表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

アラサー女のアンサー〈妊活〉

掲載日:2026/03/31

妊活を諦めるB子の話。

結婚前は妊娠しないようにすごく気をつけていた。

デキ婚は絶対にしたくない!と思っていたし、妊娠は望めばできるものだと思っていた。


7年付き合った彼氏と結婚して3年。


デキ婚はいつの間にか授かり婚と呼ばれるようになり、私は不妊治療というワードを気にするようになった。


結婚してすぐは夫と「子どもがいたらもっと楽しいね」とか「子どもの人数」とか「子どもの名前」とか、話すのが楽しかった。


いつの間にかキラキラした未来の話は、現実との差を思い知ることになるだけになった。

ただ今はしんどい。

妊活はたくさん頑張っても、良い結果が出るものではないことを私は知ってしまったから。


どうして過去の私は、結婚したら幸せになれると思ったのだろう。

望むもの全てを手に入れたはずだったのに。今は足りない。

圧倒的に幸せが足りない気がする。


今の私は妊活に囚われている。


大好きなコーヒーやお酒を我慢して、朝はめんどくさいが基礎体温を測り、運動は嫌いだけどなるべく毎日散歩するようにしている。


子どものためだからと頑張れるのは1年間くらいまでだった気がする。

今はただしんどい。

望めば望むほどに。


時計の針がカチッカチッと音を立てている。

残酷な音だなと思う。

今は少しずつ老いていくのが怖い。


「女には賞味期限があるから〜」と友達と話をしたことを急に思い出した。

私の女という賞味期限はあとどのくらいなのだろうか。


次、もしも生まれ変わって人間になれるなら私は男になりたい。


夫は私のくだらない話を隣で聞いてくれる。

「私が男に生まれ変わるから、あなたは女に生まれ変わって」と私は夫に言った。

別に性別はどちらでもいいか。

いや、まだ日本では同性婚が法的に認められていないから…

日本人に生まれ変わる前提になってるが、違う国かも?


あー、とりあえず、しんどい妊活から逃げてしまいたい。


私だけがしんどいのだろうか?

夫はどう思っているのだろうか…


数日経った。

1ヶ月が経った。

生理がきた。

「またダメだった。」送信。


不安と焦りと名前のない黒い感情が私を蝕む。


その夜、晩ごはんを食べた後、夫はコンビニから買ってきたビール2缶とプリン1つ取り出して、テーブルに置いた。

「もう2人で飲んじゃおう。もう我慢しなくていい。」


夫も多分辛かったのかもしれない。

毎日、しんどいという言葉を投げられたり、コーヒーもお酒も封印されたり。


その夜、泣きながら私はビールを飲んだ。

好物のプリンと一緒に。


妊活は…時に人を壊す。

壊れないように。

私が私でいられるように。


夫と話をした。

私は妊活を、子どもを、今は諦めることにした。

諦めるという言葉を使いたくないので、言い換える。

妊活をお休みすることにした。今は。

いや、これからずっとかもしれない。


迷いも後悔もあるけど、もう頑張れない。

それを分かち合える人がいることは幸せなことかもしれない。


頑張れない時に側にいてくれる人が夫で良かった。

書き終わって急にレミオロメンが聴きたくなった。

本文とは関係ないけど(←久々に聴いたら、気が付かなかったが影響受けてるな…これ。)レミオロメンの「ビールとプリン」という曲が好き。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ふと、力が抜けた時に… という事はあるあるなのです。 妊活がストレスになってしまっては本末転倒、優しい旦那さんで良かったと、主人公が気付けて良かったです( ^ω^ )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ