この世界
人は生まれた。
この世界に。
母なる海に包まれ。
母なる地に支えられ。
母なる空に見守られ。
人は生き続けている。
この世界に。
海から地へと、そして空を見上げる。
空から地へと、そして海を見下ろす。
人は目指した。
この世界を。
海から見た地は、緑で覆われていた。
地から見た空は、透き通るように星たちが散りばめられていた。
人は過ちに気付く。
この世界にしてきたことに。
空から見た地は、赤く燃えていた。
地から見た海は、飲み込まれそうになるほど黒かった。
人は滅ぶ運命だと理解する。
この世界から。
空を飛んでも。
地を走っても。
海を泳いでも。
人は逃げることは出来なかった。
この世界から。
人は望んだ。
この世界に。
新たな希望が現れることに。
この詩は前置きです。
ある物語の始まりであり、終わりのお話です。