アラサー女のアンサー〈妊活〉
妊活を諦めるB子の話。
結婚前は妊娠しないようにすごく気をつけていた。
デキ婚は絶対にしたくない!と思っていたし、妊娠は望めばできるものだと思っていた。
7年付き合った彼氏と結婚して3年。
デキ婚はいつの間にか授かり婚と呼ばれるようになり、私は不妊治療というワードを気にするようになった。
結婚してすぐは夫と「子どもがいたらもっと楽しいね」とか「子どもの人数」とか「子どもの名前」とか、話すのが楽しかった。
いつの間にかキラキラした未来の話は、現実との差を思い知ることになるだけになった。
ただ今はしんどい。
妊活はたくさん頑張っても、良い結果が出るものではないことを私は知ってしまったから。
どうして過去の私は、結婚したら幸せになれると思ったのだろう。
望むもの全てを手に入れたはずだったのに。今は足りない。
圧倒的に幸せが足りない気がする。
今の私は妊活に囚われている。
大好きなコーヒーやお酒を我慢して、朝はめんどくさいが基礎体温を測り、運動は嫌いだけどなるべく毎日散歩するようにしている。
子どものためだからと頑張れるのは1年間くらいまでだった気がする。
今はただしんどい。
望めば望むほどに。
時計の針がカチッカチッと音を立てている。
残酷な音だなと思う。
今は少しずつ老いていくのが怖い。
「女には賞味期限があるから〜」と友達と話をしたことを急に思い出した。
私の女という賞味期限はあとどのくらいなのだろうか。
次、もしも生まれ変わって人間になれるなら私は男になりたい。
夫は私のくだらない話を隣で聞いてくれる。
「私が男に生まれ変わるから、あなたは女に生まれ変わって」と私は夫に言った。
別に性別はどちらでもいいか。
いや、まだ日本では同性婚が法的に認められていないから…
日本人に生まれ変わる前提になってるが、違う国かも?
あー、とりあえず、しんどい妊活から逃げてしまいたい。
私だけがしんどいのだろうか?
夫はどう思っているのだろうか…
数日経った。
1ヶ月が経った。
生理がきた。
「またダメだった。」送信。
不安と焦りと名前のない黒い感情が私を蝕む。
その夜、晩ごはんを食べた後、夫はコンビニから買ってきたビール2缶とプリン1つ取り出して、テーブルに置いた。
「もう2人で飲んじゃおう。もう我慢しなくていい。」
夫も多分辛かったのかもしれない。
毎日、しんどいという言葉を投げられたり、コーヒーもお酒も封印されたり。
その夜、泣きながら私はビールを飲んだ。
好物のプリンと一緒に。
妊活は…時に人を壊す。
壊れないように。
私が私でいられるように。
夫と話をした。
私は妊活を、子どもを、今は諦めることにした。
諦めるという言葉を使いたくないので、言い換える。
妊活をお休みすることにした。今は。
いや、これからずっとかもしれない。
迷いも後悔もあるけど、もう頑張れない。
それを分かち合える人がいることは幸せなことかもしれない。
頑張れない時に側にいてくれる人が夫で良かった。
書き終わって急にレミオロメンが聴きたくなった。
本文とは関係ないけど(←久々に聴いたら、気が付かなかったが影響受けてるな…これ。)レミオロメンの「ビールとプリン」という曲が好き。




