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1-1

あらすじ!

月原郁人は事故死して、戦国時代に転生し、丹羽さんちに拾われました。


 時は経ち、天文11年(1542)尾張国の守護である斯波氏の勢力が弱まりはじめ、斯波家に仕えていた豪族・国人は次々と離散していっていた。

 月原郁人を拾った丹羽家もその一つであった。

 だが、他の豪族・国人とは違い、守護代で尾張一の勢力を誇る織田大和守家ではなく、織田信秀率いる、織田弾正忠家に付くことにしたのである。


 そのように、急激に尾張国の事情が動いている中、6歳に成長した我らが月原郁人氏は如何しているかというと・・・


「姉上! そんなのではあたりませぬぞ!」

「うるさいですよ! 直にそのわらび餅を返したら許してあげましょう・・・」


 なぜか、義姉の長秀に追いかけられていた。


「姉上・・・それは無理なご相談です・・・」

 郁人は頭を抱えた。

「なぜです?」

「それは・・・餅がもう僕のお腹の中に入ってるからです!」

 そう言い出すと思ったらすぐさま走り去ってしまった。

「なっ・・・返しなさい! 郁ーー!」

 姉のわらび餅を食べてしまい追いかけられているようです・・・何とも情けない。


 ――――――――――――――――――――――――――――――


 6年前に赤子として拾われ、名札の通り‘丹羽郁人’と名付けられた彼だが、自意識が芽生える頃になって漸く現状を把握することになる。

 しかし、幾ら現状を把握したといっても、まだ赤子の郁人ではどうすることもできなかった。


 そこで郁人は考えた―――――


 『取り敢えず、今のうちは大人しくしておこう』

 『自由に動けるようになってから考えても遅くはないだろう』


 と、結論づけた上で、今の時代に自分を馴染ませて、丹羽家内での自分の位置を確認して過ごしているのである。

 けっして、居心地が良すぎて、馴染んだわけではないと言う事を明記しておこうと思う。

 ・・・恐らくではあるが。


 ――――――――――――――――――――――――――――――


 と、まぁこのように折り合いつけて生活をしている郁人であるが、一つだけ少し不満な所がある。


『なんで武将が女になってるんだよ!』


 そうなのである、半分くらいの確率で史実で男だった武将が女になっているのである! 

 無論半分であるから、男性もいる。例を出せば、丹羽家の現頭領丹羽長政もその一人である。

 原因は分らないが、周りの様子に変な所がないため納得せざる得ないのだ。


 だが、やはり郁人も男である、嬉しくないわけは無いので、不満はそっと胸に仕舞っておくのだった。


 ――――――――――――――――――――――――――――――


 このような回想や物思いに耽っていると・・・


「郁人ー! いるかー?」


 屋敷の正門から、郁人を呼ぶ声がする。

 行ってみると、親の主筋の娘である、織田信長・信行姉妹であった。


「姫様等、今日はどうされましたか? また沢彦和尚の難問のご相談ですか? それとも、政秀殿のお叱りからの逃走中ですか?」

 と、郁人は苦笑しながら問う。

 その、態度に憤慨したのか、頬を膨らませ(その顔は可愛らしいものであるが)信長は語気を強めて言う。

「今日は、遠乗りに行く約束をしていただろう!」

 最近の約束を郁人は思い返してみた。

「ああ! 思い出しました! 確かにこの間約束致しましたな!」

「というわけで早速行くぞ!」

「いやいや、二頭しか居ないではありませんか、僕は今義姉に追いかけられているので厩舎に行けませぬよ?」

 郁人が反論すると。

「信行が乗っている馬に乗ればいいだろう」

 と、あっさり返されてしまった。


 ――――――――――――――――――――――――――――――


「申し訳ありませぬ、信行様・・・」

 郁人は頭を垂れて言った。

「いいのよ。別に悪い気分ではないし・・・」

 信行は満更でも無さそうに、頬を朱に染めて返した。

 と、その雰囲気を知ってか知らずか、先導していた信長が早く行きたそうに急かす。

「ほら! なにしてる! 早く来い!」

「待って、御姉様!」

 二人は嬉しそうに急ぐ信長の様子に苦笑しながら、馬を急がせた。



 ――――――――――――――――――――――――――――――



「はー、気持ちいいなぁ・・・、夏にはピッタリだな!」

 信長はひんやりとした木曽川の水を浴びながら叫んだ。

「遠乗りの目的地は木曽川だったんですね・・・」

「御姉様、昨日の夜から楽しみで仕方無かったんですよ」

 肩の力を抜いた郁人に、楽しそうに遊ぶ信長を微笑ましく見つめる信行は言った。

「本当に楽しそうですねぇ・・・。信行様は遊ばれないのですか?」

 信長を見つめる信行に郁人は問う。

「私は・・・いいのよ」

 信行はその問いにかぶりを振った。

「なぜです?」

 郁人は重ねて問いかける。

「それは――」

 逡巡する様子を見せたが、一心に見つめてくる郁人の視線に耐えきれなくなったのか、恥ずかしそうに言った。


「泳げないのよ・・・私」


 ――――――――――――――――――――――――――――――

つづくよ・・・?

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