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TS転生したただの一般人なのに、クラスのご令嬢美少女に迫られてます  作者: マグローK


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第31話 突破! 探索者資格第二次試験!!

 僕にダメージが通らなかったことがよほどショックだったのか、賀来は数歩後退した。


 僕としても、相手がいかつい男だからと負ける訳にはいかない。


「な、なんでだ? 確実にうめいて動けなくなる一撃のはず……」


「そんなもの、女の子の腹にぶつけてんじゃねぇ!」


「自分で女の子とか言うな、どうせお前は、ば……」


「あ?」


「……」


 おっと、いかんいかん。

 頭に血が上っている。


 今の僕は仮にも女の子だ。かわいくしなくとも、喧嘩腰では中身を疑われかねない。おとなしくしておこう。


 さて、一応ケガの具合を確認するためにお腹を撫でてみたが、特に何のダメージもない。

 一安心だ。


「はっ! そうか。お前、強化系か。なら、女にしては面白れぇ」


「違いますが」


 否定した直後、賀来はニヤリと笑ったかと思うと、僕の懐に入り込んでいた。


 逃げ腰になっている間に、かなり距離を取られていたと思う。それなのに、ほとんど一瞬の内に距離を詰められたみたいだ。


 こいつ、単なる輩ではないって事か。


「終わりだ! 死ね!」


「……終わらないさ。チンピラとしては格が高くとも、千伊香ちゃんほどしつこくないし、みふだちゃんほどメチャクチャじゃない」


 振り上げられた拳をすんでのところで見せつけるようにかわしてから、僕はすぐさま賀来の背後に回った。


 やはり、普段相手しているモンスターたちと比べれば、賀来の動きはどうって事ない。

 やっている事の派手さに目がいってしまっていたが、面と向かえば、中身がない事がわかってしまう。


「今の攻撃をかわされた、だと……?」


 困惑した様子の賀来は、まだ僕の居場所に気づいていないらしい。


 やばい。余裕すぎて笑っちゃうな。


「遅い、遅いよ」


 声によってようやく気づいたように、賀来はこちらを振り向いた。

 その顔は驚きに満ちあふれ、目をこれでもかと見開いていた。


「いつのまっ!?」


 そして、すっとんきょうな声をあげると、ゴロゴロと、僕の足元まで転がってきた。


 突然の出来事だが、これも計画通り。


 奥の方では、ぽよんぽよんと跳ねているスライムの姿。褒めてほしそうにアピールしているのは、当然せんちょーだ。


 視線をそらしてしまえば、それはスキとなり、モンスターから攻撃される。ダンジョンにおいて当たり前の事。


 その当たり前がわかっていない様子の賀来は、倒れたまま動かない。


「大丈夫ですかぁ?」


「なっ!? なにが起きた?」


 やっと顔を上げた賀来は混乱したように目を回している。


「こんなところにモンスター……? なら、お前はテイマーか?」


「惜しい。僕はダンカプレイヤーさ」


「なるほどな。ダンカやってんのか」


 何か納得したようにうなずくと、賀来は立ちあがろうとしてずっこけた。

 体に上手く力が入らないのか、膝に手を乗せて、やっとのことで立ち上がっている。

 そんな状態になってでも、賀来はまだ勝利を諦めていないようだった。


「手の内をバラしちまってよかったのか?」


「一対一のこの状況じゃ、いずれバレるだろうから」


「なるほど。そいつはそうだ。なら、もう終わりだな。モンスターのいない本体は今、ガラ空きだろ?」


 威勢だけはバッチリに走り出した。


 そんな突っ込んでくる賀来の動き、それは、明らかに質が落ちていてキレがなかった。


 近づいてくるまでの間に、カードを正面で構えるには十分な時間だった。


「行け! なんこう!」


 召喚されたメタモルキャットのなんこう。その姿を見て、賀来は方向転換しようとした。

 だが、間に合わなかった。

 飛び出たなんこうはすぐさま姿を変えて、向こうからやってくる賀来を出迎える。


「クソがああああ!」


 見た目で実力差を悟ったように、賀来は最後の悲鳴を上げると、仰向けになって倒れた。


「力で負けて悔しかろう」


 いや、勝負すらできていないか。


 賀来はなんこうが変身したところで、白目をむいて倒れてしまったのだから。


「そこまで!」


 いきなり現れたのは、おじさまの隣にいたタブレットをいじっていた女性。


「勝者は梨野さん」


 それだけ言うと、赤と黒のシマシマみたいな髪を揺らしながら、賀来のところまで歩いていく。


「この人には、後できつーいお仕置きが必要です。梨野さん。ここは一度見逃していただけませんか?」


「別に構いません」


「ありがとうございます。それでは、梨野さん、第二次試験突破おめでとうございます。お騒がせしました。……一般の出だから期待していたんですけれどね……」


 気づくと僕は先ほどの控え室へと戻ってきていた。


 真っ白な空間に僕1人。

 他に人の気配はない。


「え、僕だけが合格?」


 そんなはずはないだろう。


 しばらく待っていると、1人、また1人と戻ってくる人が増えてきてホッとした。


「歴さん!」


「嶺さん!」


 嶺さんも戻ってきて僕の手を取るとぴょんぴょんと跳ね出した。


「やりました。わたくしもやりましたよ」


「おめでとう! 2人揃って突破かな?」


「いえ、まだ試験は続いています。油断は命取り、ですよ」


 またしても、人差し指を立て、注意するように言われてしまった。


「はい。油断せず最後まで頑張りましょう」


 でもやっぱり、この子はかわいらしい。


 ざわざわとした会場内でも一際輝いて見えるほどだ。




 キャッキャとはしゃいでいると、手を叩くような音が部屋の中で響いた。


 音の先には、中心人物と思われるおじさま。


「ふむ。ご苦労。皆のもの。それでは第二次試験を終了とする。そしてこれより最終試験を開始する」

いつも読んでくださりありがとうございます。


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