プロローグ
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天正十年六月一日、深夜。
本能寺にて。
いつもは静かな京の都の夜も今宵ばかりは異様なざわめきに包まれていた。
無数の兵士の足音が京の道に響き渡る。
兵たちは寺の四方を固め、逃げ道を断つように配置されている。
やがて各所から火が放たれ、瞬く間に炎は建物を舐めるように広がっていった。
寺に放たれた火が爆ぜる音とともに、火の手は勢いを増し、黒煙は夜空へと立ち昇る。
闇夜を赤く染める炎は、やがて本堂へと迫り、逃げ場はどこにもなかった。
「もはや、信長もこれまでよ……」
兵を率いる総大将の男は、燃え盛る本能寺を見上げ、静かに、しかし確かな笑みを浮かべてそう呟いた。
その男の名は明智光秀。
織田家に仕え、知略に優れた名将として知られる男である。
だが今宵、彼は主君である織田信長に牙を剥いた。
長きにわたり仕えてきた主への謀反――その決断に至るまでに、どれほどの葛藤があったのかは、もはや誰にも知ることはできない。
ただ一つ確かなのは、今この瞬間、光秀はこの行為にすべてを賭けているということだった。
「これで……終わる」
燃え上がる炎の向こうを見据え、光秀は低く言い放つ。
これが、のちに「本能寺の変」と呼ばれることになる大事件の幕開けであった。
一方、本能寺の本堂の中では、煙が立ち込め、息をすることさえままならない。
熱気は肌を焼くように押し寄せ、視界は炎と煙に覆われている。
百人余りの兵たちが、押し寄せる敵を食い止めようと必死に抗っていた。
「敵を中へ入れるな!」
「ここで食い止めよ!」
怒号と悲鳴、金属がぶつかり合う甲高い音が入り乱れる。
だが、圧倒的な兵力差の前に、その防衛も長くは持たなかった。
しかしそんな中、本堂の奥で一人の男が静かに立っていた。
「……もはや、これまでか」
その男の名は織田信長。
誰もが一度は教科書で見たことがある歴史人物であり、第六天魔王と恐れられ、天下統一をあと一歩まで押し進めた戦国時代の覇者である。
明智光秀に不意を突かれ、兵も少なく、援軍も望めぬ状態でも、信長は取り乱すことなく静かに最期を受け入れていた。
「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり——」
幸若舞『敦盛』の一節を口ずさみ、信長は自らの運命を悟る。
それは、儚き人の世を詠った言葉であった。
信長は、まるで舞うかのように一歩踏み出す。
足元にはすでに火が迫り、衣の裾を焦がしている。
「短い……実に、短い生であった……」
ぽつりと漏らしたその言葉には、悔恨とも諦観ともつかぬ響きがあった。
天下は、もうすぐ目の前、手の届くところにあった。
しかし、あと一歩――それが届かなかった。
「俺の人生は天下を統一するには短かった……」
そして、信長はゆっくりと刀を手に取った。
炎はすぐそこまで迫り、熱は容赦なく体力を奪っていく。
それでもその動きに迷いはない。
「是非に及ばず」
静かに、しかしはっきりとした大声だった。
それは己の最期を受け入れた、揺るぎない覚悟の言葉。
燃え盛る炎の中、信長は手に持った刃を構える。
その姿は、まるで炎そのものと一体化した武人かのように見えた。
そして――
戦国の世を駆け抜けた一人の覇者は、静かにその生涯の幕を家臣の裏切りによって閉じた。
炎はさらに激しく燃え上がり、本能寺のすべてを呑み込んでいく。
夜空を焦がすその光は、まるで一つの時代の終わりを告げるかのようだった。
やがて、夜が明けるころには寺があった場所に残っていたのは大量の灰だけであった。
だが、この夜に起きた出来事は決して消えることはない。
この事件は後の世に「本能寺の変」として語り継がれることとなる。
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