな作品のページを開いていただき幸いです。
文系を先行していたわけでもなく書いてみた作品なので文字力は無いです…
そんなのでもよければ何かアドバイス等いただけると幸いです。
それでは、