表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いじめっ子達をひたすら地獄に落とすだけの話  作者: 束間由一
第一章:いじめられっ子と地獄の死者
2/7

水を飲む少年

 ある河川敷で……



 ジャバッ



 苦痛の中、水を掻く音が聞こえる。

 水面に顔を出そうと、必死でもがく手。しかし、その手の力は、頭を押さえつけられる力には及ばない。



 苦しい!

 助けて!

 殺される!

 お父さん! お母さん!



 死の恐怖が、彼の体を覆った。

 死の闇が彼に迫った。



 そして、彼は意識を失った。




 「やべっ、死んだか!?」


 「やべー、やべー。ここにいちゃマズいし、ズラかろうぜ?」


 「そうしよ、そうしよ」


 「こいつ、明日ゾンビになって学校来るかもな」


 「ハハハ」 


 彼を押さえつけ、水の中に顔を埋めさせていた人相悪い3人の少年は、まるで自らのやっていた事に罪の意識を感じていないかのような軽い言葉を発しながら、笑いながら、その場を後にした。



 恐怖に包まれた彼は、水面に顔を沈めたまま、動く事はなかった。本当に死んだかのように。

 川は、そんな彼を気に留める事も無く、薄情な程に静かに、ただ下降に向けて流れ続ける。もし彼が死んだって、川はただその顔をふやけさせ、魚のえさにするだけだろう。



 世の中もまた、そんな川のように彼に非情であった。


 







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ